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プラネット・アース 〜地球を守るために小学生に巻き戻った僕と、その仲間たちの記録〜

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8分

※視点変更 パン焼く悪魔 → ????←new! ※舞台変更 城塞都市東門 → 城塞都市北門

戦闘記録:北門

 藤島彩歌(ふじしまあやか)?!  いつ帰って来たんだ? たしか、守備隊を辞めさせられて、アガルタに行ってたんじゃなかったっけ……? ほんとに目障りな奴!  ……いけない、私としたことが。まずは挨拶してあげなくちゃね。 「あらあら? 〝炎の女帝(スタタ・マテル)〟様じゃない。こんな所にいたら危ないわよ?」 「み、美代(みよ)?! ……コホン。大木(おおき)隊員。お久しぶりです」  藤島彩歌! いつもいつも、私の手柄を奪いやがって……!   ふん! ()()()()()()()にも関わらず、その弱体された状態のままで〝上級悪魔〟を倒したですって?  デタラメに決まってるじゃないか。私は騙されないからな? 「藤島隊員。あなた、そんな姿になっても、まだ防衛に参加しようっていうの? 熱心な事ね。でも、ここは私が居るから大丈夫。早くお逃げなさいな」  ……っていうか邪魔だ。弱体化された負け犬は、おとなしくアガルタで隠遁(いんとん)していればいい。 「そういう訳には参りません。私もこの門の守備に当たらせて頂きます」  だから! 役立たずは要らないって言ってるんだよ。なんで分かんないかな? 「あなたね……!」  ……いや、待てよ? ここでコイツがミスを犯せば……!  ウフフ……何かの偶然で、散々チヤホヤされて調子に乗ってるみたいだけど、私が正しい評価に戻してあげるわ! 「……いいでしょう。では、守備隊、第5班副隊長の大木(おおき)が命じます。藤島()隊員は臨時隊員として我が隊に参加。3番(やぐら)にて、迎撃任務に当たりなさい」 「了解しました。(やぐら)に上がります。あと、こちらの二人も一緒に……」 「ちィーっす!」 「きゃはは~! (やぐら)って初めて!」  ……はぁ? 何なのコイツら? 「お待ちなさい! 何ですか、この二人は?」 「弟子ですが……何か?」  こんなチャラチャラしたガキが弟子?  フン! 程度が知れるわね。 「藤島()()隊員……? こんな時に、実力のない人員を(やぐら)に上げるわけには……」 「この二人は、階級無し魔道士(ノービス)ではありますが〝砦超え帰還者(リターナー)〟です」  ……はあああっ?! こんな奴らが?! 「ソコんトコ、シクヨロー!」 「ねー、オバサン! 何してんの? 早く行くし!」 「お、おばさ……?!」  砦超(とりでご)えですって?  私ですら〝死後線(しごせん)〟手前が限界だっていうのに……! 嘘に決まってる! 「コホン。わかりました……ただし、私も三番に上がります。ついて来なさい」  まとめて化けの皮を()いでやるからな! 「へぇー、意外と狭っ苦しいんだな」 「ねぇねぇ、もう撃っていいの?」  ええい! 無駄に騒がしい!   さて、久しぶりに(やぐら)に上がったが……ん? これは一体?  (やぐら)から見下ろすと、地面がボコボコに(えぐ)れている。 「うおー! 上から見るとスゲーな、クレーター!」 「ああ! あの時の! さすがパイセン!」 「あなた達、達也さんの事は……」 「ひぃッ?!」 「な、何も知らないし! 見てもないし!」  まったく。いつまで騒いでいるんだ。遠足じゃないんだぞ。  ……しかし、さすがにこの数はマズいんじゃないか? ざっと見た感じ、様々な種類の魔物が合わせて2000匹。門めがけて押し寄せている。 「二人とも。(やぐら)に張られた結界は、内から外へは魔法や物質を通すけど、逆には通り辛くなっているわ。間違っても、体を外に出さないで?」 「了解です、(あね)さん」 「わかったし!」  やれやれ。そんな事も知らない素人(シロウト)を連れてきて、どうするんだ藤島彩歌。  ……まあいい。とにかく門に近い魔物を狙って、と。 「それじゃやってみて。どいつを狙うか分かるわね?」 「もちろん!」 「任せて!」  藤島彩歌の声に、威勢よく返事を返す二人。  ……狙うって何だ? あれだけ密集していれば、適当に撃っても当たるだろ! 「(かける)、手前の右から」 「オッケ!」  バラバラと弱体魔法を放つ女と、それが命中した魔物を器用に撃ち抜いていく男。  ……ふん。確かにこの距離からにしては、中々の精度だけど。 「フフ。やるじゃない」 「光栄ッス、姐さん!」 「やったー! ()められたし!」  いや、全然ダメ。なんで門から離れたヤツを狙うんだよ……所詮は素人か。 「でもよーく見て? もう一種類いるわよ?」 「え? え? 他にも?」 「わかったし! アイツらじゃね?」  女はそう言うと、鉄針(ニードル)の魔法で〝(アリ)〟を撃ち抜く。  だから、なんでそんな遠くの魔物を狙う?  「正解! よくできました」  何が〝よくできました〟だ。バカなのか?  ……やれやれ。放っといて自分の仕事をするか。  しかし一向に数が減らないな。まるで魔界中の魔物が集まって来ているみたいだ。 「いよーし! 〝(ウシ)〟は全滅だ!」 「よく見るし! まだまだ全然いるかんね?」  コイツら、真面目にやれよ! さっきからずっと同じ魔物ばかり狙い撃ちして、どういうつもりなんだ……?  〝(アリ)〟、〝(しし)〟、〝鎚猿(つちざる)〟、それに〝(ウシ)〟……  ん? 待てよ、コイツらが倒している魔物って……まさか! 「……門に直接ダメージを与えそうな魔物を狙って?!」  