また「2割の壁」東大合格者の女子比率が停滞…女子枠の検討は?批判殺到の女子向け家賃補助が「逆差別」ではない理由【国際女性デー】
■地方出身の女子へのアプローチは?家賃補助は“逆差別”か
福井:首都圏出身の学生が多いという問題もありますよね。地方出身の女子となると、さらにマイノリティーになってしまいます。私自身も四国から受験した東大女子だったんですが、地方出身の女子に対するアプローチはありますか?
林:女性在校生に、高校に行って東京大学の良さを説明してもらうために、交通費の補助をするとか。また、女子高校生のためのオンラインの説明会を毎年実施しています。そこには必ず藤井輝夫総長も出てもらって、直接語りかけます。
福井:ロールモデルを提示する取り組みですね。20年前ですが、私は入学するまで東大の女性と会ったことがありませんでした。
今回、私は当事者だと思って臨みました。でもよく考えると、私は実は当事者ではなくて、本当の当事者はきっと私の周りにいて、私より勤勉で優秀であったけれども東大を志望しなかった彼女たちなんだなということがわかりました。どうすればあのとき「一緒に志望しようよ」と言えたんだろう、と。
林:地方から出てきて、浪人を前提に誘うってなかなか難しいと思うと、やっぱり大学にも責任があると思うんです。必ずしも東京大学に来ることがベストというわけじゃないんですよ。可能性として試してみようと思ってくれる雰囲気をもっともっと作っていかなくちゃと思いますね。
福井:私の場合は、県人寮が女子も充実していたのがラッキーだったと思います。
林:女性学生に対する住まい手当てをちょっと前から始めたんですけど、それが「逆差別だ」とすごく批判されました。だけど、東京にはたくさん県人寮がありますが、実はその多くが男性だけか、女性用の部分が小さいんですよね。
浪人とか県人寮、そういうことが積み重なって、本題である、例えば物理を勉強したいとか、海外に行って大きな装置で工学を研究したいとか、あるいは弁護士になりたいとか、そういうことがどんどん消えていってしまう。それがとても残念だと思います。
福井:高校の先生たちへのアプローチはありますか?
林:高校の先生や親御さん、そういう大人にもアプローチしなくちゃいけないと思います。日本では世界の国に比べても、高校の先生は男性が多くて、特に理系になるとほとんど男性なので、そこからロールモデルが少なくなっていくというのも、女性に対しての動機付けが弱くなっていく1つの原因だと思いますね。