工作機械の新商品開発に関する機密情報を漏洩(ろうえい)したとして、警視庁公安部は20日、不正競争防止法違反容疑で、首都圏の機械工作関係会社で営業担当を務める30代の男性元社員と、在日ロシア通商代表部に所属していた30代の男性元職員の2人を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。
2022(令和4)年2月のロシアのウクライナへの侵攻開始後、ロシアスパイの摘発は初めて。ロシア職員は露対外情報庁(SVR)で科学技術の情報収集を担うグループ「ラインX」のメンバーとみられ、ウクライナ人をかたって元社員に接近していた。警視庁の出頭要請に応じず、すでに出国している。
捜査関係者によると、元社員は令和6年11月と7年2月、勤務先の機械工作関係会社の新商品開発に関する情報を、ロシア元職員に口頭で伝えた疑いが持たれている。
元職員は5年春ごろ、自らの身分を明かさずにウクライナ人をかたり、帰宅途中の男性社員に道を尋ねるふりをして接触。その後、飲食接待などを通じて関係を構築し、元社員から情報提供を受けていた。元社員は見返りとして、少なくとも現金50万円以上を受け取っていたとみられる。