順次打鍵系かな配列「偃月双刀式」に至るまで
こういうの作りました。
薙刀式+月配列+メビウス式=偃月双刀式
拗音合成とデュアルロール(Mod-Tap)の共存問題
去年メビウス式という日本語入力を作って、これ自体には不満らしい不満はなかったんですが、
メビウス式というか、主に拗音合成に、デュアルロールとの共存が難しいという問題がありました。
同時押しのタイミングで打ち分けは可能なものの、さすがに化けるのはしょっちゅうで、特に修飾キーに化けてしまった場合、意図しないショートカットが暴発してやべーことになるのがしばしばありました。
そこで、フィンガーを4行にして、文字キーの下に修飾キー&レイヤーキーを置き、拗音合成との競合を避けるパターンも試してみましたが、
メビウス式のデュアルロールと同時押しの干渉を解決するため一念発起。記号類を圧縮してレイヤーを一枚減らし、デュアルロールに入ってた修飾キー・レイヤーキーを独立。はっきり言って使い勝手はよくない。日本語入力での同時押しが楽になるメリットに見合うかどうか pic.twitter.com/JFrfOSqL5T
— ラクダエン (@catfist) January 17, 2026
フィンガー4行がシンプルにきつく、レイヤーキーを減らしたために修飾キー自体の使用率も激増してしまい、無理やり共存させるほうがマシでした。
修飾キーとレイヤーキーのデュアルロールは仕組み上換えが利かないので、基本的には、拗音合成の方を捨てるしかありません。
(新下駄配列のように、同時押しする文字キーが少なければほぼ問題はない)
ンなこたー最初っからわかってんだけどさあ。
拗音合成以外の拗音入力方法
拗音の入力方法としては、拗音合成がダントツでスマートであり、なんであれ他の方法ではある程度の不便は覚悟するしかありません。
ハイブリッド型とも言える拗音合成を除けば、拗音の入力方法は「1文字ずつ入力する(文字ベース)」か「1モーラまとめて入力する(モーラベース)」のいずれかに分かれます。
文字ベースの場合、当然ながら打数が2打になってしまい、モーラベースに劣ります。
さらに、JISかなや新JISかなのように濁音が2打だと、拗濁音は3打以上になり、ローマ字の打鍵数を越えてしまいます。
全体的にはかな入力のほうが打鍵数が少ないとしても、qwertyローマ字より明らかに劣る部分があるのは悔しく、普及論としてもマイナスが大きいでしょう。極端に打ちづらいモーラがあることで、それを避けてしまうのも望ましくないことです。
モーラベースの場合、とにかく覚えられないということが最大の問題といえます。
濁音別置でさえ難しいと言われるのに、ぐっちゃぐちゃに配置された拗音を覚えられるわけがありません。よって、規則的な配置で暗記の負荷を減らしたマトリクス型の配列が主流になっています。
しかしそれはそれで、「ょう」「ゅう」の連接が(一部しか)組めないという問題があり、運指の面で理想的とは言えません。省キー設計では収録モーラ数が限られること、「しぇ」「ちぇ」「てぃ」「とぅ」あたりの不規則的な外来音の扱いにも困ります。
シフト方式
まず、面シフトと族シフトを分けて考えるなら、
目的は文字キーの同時押しを避けることなので、親指を使うのは全く問題ありません。基本的には親指で面シフトしたいところ。
ならば、メビウス式の拗音合成を、拗音マトリクスに置き換えた形が一番素直ではあります。新下駄と薙刀式のミックス的な。
しかし、今回は月配列系の前置シフトに挑戦してみたい気持ちがありました。
まずは(日本語入力部分を)Google日本語入力だけで実装できるという圧倒的な利点があります。日本語入力はIMEで完結すべきというのが僕の基本的な意見です。
なぜメビウス式がそうでないかというと、モーラ等速にしたかったからですが、そうでないかな入力が、言語化タイピングにおいて許容できるのかは一度実証してみたかった。
ここで、前置シフトの最大の問題は打数です。
文字ベースだと拗濁音が4打になり、さすがに許容できません。
