また「2割の壁」東大合格者の女子比率が停滞…女子枠の検討は?批判殺到の女子向け家賃補助が「逆差別」ではない理由【国際女性デー】
■多様な選抜で多様な才能の発見を…“女子枠”設定の可能性は?
福井:今年10回目になった学校推薦という枠がありますね。今回、学校推薦枠だけで見ると、ほぼ男女同数が実現されたと思います。学校推薦型選抜は、多様性を確保するという意味においてどういう位置付けですか?
林:一発勝負の筆記試験ではないところが、別の才能を発見している証拠ですよね。入り口を複数化していくというのはいいと思います。
福井:「女子だから受かりやすいのか」と言われることもあるかと思うんですけど。
林:問題は、男性と女性が半々の学校推薦よりも、筆記試験で男性が8割ということが、この20年続いていることですよね。
福井:一発勝負の一般入試の制度自体の改革も検討されているんですよね?
林:藤井総長も“入試の多様化”をかねてから申しております。東京大学のもう1つの課題として、外国人も東京大学まで来て紙の試験を受けるというスタイルが、グローバル化で古くなってきています。そういう意味でも、ちょっとずつでも変えていかないと、時代に追いつかなくなっちゃうと思います。
福井:女子枠に関してはいかがお考えですか?
林:すごく賛否両論あって、「女子枠で入った」と言われる女性の学生さんにどう考えてもらうかとか、いろいろあります。ですから私も必ずしも女子枠が1番良いソリューションだとは思いません。カンフル剤としては1つのチョイスだと思いますし、女子枠を取り入れている他の大学は立派だなと思います。
福井:女子枠の議論に女子学生が反対するという話を聞いて少し驚いたんですが、「君も女子枠で入ったの?」と言われることが怖いという声も実際あるんですか?
林:あると思いますね。そもそも“一般入試が王道”みたいに理解されていて、高校の先生も、予備校もそうなんですよね。それ以外は“楽してる”みたいな。その考え方を変えていかないといけません。いろんな試験で多様な才能を集めていくイメージを持たないと、日本の社会にとっても良くないと思いますね。
福井:今の男女比率でいうと、理系の女子がとても少ないです。「理系だけは女子枠を」など、分けて対策する可能性もあるんでしょうか?
林:例えば環境問題とかデジタル化とか、理系・文系がパシッと分かれているやり方も見直さなくちゃねと言っているところなので、「理系女子だけ女子枠」という感覚はないです。