日本国民の重要情報、米国企業のガバクラに 米政府の影響排除できず

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東谷晃平 編集委員・若江雅子
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 政府の進める「自治体システムの標準化」と「ガバメントクラウド(ガバクラ)」。ガバクラを使う自治体はほとんどがアマゾンのクラウドサービスAWSを採用する。米国政府がデータ開示を迫る可能性はゼロではなく、外資依存の懸念は強まっている。なぜこうなったのか。

 デジタル庁は21年度からガバクラの公募を始めた。初年度に採択されたクラウドサービスは、アマゾンのAWSとグーグルのGCPだった。

 その後、マイクロソフトのAzure、オラクルのOCIが追加で採択された。国内企業は23年度にさくらインターネットが条件つきで採択されたのが最初だ。

 国内勢が苦戦したのは、アマゾンのような巨大IT企業でなければクリアできないほどの厳しい技術要件が盛り込まれたことが一因だ。

 「採用実績100以上」「データ分析機能や機械学習関連機能の提供」「メンテナンス時や障害発生時にもサービスを止めない」など300以上の要件が「参入障壁」になったのだという。その結果、「自治体には明らかにオーバースペックな内容になった」。クラウドに詳しい佐藤一郎国立情報学研究所教授は指摘する。運用経費が高くなることにもつながった。

 これらの要件は国と自治体のシステムで共通で、たとえば人口数百人の自治体と何千万人ものデータを扱う厚生労働省も同じ要件に縛られる。

 「そもそもクラウドの最大のメリットは需要に応じて自動的かつ柔軟に処理能力やストレージ容量などを増減できる点にあるが、自治体の場合、年間を通じて業務量の変動が少ないため、クラウドを使ってもお得感はない」と佐藤教授は話す。

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 なぜこのような要件になった…

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