〝(しし)〟は体当たりが得意で威力も凄まじい。〝(ウシ)〟の持つ棍棒や、〝鎚猿(つちざる)〟のハンマーによる打撃は驚異だ。〝(アリ)〟は……強酸の液を吐く。  ……どの魔物も、門を破壊しうる。 「あとの奴らは、多少ゆっくりでも大丈夫。落ち着いて削っていきましょう」 「分かったッス、姐さん!」 「目の前に敵が来ないのって、超ラクチン!」  どうなってる? この無礼者どもは、本当に〝砦超え〟するほどの実力だっていうのか?  …………ははーん? なるほどね。 「藤島さん。あなたさっきから、ほとんど何もしてないわね?」  私の目は誤魔化せないからな? 無名の腕利きを〝弟子だ〟と偽って、ポイント稼ぎするつもりだな、藤島彩歌! 「なに言ってるんだ? さっきから攻撃してるだろ?」 「オバサン、バカじゃね?」 「ば……?! バカですって?! ……たしかに、明後日(あさって)の方角に向けて何かを唱えてたみたいだけど、意味が分からないわ」 「あなた達、気付いてたの? すごいわね」 「姐さんの早撃ちは、何度も見てきましたからね。ヤバい奴っすか?」 「うん。3匹ほどね」 「うえ~! そんなに? こっち来るなし!」 「大丈夫。視界にも入らない所で黒コゲになってるから」  ……はぁ? いよいよワケ分かんないぞコイツら! 「あなたたち! 分かるように説明して……」  そう言いかけた瞬間、ドン! という轟音と共に、凄まじい揺れが襲ってきた。立っていられず、その場に座り込む。 「うおおっ?! 何だ?」 「ビビったし! なんかの攻撃?」  聞いたことのないような大きな音と、城壁を揺らす程の衝撃。これは一体? 「ほ、報告します! ただいま、外門、内門が、同時に大破した模様です!」  ……大破って? 「ちょ、どういう事?! 門が大破って!」 「謎の閃光と同時に、内外の門は破壊されました! 魔物が都市内部に侵入していきます!」  な……何てことだ! 「総員、怯まずに攻撃! 一匹でも多く倒しなさい!」 「ハッ!」  ヤバいヤバいヤバい! このままだと、城塞都市は終わる……! 「うーん……あなた達、せっかく門を壊されないように狙い撃ちしてたのに、無駄になっちゃったわね」 「しゃーねーッス! お役に立てず残念ッス!」 「もー! 誰が壊したか知らないけど、超ムカツクー!」  ……どういうつもり?! なんでコイツら、こんなにユルユルなの?!  「あなたたち! こんなどうしようもない状況なのに、ふざけないで!」 「……また何か、分かんないこと言ってんなぁ?」 「どうしようもない状況って? なにそれ、おいしーの?」  キイイイイイイッ! 何だコイツら! 何だコイツら!! 「城塞都市が滅びるかもしれないのよ?! なんで分からないの!」 「姐さんが居るんだ。滅びるハズねーじゃん」  ヤレヤレと首を振るチャラ男。 「そーそー! ……彩歌パイセン! お願いしますっ!」  ニッコニコで、藤島彩歌に向けて手をヒラヒラさせるイカレ女。 「ふふ。ちょっと待っててね」  藤島彩歌は、数歩(あと)ずさると、ヒラリと外套を(ひるがえ)す。  ニヤリと笑みを浮かべたあと、走り始めた……! 「な、何をするの?!」  藤島彩歌が跳んだ。  (やぐら)から飛び降りやがった! この高さなのに!  ……次の瞬間、爆炎が眼下を包む。 「ヒュー! 派手だなぁ!」 「カッコイイし! シビレルし!」  丸く焼け焦げた大地の中心に降り立つ藤島彩歌。  しかし、消し炭となった同輩を踏みしだき、魔物は臆すること無く押し寄せる。 「い、いくら何でもあの数を相手に、たったひとりでは……」 「姐さんは、ひとりの方がやりやすいんじゃねーかな」 「それな!」 「え? それってどういう……」  突然、目の前が赤く染まった。視界を巨大な炎の壁が(さえぎ)る。 「な、何……これ?」 「火壁(ファイアウォール)じゃね?」 「火壁(ファイアウォール)だし」  馬鹿な事を言うな! 火壁(ファイアウォール)なものか!  火壁(ファイアウォール)の魔法は、せいぜい身長の倍ぐらいの高さが限界だろ! 「(やぐら)の高さまで届く火壁(ファイアウォール)なんて……」  どれだけの魔力を注げば、こんな出力になるっていうんだ?! 「ば、バケモノか!」 「まあ実際そうッスよね……姐さんさっき、凶獣も3匹ほど倒してたみたいだし」 「あー、さっきの早撃ちで黒焦げってヤツ! 彩歌パイセン、マジパネェ!」  ……凶獣? なに言ってるの? 「えっと……凶獣って?」 「さっき言ってたじゃんか。明後日(あさって)の方角に魔法撃ってたって。あれ、凶獣だろ、きっと」 「〝ヤバい奴〟つってたもんね。パイセンからすれば、ヤバくもなんとも無いんだろうけど」  信じられない……けど、この巨大な火壁(ファイアウォール)。こんな物を作れるなら、凶獣だって倒せる。  ……本当なんだ。アイツは目視できないような距離にいる凶獣を、3体も倒した! 「でも、火壁(ファイアウォール)を突破してくる魔物もいるでしょう。援護が要るんじゃ……」 「ああ。それ、たぶん要らないわ。パタンするから」 「パタンするっしょ! ヘーキヘーキ!」  パタン? 「あの……あなたたち、パタンって何?」  ふたりは、燃え盛る炎の壁を指さす。  ……巨大なそれは、ゆっくりと(かたむ)き、パタンと倒れた。 「魔法効果を〝後付け〟で操作?! そんな事ができるの?!」  地獄のような光景だ。押しつぶされた魔物たちの断末魔と共に、木々と大地と肉を焼く臭いが辺りを包む。 「さすがに、これを超えて来れる魔物はいないだろ?」 「キャハハ! パイセン、やり過ぎ!」  ただ、呆然と見ているしかなかった。  私なんかが(かな)うわけない……これが、炎の女帝(スタタ・マテル)戦闘記録:北門の挿絵1

