25日告示、2月1日投開票の埼玉県川口市長選についての公開討論会が20日、市内のホールで開かれ、立候補を予定する新人6氏全員が出席した。外国人問題について3氏が「ルールの厳格化」を訴えた一方、2氏は「共生は不可能」「移民政策は失敗」との意見を表明。残りの1人は「多文化共生を進める」とし、意見が大きく分かれた。
岡村氏「土葬墓地とモスク反対」
現職で3期目の奥ノ木信夫市長(74)は任期限りでの引退を表明。市長選には新人6氏が立候補を表明している。公開討論会は川口青年会議所が主催。市民ら約60人が参加し、オンラインで約30人が視聴した。6氏は「外国人問題」「子育て」「働きやすさ」「防災・防犯」の順に自身の意見を述べた。
無所属の県議、岡村ゆり子氏(44)は在職中に死去した岡村幸四郎前市長の次女。外国人問題について「国に出入国管理の徹底を求める。外国人住民にはルールを守っていただく」とし、他の候補予定者から土葬墓地とモスク(イスラム教礼拝所)建設の是非を問われると「私は『郷に入っては郷に従う』べきと考えるため、反対です」と即答した。
無所属で自民党推薦の県議、立石泰広氏(64)は奥ノ木氏の事実上の後継と目される。「外国人の急増に対してルールの徹底や行政の対応が追いついていないことが問題の本質」とし、自民党川口議員団が提起している日本人と外国人双方向けの行政機関「(仮称)川口市外国人政策対応センター」の実現を訴えた。
歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(53)は今月7日に無所属での立候補を表明。令和6年の衆院選で立憲民主党公認で出馬し、今回離党したという。松浦氏は「ごみ問題やヤード問題など、国籍にかかわらずルールを明確にして厳格に適用する」とし、「川口は日本の未来を先取りした日本の縮図だ。川口を日本の未来のモデルにする」と訴えた。
なぜ日本は欧州の後を追うのか
一方、河合悠祐・同県戸田市議が設立した政治団体「日本大和党」公認で、介護会社役員の古川圭吾氏(55)は東京都知事選への出馬歴もある。「多文化共生は不可能だ」とし「日本の伝統や文化を尊重し、ルールを守れない外国人は自国へ帰還すべき」だと語った。
政治団体「日本党」公認で、住宅リフォーム会社役員の西内聡雄氏(52)は昨年5月のさいたま市長選にも出馬。「移民政策は欧州ではすべて失敗している。なぜ日本政府は周回遅れで後を追うのか」とし、「移民の流入を国政レベルで止めるべきだ。市民の治安と秩序を守る」と訴えた。
また、無所属で共産党推薦の元市議、矢野由紀子氏(62)は「『外国人問題』という言い方自体を疑問に思う。不法滞在者という呼び方も差別用語に当たる」とし、「日本語習得システムをつくり、外国人向けポータルサイトや相談窓口を拡充して多文化共生を進めていく」と訴えた。
川口市は外国人住民が約5万3千人と、全国の市町村(東京23区を除く)で外国人が最も多い自治体。外国人比率は上昇を続け、1月1日時点で約8・8%と全国平均の約3倍に上る。市内ではトルコ国籍のクルド人らの一部と地域住民の軋轢が表面化している。
川口市長選、前市長の次女の埼玉県議が出馬表明「不法滞在者は国の責任でお帰りいただく」