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東インドと西インドはどこで分かれるのか?

 前回に続いてやたらと出てくるのにあまり説明されることのないインドという諸概念について、そして「東」に関連する中東、極東、オリエント、レバントについても解説します。

東インドと西インド

 インドに関連して、東インドや西インドという名称もあります。
 この場合のインドは元祖インドから派生した概念でありますが、範囲は異なっています。東インド、西インドとはどのような範囲を指すのでしょうか?
 東方からの物資は、ほぼすべて小アジア、レバントを通って西ヨーロッパにやってきていました。その入口をイスラム勢力に抑えられた西ヨーロッパのうち、特にその物流網の辺境であるポルトガル、スペインがインドを目指して海に打って出ました。
コロンブス(スペイン)はもともと西廻りでインドに辿り着こうと企図して航海し、発見したカリブ海の島々を目的地のインドだと思っていました。新大陸、カリブ諸島のネイティブアメリカンがインディアンと呼ばれたのは、そこがインドだからです。やがてそこが目的地の元祖インドではなかったと判明したところで、(ヨーロッパから見て)西(にある)インド諸島と呼ばれることになりました。
 西インドが勝手にできたため、元祖インドは東インドということにされてしまいます。そしてヨーロッパに知られている範囲以外は全部インド扱いしてしまおうという概念の拡張に伴い、どこまでが西インドでどこからが東インドなのか、の区切りをつけなければならなくなりました。東インドと西インドの分岐点は、喜望峰とマゼラン海峡とされました。つまり、喜望峰の西からマゼラン海峡までは西インドで、喜望峰の東からマゼラン海峡までが東インドです。
 東インドはアフリカ東岸からアラビア半島、インド、インドネシア、インドシナ、フィリピン、中国、日本を含む広範な地域です。オランダ東インド会社が支配したインドネシアは蘭印(オランダ領インド)と呼ばれました。

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西インドと東インド

近東、中東、極東

 「近東Near East」、「中東Middle East」、「極東Far East」という概念は、どこかから見て東ということです。それは一体どこなのでしょう?
大方の想像はつくと思いますが、「大英帝国Empire of Great Britain」です。大英帝国から見て東の、最重要植民地であるインドまでの間にある地域にどう対処していくのか、という戦略を立てるところにその政治的設定意義があります。
 初期に定義された際の近東は、西ヨーロッパの近くにあるオスマン帝国の支配領域を指す言葉でした。バルカン半島からトルコ、エジプト、サウジアラビア、イラクまでの地域が該当します。中東は、イラン、アフガニスタン、コーカサス地方、中央アジアのあたりの地域が該当します。インドは目的地なので、いずれの分類にも含まれません。極東は、インドの向こう側であるインドシナから中国、日本あたりの地域です。
 オスマン帝国の崩壊、第二次世界大戦を経てパワーバランスが変化し、現代では中東は近東とほぼ同じ地域を指すものになりました。

レバント、オリエント

 中東と似たような地域を指す概念として、レバントとオリエントという名称もあります。レバントはレバント貿易、レバント会社で知られていますし、オリエントはオリエント急行で知られています。いずれも日が昇るところ、つまり東方を意味する言葉です。
 レバントは、フランス語の「ルヴァンLevant」に由来し、「(日が)昇る」を意味します。概ねシリア、レバノン、パレスチナ、イスラエルを含む地域で、小アジアを含む場合もあります。イタリア都市国家のヴェネツィア共和国は、アレクサンドリアの港に集まる東方からの絹や香辛料等の高価品を独占的に貿易することで巨万の富を築きました。
 「オリエントOrient」は、レバントよりもさらにあいまいな概念で、最広義にはアジアとほぼ同じ範囲になりますが、歴史的オリエントはトルコからエジプトまでの地中海東部沿岸地域及びアラビア半島、東はイランまでを指します。ラテン語の「オリエーンスoriēns」に由来し、「日が昇る方角(東)」を意味します。レバントより少し広い地域を指すようです。

 いかがだったでしょうか。頻出する割には明確に説明されることが少ない地理的名称の概念について解説してみました。いずれにせよ、すべてはヨーロッパ側から定義されたものであり、アジア発の概念ではありません。

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欧米人、昔の日本人の名前、地名の意味と言葉の語源や歴史を探求する。本業は会計士。
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