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2026年、水ぼうそうが流行中?2回打ったのにかかる「ブレイクスルー水痘」とは #エキスパートトピ

医学博士。大学講師。アレルギー学会・小児科学会指導医。
写真:イメージマート

2026年1月、神奈川県藤沢市や北海道後志などで水痘(水ぼうそう)の流行注意報が相次いで発令されました。

現在、定期接種として生後12〜36か月の間に2回接種が行われており、患者数は大きく減りました。しかし、接種後でも軽症の状態で発症する「ブレイクスルー水痘」が学童期以降で散見されています。発熱が乏しく発疹も少ないため見過ごされがちですが、周囲への感染力は保っています。感染を広げないための見極め方や、妊婦さんや免疫不全の方がいる家庭での注意点など、対策を整理します。

ココがポイント

水痘(みずぼうそう)の流行注意報を発令します
出典:藤沢市 2026/1/14(水)

水痘患者報告数が、注意報基準である1人以上となりましたので、まん延を防止するため注意報を発令します
出典:北海道倶知安保健所 2026/1/9(金)

breakthrough varicella(水痘ワクチン接種後42日以降の水痘罹患)の存在
出典:国立感染症研究所 2022/1/13(木)

People with breakthrough varicella are also contagious.
出典:CDC 2024/7/15(月)

エキスパートの補足・見解

水痘は、2回接種を終えていても「発疹が少ない水痘」は起こり得るため、流行期は“軽い発疹”でも水痘を疑う姿勢が大切です。

理由は大きく2つあります。
①ワクチンは重症化を強力に防ぎますが、感染を100%防ぐものではなく、接種後42日以降に発症する「ブレイクスルー水痘」が報告されています。これは発熱が乏しく、水疱(水ぶくれ)が少なく虫刺されのように見えるのが特徴です。定期接種世代が5〜9歳になった後、少なくとも2015〜2019年は5〜9歳の報告数は横ばいで推移しており、接種済みの子どもの発症が示唆されています。
②軽くても感染性は失われません。ブレイクスルー例でも周囲にうつす能力があり、発疹が多い場合は未接種者と同程度の感染力を持ちます。

ご家庭で意識していただきたいのは次の3点です。
①母子手帳で2回接種済みか確認し、未完了なら早めの接種を。
②流行地域で水疱(みずぶくれ)を見つけたら登校を控え、受診前に医療機関へ電話連絡をして確認しましょう。

③同居に妊婦さんや免疫不全の方がいる場合は特に注意が必要です。接触後の対応(ワクチンの緊急接種か、免疫グロブリンや抗ウイルス薬を検討するか等)が状況で変わるからです。

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ありがとうございます。
医学博士。大学講師。アレルギー学会・小児科学会指導医。

小児科学会専門医・指導医。大学講師。アレルギー学会専門医・指導医・代議員。1998年 鳥取大学医学部医学科卒業。2012年から現職。2014年、米国アレルギー臨床免疫学会雑誌に、世界初のアトピー性皮膚炎発症予防研究を発表。査読済み英語論文、医学専門雑誌に年間10~20本寄稿しつつX(フォロワー12.7万人)、ニュースレター(1.5万人)、Instagram(2.5万人)、音声メディアVoicy(6000人)などで情報発信。2020年6月Yahoo!ニュース 個人MVA受賞。※アイコンは青鹿ユウさん(@buruban)。

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