終わりよければ全て良し
踏んだり蹴ったりな苦労人フリンズが見たくてできた小説でございます。一瞬だけ投稿した小説があまりにも中途半端だったので削除して書き直しました。マイテイワットでの旅人は蛍なので空の口調が違ったら申し訳ない。拙い文章ですが是非読んでいってください。
あとまた気に入らなくなったら消すかもしれません
読まなくても良い語り↓
魔神任務のムービーで見事フリンズの沼に堕とされました。もうなんか理性が旅行しに行ってしまって大変でした。餅武器は引けませんでした。(血涙)
フリンズの小説、書いてみたいシチュは沢山あるんですが私の中の語彙力が上手く形にならなくて(?)全っ然書けてません。でも私の頭の中で膨らませた妄想を皆さんに見てほしいので自分の頭の中の整理も兼ねてここに刻みますね!!
・マフィアパロディ(拳銃突きつけながら脅してほしい。追手を振り切る時の運転バカ荒いフリンズ良くないですか)
・売られた喧嘩は買いましょうタイプ。実は戦闘狂の妖精(街中で槍を出すわけにはいかないから蹴りで闘ってほしい)
・イネファ&アイノ&フリンズの日常(フリンズがアイノを泣かせてしまってイネファに叱られる展開が見たいんじゃ。)
・めっちゃ負傷して意識朦朧としたフリンズが無意識にファルカを求めて彷徨うお話(ルカキリ)
・夜回りの途中に見つけた迷子の子供を護送(ンズ×旅人?)
・なんやかんやで毒飲む(本当に書きたい。まじで見たい。)
・めんどくさすぎる霊障に悩まされるフリンズ。
・貧血で倒れてくださいっっっっっ!!!!!!!!!
・過労で咳止まらなくなるフリンズどうですか。
・亡霊の声に敏感で頭痛くなるフリンズいますか???
誰かに刺さってくれたらつまみさんとても嬉しい。よかったら他にもこんな小説見てみたいとかあったら是非コメントに書いてください語りましょう。
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「えっ」
目の前に広がっていた光景に驚愕した。目を見張るとはこの事を言うのだろう………。
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ある日の夕方、空とパイモンは夜明かしの墓へ訪れていた。用件は特に無いが、彼なら快く受け入れてくれるだろう。緩やかな坂を登ると、鉄屋根の下にフリンズらしき影。
「フリンズ!来た、ぞ……?」
空を置き去りにして飛んでいったパイモンが困惑した様子でその場に立ち止まった。どうしたんだろうと思った空はパイモンに駆け寄る。視線をフリンズの方へ向けると、このガイドが呆然としていた理由がわかった。
「えっ」
そして、冒頭に至る。
「ね、猫?!?」
自分が言うよりも先にパイモンが叫んだ。そう、目の前にはフリンズと…沢山の猫がいたのだ。7匹ぐらいはいるだろうか。1匹はフリンズの膝に乗っかり、もう1匹は肩に、2匹がテーブルに居座り…と、何匹もの猫がフリンズの体と作業スペースを占領しようとしていて、当の本人はなんとか書類を死守しているという中々お目にかかれない場面だった。
「フリンズ…その、可愛い猫が沢山だけど…大丈夫?」
「……すみません、少し手を貸してもらえませんか…」
そんなSOSの言葉を無視できるわけもなく、パイモンに書類を持たせ、空はフリンズの肩に乗った猫を剥がしてあげた。腕の中にいる猫はフリンズの所に行きたがっている仕草をしているが、それを許してしまったらこのあたふたしている紳士に飛びかかることは間違い。そうなったらきっととんでもなく大変なことになるだろう。
「えっと…フリンズ、どうしてこんな事に…?」
「それが、どうやら餌の匂いがついてしまったらしく……書類を書くにもこのまま書斎に行くわけにはいかないので、ここで作業をしていたのですが…どうやら無謀だったようです」
「本当だな…この書類、ほとんど何も書いてないぞ…。そもそもなんで餌の匂いがつくんだよ?」
「これはただの予想でしかないので実際の原因はわからないのです。巡回が終わって帰路についた頃にはこの有様で…おっと…」
説明をしている最中のフリンズに、膝に乗った猫がちょっかいを出し始める。装飾が気になるようで、ずっとフリンズに猫パンチをおみまいしていた。どうやらこの猫はここにいる沢山の子達の中で一番やんちゃらしい。
「…よければ隣に掛けて下さい。どうやらしばらく助力を得ることになりそうなので」
