「統一教会」を知りたければまず国会図書館だ
1967年7月15日~16日に富士の裾野・本栖湖畔の本栖厚生施設・水上スポーツセンターで、文鮮明と日本の右翼のフィクサー、笹川良一が会談した。この会談がきっかけとなって、翌1968年4月に国際勝共連合が設立された。『仮面のKCIA-国際勝共連合=統一教会-』は、会議に誰が出席し、何が話し合われたかまでを掲載している。 笹川に話をもちかけたのは文鮮明のほうだった。裏にはKCIAから文鮮明への命令があったらしい。 ところが反共といっても、日本の右翼と旧統一教会は見ている世界がまったく違う。旧統一教会は、天皇を朝鮮に贖罪(しょくざい)すべき存在ととらえていた。それは日本の右翼と到底相いれるものではない。 その一方で笹川には、国際的な反共組織を立ち上げることで自分のステータスを上げて、この時期、政治資金がらみで自民党に隠然たる影響力を持っていたライバルの児玉誉士夫(1911~1984)に対抗したい、という思惑もあった。 その結果、1968年4月に、主に旧統一教会側のメンバーを中心に、笹川を名誉会長とした国際勝共連合が結成される。旧統一教会のフロント組織の国際勝共連合は、政治団体として、日本の与党である自由民主党の右派に食い込んでいく。 3度本を置いて考える。いったいなぜ、笹川は天皇に関する考えが真逆の旧統一教会と組んだのか。ここまで正反対だと、笹川が「裏切り者め」とばかりに右翼のテロに遭ってもおかしくはない。 ●「岸さんが付き合っているなら安心だ」 おそらく「岸信介が責任取ってくれるなら、安心だ」という判断が働いたのではなかろうか。そして、岸と統一教会との関係は、その後の自民党右派議員と国際勝共連合、つまりは旧統一教会との癒着の言い訳にもなっていく。「岸さんが組んでいるんだから、自分が協力しても安心だ」という形で。 かくして旧統一教会は、高度経済成長で経済大国になった日本から、洗脳と搾取で利益を吸い上げることに成功する。その巨大な被害の末端に、山上被告は連なっている。 が、岸信介は1987年に没する。後継者の安倍晋太郎がコネクションを継ぎ、さらに安倍晋三元首相が継いだことは間違いない。 その安倍元首相は、2012年の自民党与党復帰にあたって、旧統一教会に選挙協力を依頼してしまう。 そして、安倍元首相に少なくとも韓国政界との緊密なコネクションはない。韓国側でも、朴正熙政権時には強大な権力を持ち、旧統一教会の首根っこを押さえていたKCIAは、金大中政権時の1998年に解体となり、国家情報院に改組された。そして、日本の右派と旧統一教会との共闘の契機となった共産主義はというと、1991年にソ連が解体・消滅してしまって久しい。 もう、旧統一教会を縛る鎖はない。 一方で自民党の各議員は、どう考えるか。「安倍首相が率先するなら、旧統一教会と癒着しても安心だ」であろう。 かくして、第2次安倍政権で、旧統一教会との癒着が進む。結果としてもはや抑えの効かない反社会カルトが、一層強固に、日本の政治に食い込んでしまった――政治が依存したが故に、山上家の地獄は救われることがない。 公判の進展とは別に、今、政府自民党が、日本国民のために何をやるべきかははっきりしている。旧統一教会との絶縁と、岸信介が与えてしまった宗教法人認証の剥奪、及び旧統一教会に絡め取られた被害者の速やかな救済だ。 自民党幹事長代行に大物「壺(つぼ)議員」を起用している現状を見るに、「やる気なし」なのは火を見るより明らかではあるのだが。 ところで私、ここまでの推論に、相応の自信は持っている。が、一市民に過ぎない私が、公の場に名前入りで公表するまでに自信を持てた、その根拠は何かと言えば、私が県立図書館で読んだおそらくは100冊ほどの書籍だ。