「ガクチカはありません。お酒を飲んでただけです」なぜ優等生よりダメ学生が超難関職種に内定獲得したのか
■「普通の趣味」にこそ個性があった この出来事をきっかけに、私は自分自身を掘り下げ直すことにした。 どこかで聞いたような実績ではなく、自分自身が本当に好きなこと、時間をかけていること。その中に「自分ならではのこだわり」がないか、徹底的に探した。 考え抜いた末に気づいたのは、「月に1〜2回、音楽ライブに行っている」という事実だった。自分自身でライブをするわけではない。もっと頻繁に通うマニアもいるだろう。一見、就活の自己PRには使えなさそうなネタだ。 しかし、私はこれを深掘りした。なぜ家で音源を聞けば済むのに、わざわざライブに行くのか。 理由は、テレビやCDでは伝わらない迫力と、アーティストの人柄を感じられるから。データとして綺麗な音を聞くのと、現場でメッセージを受け取るのとでは、得られる情報量がまったく違うからだ。 私はこの気づきを「現場主義」というタグに変換した。 「私はテレビ画面では伝わらない『現場の空気』を届けられるアナウンサーになりたい」 さらに、この「現場主義」を裏付けるように、就職活動を続けながら話題の現場に足を運び続けた。スポーツ、政治、イベント――行ける場所にはどこでも行った。そして、そこで感じたことを面接でも話した。 すると、面接官の反応が変わった。他の受験生と話が被ることもなくなり、選考を勝ち進めるようになった。今思えば、これが私のブランディングだったのかもしれない。 ■原監督のブランディングが「青学」を輝かせた 話を箱根駅伝に戻そう。青山学院大学がなぜこれほど強いのか。そしてなぜ、これほど人気があるのか。 それは原監督が、チームに「わかりやすい個性」を与え続けてきたからだと思う。 かつての駅伝の強豪校は「丸刈りで寡黙」が当たり前だった。しかし原監督は、選手の髪型を自由にし、「自分で考えて行動できる選手を育てる」という方針を打ち出した。当初は批判もあったと聞く。 ユニフォームも象徴的だ。かつては一般的な青色だったが、現在の鮮やかな「フレッシュグリーン」に刷新した。どこを走っていても一目で「青学だ」とわかる。 「○○大作戦」という作戦名も同じだ。一言で今年のチームをどのように注目すればいいのかが伝わる。 没個性な集団が多かった駅伝界の中で、青学は強烈に「わかりやすかった」。 「勝ったから華が出た」のではない。華のあるチームに人が惹きつけられ、有力な選手や応援する人が集まり、強いチームになったのだと思う。