ドラッグストアは「業界トップ3以外」消える?ウエルシア×ツルハ経営統合の本当のワケ
新ネーミングに見る「未来像」とは
両社はこれからの店舗の方向性として新たな業態名を付けまとめたのが「LIFE STORE(ライフストア)」です。「国内外のお客さんの人生そのものに寄り添う店」というのがそのネーミングの狙いです。「健康で健やかな生活を通じて、社会課題解決に貢献するインフラ」になりたいという考えのようです。ユニクロの「LIFE WEAR」にも似た発想(?)のようにも見えます。 いずれにしても同社は、このライフストアづくりを通じて、2032年に売上3兆円を目指すとしています。 しかしこのライフストアで、どんな店づくりをしていくのか気になるところです。既存のドラッグストアをライフストアへと転換していくとしていますが、単なるフード&ドラッグの延長では世界で伍して戦っていくのは難しいでしょう。ASワトソンはPB商品も強く、独自の会員制度があり、世界各地でその特典サービスを受けられるなど、固定客化も進めています。ウォルグリーンやCVSヘルスなどは医療的な役割も担うほどの立ち位置になっています。 こうした世界のトップ企業に立ち向かうには、ライフストアとしての独自性をどこまで明確にできるかが問われます。 両社の親会社となるイオングループのセグメント別業績で見ても、ドラッグストアのヘルス&ウエルネス事業は売上で3番目、営業利益では金融事業、イオンモールなどのディベロッパー事業に次いで3番目の稼ぎ頭、すでにGMS事業、SM事業を抜く小売部門のトップ事業なのです。 イオングループとしては今後のグループの稼ぎ頭として、同社が進出している海外各国にドラッグストアを展開し、アジア、ASEAN地域での店舗展開に投資もしていくはずです。 まずはアジア、ASEAN、そして欧米へと進出していけるかどうか。 それはライフストアという業態開発がカギを握っています。これからのツルハ・ウエルシア連合、そしてイオングループの動向を注視していきたいと思います。
執筆:経営コンサルタント/ムガマエ株式会社 代表取締役社長 岩崎剛幸