Gemini CLIで継続的に小説を書かせるうえでのポイント!
ちょっと本格的にオリジナルの小説を書こうと思い、使うAIサービスを縦横無尽に行き来しつつ企画を整理している。
その中でサンプル話をGemini CLIに書かせている中で、生成の質が違うことに気づいた。
その違いとちょっとしたポイントを紹介したい。
書きたい小説の企画は詳細に
いきなりGemini CLIではない話題、ご勘弁を。小説自体のプロジェクトはGensparkのAIドキュメントで、あれこれ会話しあって練った。
あらすじ
キャラクター設定
世界観
敵側設定
ストーリー構成
キー要素
小説やゲームに展開する場合のポイント
一人で考えて練っていたら多分だらけて1ヶ月経っても進んでいなかったような分量だ。考えるのは楽しいし、AIが考えてくれた案に刺激を受けて自分はこうしたいからこう変更して、などとすり合わせて作っていく。
もはやAIは単に他者の学習情報を再現するだけの物ではない。Noteを活用しているみなさんなら言わなくてもすでにおわかりだろう。自分の思考を加速させる・創作ネタを一緒に膨らませて助けてくれる・刺激を与えてくれる、そんな存在だ。
やっていることは人間である編集者や友人とあれこれ話しているのとなんら変わらない水準になってきて久しい。
ちなみに私の小説プロンプトは構想しすぎたせいで、Gensparkの1タスクではもはや何度もチャット履歴が圧縮され、反応が遅くなるまでの分量になってしまった。
1ファイルじゃこれ以上の作業は無理と判断し、タスクを分けるうちに、Gemini CLIへとつながる。
構想内容を分けてAIが理解しやすく
1つのAIドキュメントでおこなっていた各構想を、Gemini CLIのために用意したフォルダでは、複数の.mdファイルにして保存した。
のちのちこれが仇となるのだが、まぁよし。
キャラクター設定は character.md
ストーリー構成は storyline.md
キー要素は keypoint.md
と行った具合に分割した。
あらすじから詳細あらすじへ
当初の企画書に書いた(生成含め)ストーリー構成は大まかなあらすじだった。その時点でも主な展開や執筆に向けた重要要素が詳細に書かれているのだが、具体的にその章でどういう展開を進んでいくかは書いていない。
あらすじ: 東京から大阪に行く
詳細あらすじ:東京から新幹線のぞみに乗り、◯時間かけて大阪に行く
こんな具合に落とし込んだ内容ベースにしたい。
GensparkのもともとのAIドキュメントのタスクではもはや動作が止まりまくっていたので、ここから先はいくつかの生成AIで試した。
Claude sonnet 4.5
ChatGPT 5 - Thinking
Gemini 2.5 pro
Gemini CLI(Gemini 2.5 pro)
SeaArt
いずれも、AIドキュメントから保存したすべての情報が含まれる企画書の.mdファイルを添付し、それを分析して詳細あらすじを作ってもらった。
SeaArtは「チャプター管理」機能で指定した「あらすじ」の欄。
Claude sonnet 4.5=やや文章ベースの箇条書き
ChatGPT 5 - Thinking=誰が中心に活躍し、展開のノリは〇〇といった感じで映画や演劇の脚本ベース、肝心のあらすじは企画書の内容に近い粗さ。
Gemini 2.5 pro=簡潔な箇条書き
Gemini CLI(Gemini 2.5 pro)=文章ベースの箇条書き
SeaArt=【プロット】という単位でやや文章ベースの箇条書き
GPT-5は、面白い切り口で生成してくれた。しかし、それは脚本っぽく、求めていた詳細あらすじではなかった。
一番気に入ったのは、SeaArtだった。大体こんな感じで適度に肉付けして詳細あらすじを作ってくれた。
### 第5話:絶望の中の光
- 【プロット8】オリエンテーションの最中、一部の兵士たちが慌ただしく上官に報告をしていた。王都の港湾部が深淵帝国の艦隊に襲撃されたのだ。
- 【プロット9】王国の兵士たちとともに出撃準備をするセリア。トーマスも魔術師軍団に指示を出すなど慌ただしくなる。
- 【プロット10】澪たちがまごついていると、セリアとトーマスが実戦になったことを一言謝り、「お前たちの力を見せるときだ」と期待の眼差しを向けてきた。
- 【プロット11】セリアに導かれ兵士たちに混じって出撃準備をする少女たち。港湾部が近づくに連れ少女たちは、敵の異形の船が放つ、恐ろしく高速かつ直線的な砲弾を目の当たりにする。アメリアや澪は、それが現代兵器に酷似していることに気づき、不気味な感覚を覚える。
- 【プロット12】王国の兵士たちが応戦する。帆船形式の軍船が出ようとするも、魔物たちの船らしき集団がそれを阻み、敵の攻撃に晒される。町中にも敵の砲撃が飛来し瓦礫が降り注ぐ絶体絶命の状況に陥る。「死にたくない!武器を…もっと大きな、強い武器を!」その一心で、澪は無意識に叫ぶ。その願いに呼応するように、彼女の腕が光を放ち、ゲームで慣れ親しんだ駆逐艦の主砲が不完全な形で出現する(**覚醒 第1段階**)。SeaArtの書き方でGemini CLIで作ってくれればベストなので、以後はそうお願いしてみることにした。