フリンズは顔に猫のパンチが飛んでくるのを片手でガードしながら隣のスペースへ視線を落とした。空は隣へ腰掛けると、抱えていた猫を自身の膝上に乗せてみる。だが、少しその場に留まってくれたかと思ったらまるで脱兎のごとく目の前から姿を消し、直後フリンズの体の上に猫がもう1匹増える羽目となった。
「猫というのは、随分とお転婆なのですね」
足元にも猫が集っているせいで文字通り身動き1つ取れないフリンズは、全てを諦めたかのように空を仰いだ。暑くも寒くもない風が吹き抜ける。そんな中、空はふとパイモンが持ってくれている書類に視線を向けて問いかけた。
「あー、フリンズ…その、書類って締め切りとかある…?」
「6枚のうち2枚は期限に余裕があります」
「そうなんだな!それならよかっ……ん…?残りの4枚はどうなんだよ?」
パイモンがそう訊くと、フリンズは白いガイドからやや視線を逸らして小さくぼそっと呟いた。
「……今日中です」
「「今日中?!?」」
驚きのあまりそう叫ぶように言えば、空とパイモンの声が被る。それはフリンズが書類を溜め込んでいるのか、それとも人手不足で多忙なのか。空はライトキーパーの生活をまったく知らないが故に何も言えないが、とにかく絶体絶命という状況であるのは完璧に理解できる。
「どうするのフリンズ…」
横を向けば、僕はどうしたらいいんですかとでも言いたげな視線が真っ直ぐ貫いてきた。いや俺もどうやったら挽回できるか知りたいよと空は思いながら、フリンズにべったりな猫の頭を撫でる。フワフワとした触り心地に、こんな状況ではあるが癒されてしまった。
「んん…可愛いなぁ…」
「うーん。それにしてもこの猫たち、全然フリンズから離れないな…」
白紙の書類を見つめるのが飽きてきたのか、パイモンがそう呟く。あまりにもフリンズが絶望的な表情をするので、空は真面目に策を考え始めた。匂いを消す方法はないかと、パイモンと同じように考え込む。長い沈黙の末、フリンズがため息混じりに口を開いた。
「僕が2人いれば書類を任せられるのですがね。上司に叱られる準備をしたほうがよさそうです」
僕が2人……
それにヒントを貰い、空はオーバーリアクションにわかった!と声を上げた。それを聞いた足元の猫達が机の下へと逃げていく。フリンズもあまりに唐突な反応に珍しく目を見開いていた。
「うおびっくりしたぁ!へ?わかったって…」
「……なにがです?」
「餌の匂いが1つだからフリンズに集まっちゃうんだよ!俺が猫のご飯つくってみればいいんじゃない?その名も、お腹いっぱいにさせて餌の匂いに満足させよう大作戦!」
そう笑顔で提案すれば、パイモンは目を輝かせながら空の隣で飛び回る。旅人の料理だ〜!とはしゃいでいるパイモンに、空は猫のご飯だからねと誰の食事なのかしっかり強調して言った。
「空さんは…猫の料理を作ることができるんですか?」
フリンズがつい思わずといった様子で空へ問う。その質問に、長い月日共に旅をしてきたガイドが本人よりも自信満々に答えた。
「あぁ、旅人は稲妻っていう国で猫のご飯を作ったことがあるんだぞ!」
「そうそう、腕には自信あるから任せといて!」
あの料理台借りるね〜!と猫の尻尾を踏まないように席を立ち、開けた場所でバッグを漁りだす。フリンズはあまりのスピード感に呆気にとられながらも旅人の腕を信じて待つことにした。
書類はパイモンが持ってくれていて、猫達の事も旅人が手を貸してくれている。なんとなく安心して、フリンズは珍しく人前で力を抜き、背もたれに寄りかかって天井を見つめた。
「パイモン、これ沸騰したら教えてくれる?あ、でも書類汚さないように離れててね」
「おう!わかったぞ!」
そんな2人の軽い会話を耳にしていると、胸元に何かが当たる感覚がした。さっきまでは落ち着いていたが、やはり猫は活発な生き物なのだろうか。ずっと装飾を小さな手で触っていて、もう1匹もじゃれようとして肩に爪を引っ掛けてくる。フリンズは膝上を見ること無く、子供をあやすかのように片手でその猫達の背中を撫でた。
「フリンズ、起きてるか?」
パイモンから呼びかけられ、フリンズは知らぬ間に閉じていた目を開ける。隣を見れば、爽やかな笑顔でこちらを覗いている星空のような瞳と目が合った。
「起きていますよ、どうかされましたか?」
「もうすぐこいつらの料理ができるんだけど、餌を置く場所ってここでいいか?」
「ええ、どこでも構いません。ありがとうございます」
そう礼を言うと、ずっと膝上やらに居座っていた猫達が動き出す。フリンズの手からするりと抜け出して、空の足元で食事ができるのを今か今かと待ち侘び始めた。あっという間に身の回りはいつもの見慣れた光景へと変わる。