初回投稿日時:2020年2月29日 8:10

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  • 賢者

    SHO

    ♡300pt 〇100pt 2020年2月29日 9時11分

    圧倒的俺tueeeeeeeeee!!!! やっぱファンタジーはこれが醍醐味ではないでしょうか? そして何気にバカップルが腕利き扱いされている事がw でも肝っ玉は据わったみたいですね!

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    SHO

    2020年2月29日 9時11分

    賢者
  • カレーうどん

    ガトー

    2020年2月29日 10時03分

    フォォオオ!ヾ(*´∀`*)ノ いつも有り難うございますッ! それなんです! 賛否両論あるとは思いますが、やはり〝無双〟は心地良いのでやめられませんね! ( ;∀;)カイカン!!

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    ガトー

    2020年2月29日 10時03分

    カレーうどん
  • チンチラちゃん

    hake

    ♡500pt 2020年3月2日 20時07分

    彩歌パイセン、さすがっす!!(*´Д`*)

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    hake

    2020年3月2日 20時07分

    チンチラちゃん
  • カレーうどん

    ガトー

    2020年3月2日 20時40分

    ヾ(*´∀`*)ノ フォおおおお!! 連続で有難うございます!! ヒロインの力を見せつけましたね!

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    ガトー

    2020年3月2日 20時40分

    カレーうどん
  • れびゅにゃ~

    とら猫の尻尾

    ♡300pt 2021年1月12日 23時15分

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    最高です…!

    とら猫の尻尾

    2021年1月12日 23時15分

    れびゅにゃ~
  • カレーうどん

    ガトー

    2021年1月13日 4時48分

    アアッ!。・゚・(ノ∀`)・゚・。ありがたきお言葉ッ! 本当に嬉しいです……!

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    ガトー

    2021年1月13日 4時48分

    カレーうどん
  • ひよこ剣士

    渡鴉

    ♡300pt 2020年2月29日 9時24分

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    いいぞ、もっとやれ!

    渡鴉

    2020年2月29日 9時24分

    ひよこ剣士
  • カレーうどん

    ガトー

    2020年2月29日 10時04分

    アアッヽ(=´▽`=)ノ有り難うございますッッ! もっともっと頑張りますッ! (≧▽≦)

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    ガトー

    2020年2月29日 10時04分

    カレーうどん

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