GPT-5以外は、元の企画書の段階で結構あらすじをしっかり構成していたので、ほとんどブレはなかった。AIの思考の行き着く先は同じになったようだ。
しかし求めている内容はSeaArt+Gemini CLIが一番だったので、複合案採用。それをベースに自分である程度詳細あらすじを肉付けしていった。
SeaArtの注意点
SeaArtのAI小説創作ツールもいいのだが、「チャプター管理」から利用できるあらすじ、詳細あらすじの生成機能に、文字制限があるのだ。
どちらも8000文字まで。
詳細あらすじでは、あらすじの内容を元に肉付けしてくれる。あらすじにはある程度のキャラクター設定や世界観設定など、もととなるあらすじ以外にも情報が必要なのだ。
8000文字といえば結構多く感じるが、企画書は最終的に120KBとなった。文字数にして51000文字を超えていた。
あらすじだけでも19000文字超え。
SeaArtに8000文字で理解できるように簡略化するのは無理だった。
あとになってみれば、そのファイルから8000文字で収まるように要約してもらえばよかったのだが。
でもうまく要点をまとめてもらえない。自分で8000文字で収めるしかない。
で、うまく8000文字で収めて生成できた詳細あらすじが、上記の評価となった。
ただ。そこからさらに詳細あらすじを膨らませてほしかったので、文字数制限があるSeaArtは残念ながら今回の独自小説では使わないだろう。
Gemini CLIに継続的に書かせる
ここからが本題。一部自作小説のネタバレのサンプル文も含まれるのでご了承ください。
以前、艦これ+戦艦少女Rの短編小説を書かせていたときは、「prompt.md」に必要な要件や参照して欲しいファイルを書き、それを指定して書かせた。
@prompt01.md このファイルの内容を要件とし、短編小説として執筆して、 novel01.txt に保存して。
prompt.mdには文章スタイルや特別に読んで理解してほしいファイルを指定してあった。
こうすると、プロンプト上で指定していなくても、Gemini CLIが自動で判断し、さらに読み込むべきファイルを読み込んでくれるのだ。
これにより、ユーザー自身は表向きのプロンプトで直接指示していなくても、ちゃんと各ファイルの内容を参照したうえで執筆してくれる。
今回、独自小説を書く上で、必要なファイルは次のとおりとした。
ストーリー構成のあらすじは「storyline.md」
小説の執筆要件は「NovelWriterSpecification.md」
第1章の詳細あらすじは「chapter01.md」
さて、ここからの指定が重要だ。
なお、今回サンプルで書いてもらう詳細あらすじは次のとおりだ。
### 第2話:蒼き世界にて
- 少女たちが次に目を覚ましたのは、見知らぬ荘厳な石造りの一室。窓の外には、青い海と白亜の街並みが広がる美しい海洋都市が広がっていた。2人ほどそれぞれの言語で外の様子を口にする。
- 状況が飲み込めずに呆然とする少女たちを言葉の通じない屈強な兵士たちが囲む。そばでは魔術師たちが慌ただしく部屋を出ていく様子もある。
- 少女たちは強い警戒と混乱に陥る。兵士たちに囲まれたまま少女たちが動けないでいると、魔術師たちを従えて現れたのは、若く美しい女王ルナリアだった。ルナリアが魔術師たちに指示を出し、部屋の7方の台座にある召喚の神石を回収させる様子が密かに描写される。
- 最初は言葉が通じず、互いに困惑する。そこでルナリアが詠唱すると不思議な光が少女たちを包みこむ。それぞれの頭に身近な海から光が、異世界の海へとたどり着くイメージが浮かぶ。
* 澪・あやか・千鶴には、日本海、大阪湾、太平洋を辿って見知らぬ異世界の海につながるイメージ
* アメリアはイギリス海峡~大西洋を辿って見知らぬ異世界の海につながるイメージ
* ネレイダは太平洋を辿って見知らぬ異世界の海につながるイメージ
* グレーテは北海を辿って見知らぬ異世界の海につながるイメージ
- イメージ映像から離れ現実の視界に戻ると、初めて意思の疎通が可能になる。女王はここが異世界「アクヴォセレニア」であること、そして国が「深淵帝国」と呼ばれる魔物の軍勢によって滅亡の危機にあることを静かに語る。
- ルナリアは、少女たちが古の神託によって召喚された「救世主」であると告げ、国を救ってほしいと懇願する。少女たちは声を揃えて驚きの声を部屋に響かせた。内容はあまり気にしないでほしい。
書かせたい詳細あらすじだけを指定する
書いてほしいのは第1章の第2話とし、その詳細あらすじが書かれているファイルだけを指示した。
@chapter01.md このファイルの第1章第2話の詳細あらすじを元に、本文を執筆して。xch01-02.md に保存して。
どうなったかは実際のファイルでご確認を。
必要なファイルをすべて指定
