世界最悪レベルの福島第1原発事故を起こした東京電力が21日、柏崎刈羽原発6号機(新潟県)を再稼働させた。政府は電気料金抑制や電力供給面で再稼働のメリットを訴えたが、東京電力は「料金は下がらない」と認める。供給面でも首都圏は再生可能エネルギーの成長が著しく、福島の事故後14年近く「原発ゼロ」の耐性ができていた。安易に原発に頼ろうとする「原発脳」からの卒業が必要だ。(荒井六貴)
◆国が新潟県の同意を得るために避難施設や道路の国費整備を約束
「中部電力のようなことがあると、地元の反応が厳しくなるのは間違いない」。経済産業省幹部は、中部電浜岡原発のデータ捏造(ねつぞう)問題の発覚が、柏崎刈羽を巡る新潟県の再稼働同意後だったことに安堵(あんど)した。
柏崎刈羽は、原子力規制委員会が2017年12月に新規制基準に適合すると判断してから8年以上が過ぎ、再稼働同意に時間がかかっていた。新潟県民の東京電力不信は根強く、浜岡の問題が同意前に起きていれば、花角英世知事の判断に影響を与えた可能性があった。
政府は県の同意を得るため異例の攻勢を仕掛けた。避難施設や道路の国費整備を約束。県議会に経産省資源エネルギー庁の村瀬佳史長官が昨年3月と10月の2回にわたり出席し、国策に協力するよう迫った。
その過程で主張した原発のメリットが、料金抑制や電力供給の安定などだ。しかし首都圏では今、原発に依存する必要性は乏しい。
◆電力需要のピーク時の「余裕」は十分か?
平均世帯モデルの電力料金は、毎時260キロワットの使用で原発事故前の2010年12月分が6301円で、2025年12月分は1.37倍の8639円。火力発電で使う化石燃料の輸入に影響する為替相場が、同じ期間で1.7倍近く円安ドル高になったことを考えれば、それほど高くなっていない。
東京電力は2023~2025年度の料金を再稼働を織り込んだ上で計算しているとして、「再稼働でさらに安くなるという事実はない」と説明する。再稼働していなくても、東京電力の経営努力で料金上昇分を吸収できている。
電力供給面では太陽光などの再エネが大きく貢献し、不足する状況ではない。電力広...
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北叟の笑い 1月22日11時48分
原発は安いという主張をしてきた電力会社の発表だけに、意味がある。
供給の面でも原発依存から離れる可能性が書かれていて、参考になりました。
もっとも、
「電気代が安くなるから原発は稼働したほうがよい」という土俵に乗っていてよいのか?
電気代という狭い土俵に乗って、問題を矮小化するのは、プラスにならない、
とも思います。そこは私たちが気をつけたいところです。
安く見積もろうとすると、電力会社はコストを小さくしようと(見せようと)します。
管理にかける人件費・メンテナンスにかける人件費・・・
そもそも広域避難は自治体に丸投げされています。
核のゴミを棄てるコスト、
事故が起こった場合の補償は盛り込まれているのでしょうか。
電力会社の数字は、どういう算定をした結果なのか、さらに「検算」があればと思います。
福島の場合、家を失い、生業を失い、帰るべき家郷も失った人が少なからずいらっしゃいます。
お金ではどうにもならない大きな損失があります。
しかも、放射能の被害は世代を超えて子や孫にまで及び得ます。
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