じゃあマトリクスかというと、個人的にあまり好きではないのと、前置シフトだと単打で何も出ないキーが増えてしまって、単打率が下がるし、使用キー数も増えてしまいます。
なのでそれは最後の手段として、別の方式を考えました。考えてました。ずーーーーーっと。
シフトプレフィクスによる前置拗音合成と「ひ」省略
それで一昨日思いついたのがこれです。
まず、なんらかのプレフィクスを置いて拗音を表現するなら、「拗 き や」=「きゃ」という形の3打で入力できます。あとは前置に「拗音」「拗濁音」「拗半濁音」の3パターンがあればいい。
ここで、前置シフトで使用キー数を減らす方法として、句読点前置があります。
句読点に続いてかなを打てば置換し、そのまま確定(または変換)すれば句読点として扱うというもので、前置シフトの設計としては基本的にこれが最小キー数です。
これを応用し、句読点(に置換される文字キー)のShift入力(大文字)を別の前置シフトとして扱うなら、4種類まで増やせます。
(前置シフトキーの裏に仮名を入れる場合、半濁音やら拗音の頻度は上位仮名より遥かに低いから、単打率が超落ちる)
しかし、「シフトの種類」として欲しいのは、
濁音(び)
半濁音(ぴ)
拗音(ひゃ)
拗濁音(びゃ)
拗半濁音(ぴゃ)
小書き(ゃ)
と、6種類もあります。
このうち小書きについては、メビウス式では拗音合成とは別に、左右シフトの同時押しに割り当てています。
外来音含め拗音はほぼ全部合成できる前提なので、用途は限定的ですが、僕は「あぁ……」とかそういうのに使うので、なくすわけにもいかない。
ハ行と排他にするのはそう難しくないので、半濁音と兼ねることにしました。
問題は拗半濁音です。半濁音(パ行)をマ行の濁音とかにしてしまえば話は簡単……でもなくて、マ行が全部「濁音候補」になってしまうため、濁音排他が崩壊します。
つまり前置パターンを増やすしかなく、それは句読点2打しかありえず、するとそこだけ4打になってしまい、ピャピュピョだけ4打はあまりにもダサすぎる……
……ピャピュピョだけ、か。
ヒ省略していいことにするか。
ルールまとめ
句読点前置を、逆手、同手、それぞれのShift、2打に分けます。
2打は、句点・読点・Shift句点・Shift読点のどの組み合わせも許容します。
逆手:濁音
同手:拗音(外来音含む)
Shift逆手:半濁音、小書き
Shift同手:拗濁音
2打:拗半濁音(「ひ」省略可)
変換操作
句読点前置の最大の問題は、句読点変換が機能しないことです。薙刀式の句読点確定も使えません。
変換が多く、ともなって確定も増えます。
ここで、メビウス式の特色である、「文字キー単打変換」と「変換中単打キーバインド」について再考が必要になりました。
変換中単打キーバインドの弱点は、いちいち確定しないと(キーバインドとかぶる)文字入力ができないことです。言い換えると、次文字入力による確定が使えない。
メビウス式に比べると旨味が減っているのは事実なので、いったん不採用にしました。
もっと難しいのが文字キー単打変換です。変換が多いのだからぜひ採用したいですが、使用キー数が増えてしまっているのもさることながら、運指があまりにきつい。
変換タイミングの大半は読点の後になるはずであり、族シフトキーを兼ねる読点は人差し指か中指にしか置けず、バックスペースエンターもあって、変換キー薬指もきついし、マジで置き場がない。
悩んだ挙げ句、いったん親指にスペースキー置いて変換してます。SandS前提ということで。あんまり納得はしていない。一応、30キーフルに使って変換キーねじ込んだバージョンも置いておきます。
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この記事は偃月双刀式で書きました。
Google日本語入力ローマ字テーブル
画像の通り、メビウス式と共通のアルファベット配列が前提です。PowerToys等で変更できます。



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