「ガクチカはありません。お酒を飲んでただけです」なぜ優等生よりダメ学生が超難関職種に内定獲得したのか
■100社落ちた私が陥った典型的「埋もれる人」 「わかりやすさ」を「優秀さ」と履き違えてしまったのだ。 私は学生時代の部活の成績を、なんとかキャッチコピーにしてアピールしようとした。就活本には「キャッチコピーが大事」「わかりやすさが大切」と書いてある。だから私も一生懸命、自分の経験をキャッチーな言葉にまとめようとした。 だが、結果は惨敗。100社以上受けて、ことごとく落ちた。 理由は単純だ。どこかで聞いたような実績を、誰かの真似をしてアピールしても、面接官の記憶には残らない。同じようなエピソードを、もっと上手に語れる人がいくらでもいたのだ。 自分を「良く見せよう」とすればするほど、他の誰かと同じになっていく。埋もれている時点で、そこに「華」はない。これが「埋もれる人」の典型的なパターンだ。 ■「酒を飲んでいただけ」の学生が内定した理由 そんな連敗中の私が、ある地方局の試験会場で度肝を抜かれる光景を目にした。 一緒に受けていた学生が、面接官に「学生時代に頑張ったことは?」と聞かれた時のことだ。いわゆる「ガクチカ」だ。普通なら、ボランティアや留学経験など、少しでも自分を良く見せるエピソードを話す場面である。 しかし、彼は堂々とこう言い放った。 「ありません! バイトして、お酒を飲んで過ごしていました。その分、働き始めたら頑張ります!」 一瞬で、会場の空気が彼に持っていかれた。面接官たちも笑っている。私は「やられた」と思った。 彼には圧倒的な「わかりやすい個性」があったのだ。何千人もいる優等生風の志願者の中で、彼は唯一無二の「正直すぎる男」というタグを、面接官の脳裏に刻み込んだ。 それだけではない。面接官はこう思ったはずだ。「ここ一番の勝負所で、自分を良く見せようと嘘をつく学生より、マイナス面をさらけ出せるこの男のほうが、仕事でも信用できる」と。 何千人もいる「良い子」の仮面を被った学生の中で、彼は「リスクを取れる人間」として差別化されたのだ。彼はその後、見事に内定を獲得し、その地方局の人気アナウンサーになった。