「40歳以上は入店お断り」「女性同士不可」 飲食店が「客を選ぶ」理由と背景は #エキスパートトピ
近年、都市部を中心に「年齢制限」を設ける飲食店が静かに増えつつあります。20代限定の若者向けの店や、25歳以上限定の大人向けの店などの線引きは、これまで老若男女幅広い客層に向けて門戸を広げてきた、大衆的な外食産業ではあまり前面に出てこなかった発想です。
また「女性同士の入店不可」を掲げて物議を醸した居酒屋や、「外国人観光客入店お断り」を掲げて賛否を呼んだ店もありました。年齢制限をはじめとする「客の選別」をする飲食店が増えている理由はどこにあるのでしょう。その背景も含めて飲食業界が抱える課題を考えます。
ココがポイント
「40歳以上お断り」「25歳以上限定」 年齢制限の飲食店が続々と
出典:テレビ朝日 2026/1/19(月)
「28歳未満は予約不可」「メニュー表の値段表記なし」のルール
出典:飲食店ドットコム ジャーナル 2025/4/21(月)
「女性同士、子ども連れはお断り」居酒屋の張り紙が物議
出典:弁護士ドットコムニュース 2025/12/22(月)
「旅行者お断り」貼り紙に賛否 外国人観光客マナー問題と都心ランチ難民の現実
出典:coki 2025/11/21(金)
エキスパートの補足・見解
飲食店は「新たな価値」や「快適な環境」の提供を常に求められています。飲食店が年齢制限をする一つの理由には、客層の「均質化」による体験価値の最適化が考えられます。年齢が近い客同士であれば、会話のテンポ、声量、酒量、求めるサービス水準が自然と揃い、結果として店内の空気感が安定し、店側は空間設計や接客、メニュー構成を絞りやすくなります。幅広い客層にリーチさせるよりも、年齢制限をすることでターゲットとなる客層を明確に設定ができるのです。
外国人観光客お断りという設定に関しては、インバウンド需要の回復により都市部の飲食店では多国籍、多文化の客が一気に混在するようになったことが要因です。言語やマナー、食事スピード、写真撮影の頻度など、価値観の違いが顕在化しやすくなり、結果として「落ち着いて食事をしたい層」「会話を楽しみたい層」との摩擦が生まれるケースも少なくありません。
「長居をするから女性客は不可」などの不当な差別はあってはならないことですが、外食の現場ではすでに「誰でも歓迎」を前提にした経営が限界に近づいています。年齢制限などのルールは、その店がどんな体験を提供する場なのかを明確にするための手段に過ぎません。