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灰谷家の末っ子が弱ってるみたい/Novel by U

灰谷家の末っ子が弱ってるみたい

3,758 character(s)7 mins

※公式で兄弟と判明する以前の作品のため、灰谷兄弟を【双子】として書いております※

妹ちゃんの女の子の日事情
※生々しい描写はないですが生理ネタが苦手な方はお戻りください

・相思相愛のブラコンシスコンがとても好きなのでそんな感じ
・妹ちゃんは兄ズの2つ下
・若干の仄暗さ
・いちゃいちゃしてる

妹ちゃん弱ってて甘やかし倒す話書こ!→泣いて甘える妹ちゃんかわいない?→なんで泣くんだろうな→いろんな設定はえてきました不思議
設定を考えてから書くんじゃなくて書いてるうちに設定はえてきてその設定でまた話書いてってしてるのでそのうち矛盾出てくるかもしれない( 'ω')

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灰谷兄弟には妹がいる。

妹であるからつまり、兄ふたりとは性別が違うわけで、月一の恒例行事のたびにぐったりする妹を介抱するのが常である。
あせびは重い方なので鎮痛剤は手放せない。内臓とっぱらいたい、といつも言っているくらいだ。男である蘭と竜胆にはわからない痛みなので否定も肯定もせず、よしよしとお腹やら腰やら撫でるのだが、本気のトーンでいうのはちょっとやめて欲しい。さすがに内臓摘出はどうかと思うので。
薬を飲めばある程度はましになるようだが、それでも万全の体調ではない。
なので当然蘭も竜胆も過保護になるし、いつも以上に甘やかしてやるのも恒例なのだが、たまにあせびのメンタルが死ぬ時がある。

メンタルが死ぬ時と死なない時は完全にランダムガチャ状態なので、兄ふたりは女の子の日が近付いてくると必ずどちらかはあせびのそばにいるようにしている。
妹の周期を把握しているのはちょっとどうなのかな…と思わんでもないが、さんにん暮らしではなんとなくわかってしまうものでもあるし、それ以上にあせびのためでもあるので仕方ない。

なにせランダムガチャで爆死してメンタルが死ぬ時のあせびはとても涙脆くなる。

『めんどくさくてごめんね』
『やだやだやだ、きらいになんないで』
『さみしい、ひとりはヤなの』

などと言いながら泣き縋られた時の蘭と竜胆の気持ちがわかるだろうか。
は???嫌いになるわけないだろーーーが!!!とふたりして妹を抱き締めたし、どれだけかわいいと思っているかを懇々と説いたし、めちゃくちゃに甘やかした。

それでもあせびは泣くのだ。

嫌いなら、そもそもそばに置くはずがない。
蘭も竜胆も決して優しい人間ではない。普段のあせびならそれくらいわかるだろうに弱っている時のあせびはとにかく脆いので、ひたすら自分を責めて泣く。
おかげであせびのメンタルが死ぬたび蘭と竜胆のメンタルもガリガリ削られていく。

ーーべそべそとちいさな子供のように泣いている妹は、正直なところ、それはもう、可愛い。可愛すぎて、だからこそ困ってしまう。
あんまり泣かれると、いっそこの愛しくて可愛い生き物を閉じ込めてしまいたい、だなんて薄暗い渇望がうっかり湧いて出てきてしまうから。

泣いて泣いて、蘭と竜胆に嫌われたくないと怖がって、そしてひとりはたえられないと怯えてまた泣く。そのめがとけてしまうんじゃないかと不安になるほどぽろぽろと涙を零して、ふたりと一緒にいたいとまた泣いて、おずおずとふたりの手を取ってまだ嫌われていないかと確かめるのだ。そして安心しても手を握ったまま離さなくなる。

そんな妹を見ていると、もういっそ閉じこめてしまおうかと考えることがある。
ーー結局はにこにこ笑いながら甘えてくる妹が、結局は一番可愛くて実現には至らないのだけど。


「う"ぅーないぞういらない。おえ」
「よしよし、いたいな、えらいぞーいいこだな〜〜」
「ほら、雑炊作ったから。あーんする?ん?」
「して!」


蘭の膝の上で甘やかされながら、竜胆にあーんしてもらうあせび。
幸い、今月はランダムガチャに勝利したためメンタルの死を免れておりあせびは元気に甘え大爆発である。ただしやっぱり内臓は取りたがる。やめなさい。


「おいしー」
「そりゃよかった。食べれるだけでいいから食べろな」
「無理して食うんじゃねぇぞ〜?」
「ん」


頬を膨らませてもぐもぐと咀嚼するあせびは弱っているせいでいつもより小動物感がつよい。竜胆がタイミングを見て匙を向ければぱこっと口を開けているところなど給餌待ちのヒナのようだ。


「かっわいいなぁ…♡」
「……え、なに、そんなしみじみ…照れる……」
「どれどれ?んーーほっぺ赤くしちゃってかぁいいなぁ♡」


やめてよぉ、と口では嫌がってもきゃっきゃと楽しげに笑っているのだから説得力などまるでない。


「兄ちゃん邪魔すんなよ」
「竜胆が先にあせびからかったんだろぉが」
「は?からかってねぇけど。可愛いからかわいいって言っただけじゃん」
「弟のアタリが強い〜蘭お兄ちゃん傷心なんだが〜〜」


慰めてとあせびの頭に頬をすり寄せるとあせびがますます笑うものだからとうとう蘭は竜胆に蹴られた。まあ力など入ってないので痛くも痒くもないのだが、あせびの食事の邪魔をしたのは確かなので大人しくすることにした。


「あせび、まだ食える?」
「ん、んー…もういい…」
「そ」
「残してごめんね」
「まあ食った方だろ。がんばったなー」


いいこいいこと竜胆に頭を撫でられてうっとりと目を細めるあせび。
ネコチャンかな、と和んだところで竜胆が食器を片付けようと腰を浮かせると、あせびがん!と両手を広げて抱っこアピールをしてきたので、ちらりと蘭と視線を合わせ、あせびを受け取ってそのまま抱き上げた。


「まだ雑炊あっから兄ちゃん食べといて」
「アイヨ〜」
「竜胆くんおなかすいてないの?」
「味見とかしてたしそんなに。それよりあせび補給させて」
「んっふふ〜いいよ〜♡」


今は薬のお陰か顔色もいいし、痛みを我慢している様子もない。
よしよし、と割と普段の調子に近い妹に安堵する。
あぐらをかいて座り直せばあせびの足が腰に回され、全身でぎゅうぎゅうと抱き締められてしまう。こりゃしばらく動けねぇな、と思ったが、甘えてくる妹以上に優先するものなどないので何の問題もないしと竜胆はあせびの好きにさせることにした。
ごろごろと喉を鳴らしそうなほどご機嫌なのだ、いいことである。

ーーあせびが泣くたびに、いっそ、と思うけれど。
けれどこうして、あせびが笑っていれば結局はそれでいいと、そう思うのだ。


「蘭お兄ちゃんだけノケモノにすんのはんたーい」
「って言いながら動画撮ってんのナニ?」
「いやかわいいから撮んねぇとなって」
「蘭くんいえーい」
「いーえい」


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