ドラッグストアは「業界トップ3以外」消える?ウエルシア×ツルハ経営統合の本当のワケ
ドラッグストア業界2位のツルハホールディングス(HD)と業界1位のウエルシアホールディングス(HD)が昨年12月に経営統合をした。これにより、国内のドラッグストア店舗数で全体の2割を占める巨大ドラッグストア企業が日本に誕生したが、巨大ドラッグ連合の動向は業界にどんな影響があるのだろうか。これまで30年以上にわたり流通・小売りサービス業界のコンサルティングを実施してきた経営コンサルタントの岩崎剛幸氏が解説する。 【画像付き記事全文はこちら】
ツルハ+ウエルシアの「巨大連合」誕生
実は、ツルハHDとウエルシアHDはともに、M&Aを繰り返して企業規模を大きくしてきたという歴史があります。 ウエルシアHDの出発点は1965年、埼玉県春日部市に開業した「一ノ割薬局」です。わずか15坪ほどの小さな薬局を創業者の故・鈴木孝之氏は、「調剤を待つ顧客に薬以外の商品を提供すれば喜ばれる」と考え、化粧品や酒類を店頭に並べたという今のドラッグストアの原点とも言える店へ転換していきました。 その後、1989年にドラッグストアの第一号店をオープン。1997年にコア(十字薬局)と合併。2000年にジャスコ(現・イオン)と資本業務提携してイオングループに入りました。 そして2002年には、ドラッグストアを展開していた池野ドラッグを吸収合併し、ウエルシアブランドとして統合。これ以降、接客重視の薬局文化とディスカウント型チェーンのノウハウが融合するウエルシア流のドラッグストアの原型ができました。2010年時点で約500店舗だった店舗数は、2025年現在は連結で3000店舗を超え、15年間で6倍の店舗数にまで成長。売上高も1兆2,000億円規模に達し、業界トップに立ちました。
ツルハ・ウエルシア連合は「必然」?
一方のツルハHDは1929年に北海道旭川市で「鶴羽薬師堂」として創業したのが始まりです。創業者・鶴羽勝氏の「目立つ看板」と「地域に根ざした地域密着経営」からスタート。1967年にセルフ販売方式を導入してドラッグストアチェーンとして成長していきました。 1990年代以降は積極的なM&Aとドミナント戦略の両輪により展開エリアを拡大し、1995年のイオンとの提携を経て全国規模のドラッグストアグループとなりました。 2005年にツルハHDと商号変更して以降、くすりの福太郎、スパーク、クラフトのドラッグ事業、杏林堂、レデイ薬局、などを次々とM&Aで子会社化し、北海道のドラッグストアから全国区のドラッグストア大手となりました。 2006年時点では500店舗だった店舗数は2025年現在では連結で2600店舗を超え、5倍の店舗数にまで成長し、売上高も1兆円を超えるまでになり業界2位の座を確保しています。 こう見てくると、両社共に祖業は薬局であり、ドラッグストアに転換した時期も早く、同時に全国の数多くの企業をM&Aすることによって成長してきたという経緯も非常によく似た「似た者同士」であることが分かります。 ツルハとイオンの資本業務提携、ウエルシアHDがイオンの連結子会社となり、その両社がイオンの傘下となって巨大連合を組むというのは必然だったと言えるのです。