時速194キロ死亡事故、二審は危険運転認めず 懲役4年6カ月判決

松本江里加
[PR]

 大分市で2021年2月、時速194キロで車を運転して死亡事故を起こしたとして、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)の罪に問われた元少年(24)の控訴審判決が22日、福岡高裁であった。

 平塚浩司裁判長は危険運転の成立を認めて懲役8年(求刑懲役12年)とした一審・大分地裁判決を破棄。「自車線で直進を続けていた」として危険運転致死を認めず、過失運転致死罪を適用し、懲役4年6カ月の判決を言い渡した。

「制御困難な高速度、にあたらず」

 判決によると、被告は21年2月9日午後11時ごろ、大分市の制限速度60キロの県道交差点を194キロで乗用車を運転し、対向車線を右折してきた小柳憲さん(当時50)の乗用車に衝突、死亡させた。

 争点は現場となった直線道路を194キロで走行したことが危険運転にあたるかどうかだった。

 高裁は「日常用語としての危険な運転である」としつつ、被告の車は進路から逸脱したりふらついたりしていないと指摘。危険運転の類型のうち「進行を制御することが困難な高速度」にはあたらないと結論づけた。

 法定速度の3倍を超える高速度は常軌を逸しており悪質ではあるものの、過失運転致死傷罪で処罰している裁判例が積み重なり、同様の解釈が定着してきていると説明。そのうえで「被告に対してのみ、特異な判断を維持することはできない」とした。

 また、走行実験に参加したプロドライバーの「現場をミスなく運転することは難しい」との証言を採用した一審判決について、高裁は実験に使われた車両は被告の車と車種が異なり、「証拠価値に乏しい」と指摘。「被告の車両の具体的性能を前提として立証する必要があった」とした。

 その上で過失運転致死罪を適用。「常軌を逸した高速度であり態様は悪質」として懲役4年6カ月を言い渡した。

 検察側は危険運転の類型のうち「進行を制御することが困難な高速度」のほか、「妨害目的で接近し重大な危険を生じさせる速度」にあたると主張していた。

 弁護側は、道路は舗装された平坦(へいたん)な直線で「進路を逸脱していない」などとして危険運転は成立しないと訴えていた。

 一審判決は「妨害目的」は認めなかったものの危険運転を認定した。検察、被告の双方が量刑不当などとして控訴していた。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
松本江里加
西部報道センター
専門・関心分野
地方創生、子どもの権利、福祉,など