いきなりですが、皆さんは風俗店やAVなどの性産業についてどう思いますか?


全面肯定する人、

本当はよくないが、あるのは仕方がないと思っている人、

大っ嫌いだと全面否定する人、


色んな意見の人がいる思います。

男女の別以外にも、利用しているかしていないか、それに携わっているかいないかで、かなーり意見に差が出る問題です。


中には、「そういうサービスを利用しているが、そこで働く女は理解できない」とか、
「男の人はそういうとこ行くだろうが、好きな人には行って欲しくない」とかネジくれた気持ちを持ってる人もいると思います。



私は、「働いてる人が同意しているなら・・・」と思ったり、「でも問題は多いよなあ」と思ったりとぐらぐらです。あと、風俗やAVをネタにした話をしたり、それを聞いて笑ったりすることはよくあり、自分でも立場がよくわかりません。



結局みんな、どっか引っかかる部分はあるはずです。



そんなグチャグチャした問題を面白く、そして鋭くとらえた本がこちらです。


男しか行けない場所に女が行ってきました
田房永子
イースト・プレス
2015-06-19



作者の田房永子さんが、過去に風俗雑誌ライターとして経験したことを書いたコラム集です。


タイトルにもあるように、「女性はお客としては普通いかない」ようなお店にインタビューに行った話が中心です。

パンチラ喫茶とか、おっパブとか、(私にとって)気になる店が満載です。



ぱっと見、コミカルにギャグっぽく性産業の裏側を描く本に見えますが、


実は鋭い考察、示唆だらけの本です。


むしろ、面白おかしいだけの風俗ルポを読みたい人は「ん?」となると思います。





田房さんは、内田春菊さんの風俗ルポに憧れてこの仕事を始めたそうで、
性産業を全肯定も全否定もしていません。



「風俗の実態に興味はあり、風俗ライターをしているが、1人の女性として風俗の現状に疑問を感じてはいる」というアンビバレントな立場です。


店の女の子にインタビューするとき、相手に尊敬と軽蔑の両方を抱いて悩んだり、
彼氏との性交渉の不満から、女性が金銭を介して後腐れなく性欲を処理できる場所が欲しいと思ったりします。




割と風俗の現場に批判的ではありますが、複雑な立場からの考えをストレートに表現していて、読んでいて発見が多いです。


特に印象的だったのは、「風俗雑誌の文章では男の欲望を満たす内容のみしか書けず、自分の感想はおろか女の子の実際も書けない」という話でした。
働いているのは女の子なのに、風俗は完全な男中心の世界という当たり前のことを再認識しました。



性産業に対してモヤモヤがある人には面白い本だと思います。
また、男性と女性の性欲の差について考えている人にもピッタリです。
なんとなくモヤモヤの輪郭がはっきりするように思えます。


この本を「過剰なフェミニズムだ」とか言う人も中にはいますが、
素直に1人の体験記として読んで楽しめばいいと思います。



絵も可愛いし、文章もわかりやすく、何より内容が素敵なのでオススメの本です。
(でも今まであんまり大っぴらにオススメできませんでした・・・・)
気になった人はぜひぜひ読んでくださいね!