「パイモンさん。書類、ありがとうございます。貰いますよ」
もう大丈夫だろうと判断したフリンズは、書類を返してもらおうと片手を差し出した。パイモンは旅人の足元にいる猫達から目線を離して、書類を両手で手渡す。全部真っ白という絶望的な進捗具合にため息を吐きそうになりながら、フリンズは席を立った。裾や肩についた毛を適当にはらう。
「ん?どこ行くんだ?」
「書斎です。急いで報告書を書き上げて提出する必要があるので失礼します」
フリンズはそう言うと足早に屋根の下から出る。来客を目の前にして姿を消すなんて、普段の彼であればあり得ないことだ。相当焦ってるなと思いながらパイモンは後ろ姿を見送る。一方で旅人は、猫の波に呑まれながらもご飯を床に置いてあげる作業をしていた。
「フリンズ大変だね…」
「おう、めちゃめちゃ焦ってたぞ」
「そうだよねえ。あ、パイモン、ご飯食べ終わったらこの子たち連れて壺に戻っててくれる?」
「へ?それはいいけど…旅人はどうするんだ?」
「んー、ちょっとした…用事?」
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「はぁ……」
フリンズは数時間ずっと机に向き続けたことで、ようやく4枚の書類を書き終えた。書き終えはしたが、確実に提出は間に合わないであろう時間になってしまい、現在気分が沈んでいる。顔を覆って椅子に凭れていると、隣に気配を感じて視界を遮っていた両手を外した。
「フリンズ、お疲れ様」
そこにいたのは眉を下げて微笑んでいる空だった。まだ帰っていなかったのかと驚く。そしてふと、彼が手に何かを持っているのに気づいた。
「…それは?」
「初めてナド・クライの料理を作ってみたんだ。失敗するの怖くて一番簡単そうなこれしか作れなかったんだけどね…。えっと、なんだっけ。なんちゃらブレッド?」
「クリスプ・ブレッド、ですか?」
フリンズがそう言えば、空はそれそれ!と表情を明るくさせる。そして机の上に料理を置くと、代わりに書類を手に取った。一番上にあった報告書をざっくり見るや否やうわぁ…と声をこぼす。
「本当にびっしりだね…これを4枚書いてたの…?」
「えぇ、ですが…もう間に合いそうにないですね」
ギシ、と椅子が軋ませながら独りごちる。今日は色々とすみませんでした。そう言って机に広げたままの本を片付け始めた。すると空がフリンズを呼び、肩を叩く。
「どうかしましたか」
「これ、ここ見て」
「…?___あっ」
空は指差した、書類の左下に書いてあったのは、提出期限の日付。見せられた4枚全てをじっくり見ると、今日の日付はどの紙にも書いてなかった。つまり、
「提出、間に合うね」
「………………」
気まずい。疲れているのだろうか。やってしまった。本当に踏んだり蹴ったりだ。何もかも上手くいっていない気がする。フリンズは目元を片手で覆うと、ぼそっと謝罪した。
「……すみません、本当に」
「あははっ!ははっ、フリンズでもこういう事あるんだね…!」
「やめてください恥ずかしい」
「まぁまぁ!書類が片付いたのはよかったじゃん!これ一緒に食べようよ!えっと…クリスマス・ブレッド?」
「クリスプ・ブレッドです」
手袋を外し、クリスプ・ブレッドを1枚手に取るフリンズ。そして、一口試食してみた。どう?空が顔を覗き込んで感想を待つ。パイモンさんもその仕草をしていたななんて思いながら、フリンズはふっと表情を緩めた。
「美味しいですよ」
「ほんと!?」
じゃあ俺もと、空も1枚取って食べてみる。引き続き机上の片付けをしながらも、フリンズは「なるほど」と唸る彼に何か発見がありましたか?と問いかけた。
「作ってる時に予想はしてたけど、クリクリ・ブレッドって素朴な味なんだね」
「クリスプ・ブレッドです。えぇ、これは非常食に適している料理なので」
ジャムでも持ってきましょうか?ニコ、と微笑みながらそう訊く。目を輝かせた空は、いいね!とそれに賛同した。席を立てば、空も後ろについてくる。まるであの時の猫みたいだと思考しながら、フリンズはそれを許した。
「今度からフリンズの非常食は俺が作れるね!クリスプ・ブレッド限定だけど」
「おや、ふふ…言えるようになりましたね。記念に僕も何か作りましょうか」
「やったぁ!」
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- しょうNovember 4, 2025