Windows 11 vs Ubuntu 24 徹底比較!起動時間、メモリ、ベンチマークで見る意外な実力
前回の記事では、超小型USB SSDを使って、どこでも同じ環境で使える快適な「ポータブルUbuntu」環境をご紹介しました。
しかし、そこで湧き上がるのは「実際のところ、最新のWindows 11と比べてパフォーマンスはどうなの?」という素朴な疑問です。いくら便利でも、動作が遅くては意味がありません。
そこで今回は、同じPCを使い、「Windows 11」と「Ubuntu 24.04 LTS」の性能を様々な角度から徹底的に比較してみました。果たして、その結果は…? きっとあなたのOS選びの参考になる、意外な事実が見えてくるはずです。
【テスト環境】
PC: Fujitsu LIFEBOOK U939/B (Intel Core i5-8265U, 8GB RAM)
Windows 11 Pro: 内蔵SSDから起動
Ubuntu 24.04 LTS: 前回紹介したポータブルUSB SSDから起動
※UbuntuはUSB接続のため、アクセス速度において不利な条件であることをご了承ください。
結論ファースト!総合比較
今回の比較テストでは、リソースの軽さとグラフィックス性能でUbuntuが圧倒的な強さを見せ、一部のグラッフィクス性能ではUbuntuが優位に立つという、非常に興味深い結果となりました。
以下に、各項目の結果をまとめました。
🏆 アイドル時メモリ使用量:Ubuntuの圧勝!
Ubuntuが約1.4GBだったのに対し、Windows 11は約3GBと、Ubuntuは半分以下のメモリ消費で動作。PCの軽快さに直結する大きなアドバンテージです。
🎨 グラフィックス性能:Ubuntuが圧勝!
アニメーション性能 (MotionMark) や高負荷な3D描画 (WebGL) でWindowsを上回り、特に次世代技術のWebGPUでは最大2倍もの差をつけて圧倒しました。
💻 ブラウザ性能:一進一退の攻防
日常的な応答性 (Speedometer) ではUbuntuが僅差で勝利。
複雑なWeb処理 (JetStream) ではWindows 11が勝利。
一般的なブラウジングではUbuntuが互角以上の性能です。
💡 消費電力:引き分け(ただし電力効率はUbuntuが優位)
アイドル時、動画再生時ともに消費電力はほぼ同じでした。しかし、同じ電力でより高いグラフィックス性能を発揮したことから、電力効率の良さではUbuntuに軍配が上がります。
🚀 起動時間:Windows 11が勝利(※参考記録)
Windows 11 (内蔵SSD) が18秒、Ubuntu (USB SSD) が35秒でした。ただし、これはディスクの接続方法が異なるため参考記録です。スリープからの復帰はどちらも高速で、普段使いでの差はほとんどありません。
勝負の詳細:各項目を徹底チェック
🚀 ① 起動時間:Windowsが速いが、実用上の差はほぼ無し
Ubuntu: 35秒
Windows 11: 18秒
コールドブート(完全なシャットダウン状態からの起動)では、内蔵SSDから起動するWindows 11が速い結果となりました。これは高速なNVMe SSDと、Windowsの高速スタートアップ機能が大きく影響していると考えられます。
とはいえ、その差は十数秒程度であり、またシャットダウンからの起動よりも多用するスリープからの復帰は、どちらのOSも数秒以内と高速です。普段使いにおいて起動時間の差が気になることはほとんどないと言えるでしょう。Ubuntuを内蔵SSDにインストールした場合は、この差はほぼ無くなると考えられます。
🌿 ② アイドル時メモリ使用量:Ubuntuの圧勝!
Ubuntu: 約1.4 GB
Windows 11: 約3.4 GB
これは今回のテストで最も衝撃的な結果の一つです。OS起動直後の何もしない状態(アイドル時)でのメモリ使用量は、UbuntuがWindows 11の半分以下でした。
これは、PCの動作の軽快さに直結します。特にメモリが8GBや16GBのPCでは、OSだけで消費するメモリが少ないほど、ブラウザや他のアプリケーションに割り当てられるメモリが増え、快適な操作に繋がります。「PCが古くて動作が重い」と感じている場合、Ubuntuへの乗り換えは非常に有効な選択肢と言えるでしょう。
🌐 ③ ブラウザベンチマーク:一進一退の攻防
Webブラウジングの快適さを測るベンチマークでは、興味深い結果が出ました。
応答性 (Speedometer): 日常的なWeb操作の応答性では、Ubuntuが僅差で勝利。(Ubuntu 10.6 , Windows : 10.1)
高度な処理 (JetStream): 複雑な計算などを含む高度なWebアプリの処理速度では、Windows 11が若干優位。(Ubuntu 157 , Windows : 177)
グラフィックアニメ (MotionMark): 複雑なアニメーションを表示する性能では、Ubuntuが明確な差をつけて勝利。
総じて、一般的なWebブラウジングでは互角以上の性能を発揮しつつ、特にグラフィカルな要素が絡む場面でUbuntuの強さが見られました。
🎨 ④ グラフィックス性能 (WebGL/WebGPU):Ubuntuが驚異のパワーを発揮!