以前の短編小説のように「prompt.md」でまとめていないので、結果としてこういう指定となった。
@storyline.md このストーリー構成をベースに、
@NovelWriterSpecification.md このファイルを執筆要件として、
@chapter01.md このファイルの第1章第2話の詳細あらすじを元に、本文を執筆して。ch01-02.md に保存して。
分量が多くてAIも大変だろうと思い、元の1つの企画書たるドキュメントの構成を分けてしまったため、指定が面倒くさくなる結果となった。
まずは指定されたファイルが読み込まれた。
次になんと、要件のファイルから自動探索し、必要なファイルがさらに読み込まれた。
NovelWriterSpecification.mdには次のようにしていたのだ。
## 用語集・設定集
次のファイルの内容を参照し、理解すること。
* worldinfo.md
* enemy.md
* game_system.md
* idea.md
* keypoint.md
## キャラクター集
次のファイルの内容を参照し、理解すること。
* character.md
* character_detail.md
* enemy.md
## キャラクターの口調
次のファイルの内容を参照し、理解すること
* chara_serif.mdそうして執筆されたのがこちら。
最初の例と文章の違いを比べてみてほしい。同じ内容でも、表現やキャラクターの口調が違うのがわかるはずだ。
これらからわかること
いかがだろうか。同じあらすじでGemini CLIに執筆させる上で、要件を明示的に指定するのとしないのではかなり違う。
ちなみに、メモリとなるGEMINI.mdには一応ちゃんと指定はしてあるのだ。
## 0. 文体・執筆要件
* 文章スタイル・執筆要件は NovelWriterSpecification.md を参考にすること。
* 記述量は小説家になろうの一般的な長編小説の1話あたりの分量を目安にする。別途指定がある場合はそれに従う。
## 3. キャラクター設定
* キャラクターについては character.md を参照。
* 詳細なキャラクター要素については character_detail.md を参照。
* キャラクターのセリフ例や口調については chara_serif.md を参照。
### 4. 世界観設定
* 世界観については worldinfo.md を参照。
## 5. 敵勢力設定
* 敵勢力については enemy.md を参照。だが、実行時のプロンプトではこれらは一切に読み込まれる痕跡がなかったのが最初の例だ。
ファイル参照の壁:プロンプトの重要性
つまり、メモリで指定していても、実行時のプロンプトでそれらのファイルにつながる指示をしなければ、参照してほしいファイル内容は参照されない。
メモリに書く際は、たとえば「★執筆してとユーザーが書いたら、以下のファイルを必ず読んでから執筆を始めること」などと、いわゆるシステムプロンプト的に工夫して指定しておく必要があるだろう。それでも限界はあるかもしれない。
主要AIの執筆能力も検証
Claude、ChatGPT、Gemini 2.5 Pro(GensparkのAIチャット経由)を使って、同じ企画書ドキュメントを前提に執筆させてみた。
結果は…どれもほぼ一発OKな水準。文体に違いはあれど、高いクオリティで執筆してくれた。
なぜGeminiを選んだのか?継続利用を見据えた選択
ClaudeとChatGPTも優秀なのだが、最終的にGemini (CLI)を採用した。その理由は、後々の取り回しの良さである。
Web版GeminiとGemini CLIで同じ内容を書かせたところ、最終的な結果はかなり近いものになった。しかし、前提条件が異なると生成結果が大きく変わるのは重要なポイントだ。
※ClaudeもChatGPTにあるプロジェクト機能
ClaudeとChatGPTにはプロジェクト機能があり、一貫性のあるやり取りが期待できそうだ。
しかし、指定できるファイル数やサイズに制限があり、課金が必要になる可能性も。
何も全部無料でしなくてもいいが手軽に堅実に進めたいなら、Gemini CLIやNotebookLMが有力な選択肢として浮上するだろう。
結論
Gemini CLIで大事な小説を書かせる際は、以下のポイントを押さえよう。
参照してもらいたいファイルをプロンプトで@〇〇で全部きちんと指定する(途中でうっかり送信しないよう気をつけよう。改行はCtrl+Enter!)
要件ファイルを作り、その中に参照してもらいたいファイルを指示する。プロンプトではその要件ファイルを指定する。
つまりは、AIに阿吽の呼吸なんて伝わらないんだから、横着せずにしっかり伝えようね!
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは今後のクリエイターとしての活動費に使わせていただきます! 


コメント