「朝起きないとやばい状況」ぎりぎり派への対処のカギ

中島美鈴
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 朝すべきことを極限まで削って、ギリギリに起きて最低限の身支度をして職場に滑り込む――。こんなタイプの人は、余裕はないけれど遅刻もしていないので社会的制裁を受けないところが悩みを長引かせます。「別になんとかなってる」から、早起きしないというわけです。これって人間の真実かも。臨床心理士の中島美鈴さんが解説します。

常識が通じないタイプ

 4月から、朝に早起きができない悩みについて、背景を下の5タイプに分けて、対処法を解説しています。

①「睡眠不足」タイプ

②「朝やることが多すぎる」タイプ

③「起きてもいいことがない」タイプ

④「もうすでに朝削れるだけ削っている」タイプ

⑤「ついつい夜更かし」タイプ

 今回は、④「もうすでに朝削れるだけ削っている」、つまり、余裕はまったくないけど、なんとなっているので、なかなか改善に向かわないというタイプです。

 ADHDタイプの方には特に「社会人なのだから始業30分前には職場に到着して準備をしましょう」などの常識がなかなかモチベーションにつながりません。

 これには別に常識を馬鹿にしているわけでも、仕事にやる気がないわけでもなく、脳の報酬系がなかなか義務に対して活性化されにくいという背景があります。

 前回の「起きてもいいことがない」タイプで、おいしいパンや炊き立てご飯、いれたてコーヒーなどのご褒美を設定して起きる気持ちにさせるという対応をご紹介しましたが、これもいずれ飽きがくるでしょう。一生続くとは思えません。

 そして先ほど述べたとおり、「別になんとかなってるし」という事実があるわけです。

 では何をすればいいのでしょうか。

早起きする必然性をセット

 「別になんとかならない」早起きの必然性を設定する方法がおすすめです。

というか、これしかありません。

 朝起きないとやばい状況を作ってしまうのです。

 これまで私の行っている時間管理グループレッスンに参加した仲間と一緒に考えた方法をご紹介します。

・TVのオンタイマーで起きる時間に大きな音で鳴り出す(機能があれば)

・カーテンを閉めずに寝て、明るさでまぶしくて目を覚ます(夏限定)

・布団から離れたところで大音量目覚ましが二つ鳴る

 (起きてはっていかないと届かないところがポイント)

・家族以外の人から起こしてもらう

 漁師のモーニングコールサービス

 http://call.fishermanjapan.com/別ウインドウで開きます

・クラブハウスで早起きしたら報告し励ましてもらうroomを利用する

・早起きなどさまざまなことにチャレンジする仲間と画像で報告し合うアプリ

 みんチャレ

 https://play.google.com/store/apps/details別ウインドウで開きます?id=jp.co.sony.minchalle&hl=ja&gl=US

・夕食を食べずに寝て、腹ペコで目を覚ます(早く食べたいから自然に起きる)

・水分を多めに取って寝て、トイレに行きたくなって目を覚ます

・家族に「私が何時に起きられなかったら、みんなに500円ずつあげる」などと宣言する

・(休日編)歯医者や美容室、レストランなど時間の決まっている外部のサービスを予約する

いかがでしょうか?

 ◇時間管理についてさらに学びたい方のための参考図書:「ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック」(中島美鈴・稲田尚子、星和書店)https://www.amazon.co.jp/dp/4791109473/別ウインドウで開きます

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中島美鈴
中島美鈴(なかしま・みすず)臨床心理士
1978年生まれ、福岡在住の臨床心理士。専門は認知行動療法。肥前精神医療センター、東京大学大学院総合文化研究科、福岡大学人文学部、福岡県職員相談室などを経て、現在は九州大学大学院人間環境学府にて成人ADHDの集団認知行動療法の研究に携わる。他に、福岡保護観察所、福岡少年院などで薬物依存や性犯罪者の集団認知行動療法のスーパーヴァイザーを務める。