グラフィックス性能の比較では、Ubuntuがその真価を発揮しました。Webブラウザ上で3Dグラフィックスを描画するWebGLのテストでは、魚を3万匹表示させる高負荷な状態で、Ubuntu (24fps) がWindows 11 (16fps) を上回りました。
さらに驚くべきは、次世代のグラフィックス技術であるWebGPUのテストです。ほぼ全てのベンチマークでUbuntuがWindows 11を圧倒し、FPS(フレームレート)では最大で2倍程の差がつく結果となりました。
「なぜ?」 理由は、オープンソースの切り札「Mesaドライバー」
この差を生んでいる要因は、Linuxで使われているオープンソースのGPUドライバー「Mesa」にあると考えられます。Mesaは、特にIntelやAMDのGPUにおいて長年にわたり最適化が進められており、最新のグラフィックスAPI(Vulkanなど)との相性も抜群です。この成熟したドライバーが、Ubuntuの優れたグラフィックス性能を根底から支えているのです。
🔋 ⑤ 消費電力:ほぼ互角でも「電力効率」に差
アイドル時: Ubuntu: 6W, Windows 11: 6W,
動画再生時: Ubuntu: 11W, Windows 11: 11W
WebGLベンチマーク中: Ubuntu: 24W, Windows 11: 24W
意外にも、各シーンでの消費電力はほぼ同じでした。しかし、ここにも重要なポイントが隠されています。WebGLベンチマークでは、UbuntuはWindows 11と同じ消費電力で、より高いフレームレート(パフォーマンス)を叩き出しています。これは、Ubuntuの方が「電力効率」に優れていることを示唆しています。
グラフィックス性能はWebGLを多様する3Dコンテンツに限らず、ブラウザの2Dレンダリング効率にも影響します。ブラウジングが主な使用の場合でもバッテリー持ちに差が出る可能性があります。
また、WindowsではDefenderのスキャンやUpdateのバックグラウンド処理などで、意図せずCPU使用率と消費電力が上昇することが頻繁にあります。長時間の安定した低消費電力という点では、Ubuntuの方が有利な場面が多いかもしれません。
補足情報と注意点
動画再生について: Ubuntu上のChrome/Chromiumでは、標準で動画再生支援(ハードウェアアクセラレーション)が有効でない場合があります。その場合、CPU使用率が高くなる傾向がありますが、標準ブラウザのFirefoxでは問題なく有効化されており、快適な動画視聴が可能です。
互換性について: 最新技術であるWebGPUの一部のデモでは、Ubuntuで動作しないものもありました。ドライバーやOSの違いにより、全ての機能が100%サポートされているわけではない点は留意が必要です。
結論:あなたに最適なOSはどっち?
今回の比較から、両OSの得意なこと、苦手なことが見えてきました。
Windows 11の強み:
非常に幅広いソフトウェア・ハードウェアの互換性
Ubuntu 24.04の強み:
圧倒的に少ないメモリ使用量で、古いPCでも軽快
優れたグラフィックス性能(特にWebGPU、Webブラウジング)
高い電力効率
クリーンで安定した動作
USB SSDからの起動というハンデを背負いながら、多くの項目でWindows 11と互角以上に渡り合ったUbuntuのポテンシャルは驚異的と言えるでしょう。
「とにかくPCを軽くサクサク使いたい」「開発やグラフィックス作業に挑戦したい」という方にはUbuntuが、「Windowsでしか使えない特定のソフトや周辺機器がある」という方にはWindows 11が、それぞれ向いていると言えそうです。
あなたのPCライフに、Ubuntuという新しい選択肢を加えてみてはいかがでしょうか?



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