旧統一教会への恨み、なぜ安倍氏へ… 標的変更の評価争点 元首相銃撃裁判21日判決
その上で被告にとって安倍氏は教団に打撃を与える「道具」に過ぎず、「自己中心的で酌量の余地はない」と非難した。
■「発射罪」の適用可否も争点
公判では、山上徹也被告がインターネット上の情報をもとにパイプ銃や火薬を製造した過程も明らかになった。
被告はネットで拳銃を購入しようとして失敗した後、令和2年12月、主に米国で投稿された動画を見ながら製造を開始。材料はホームセンターや通販サイトで市販されている水道管の鉄パイプなどで、裏付けが取れただけでも計847点(約60万円)の材料を購入していた。
銃はのべ10丁を製造。火薬も製造用のアパートやガレージを借り、配合を試行錯誤しながら計2キロ以上を完成させた。
こうした手製銃が銃刀法の規制対象になるかどうかも公判の争点になった。事件当時の銃刀法では発射罪が適用されるのは「拳銃等」に限定され、あらゆる銃が対象になるわけではなかったからだ。
検察側は、安倍氏に対して使われた銃の口径は20ミリ以上で、拳銃等のうちの「砲」に当たると主張。発射罪の適用を前提に求刑を導いた。
ただ法律上、砲の定義は明確ではなく、弁護側は20ミリ以上の口径に合う大型弾を撃てる能力も要件だとし、同罪は成立しないと訴える。こうした法律判断も量刑に影響する可能性がある。(西山瑞穂、喜田あゆみ)