もし前回衆院選で中道改革連合があったら? 議席試算、結果は第1党
自民党との連立関係を解消した公明党が、立憲民主党と新党「中道改革連合」をつくると発表した。もしこの枠組みが過去の衆院選のときに存在していたら、選挙の結果はどうなっていたのか。公明票が自民から立憲の候補に移った場合、小選挙区の獲得議席がどうなるかを試算した。
公明は自民と連立して以降、小選挙区の多くで候補を立てず、自民候補を支援してきた。その代わり、比例区では自民が公明に票を投じることになっていた。
例えば2024年衆院選では、公明は比例区の得票として小選挙区ごとに9千~3万6千票を得た。
このうち、一部は自民支持者らが投じたとみられるため、公明支持者による小選挙区での「公明票」は、もっと少ないはずだ。
今回は、その公明票が、比例区で公明が得た票の5割、7割、10割だったと仮定。自民でなく立憲民主の候補に投じられたとして試算した。
石破茂首相が解散した24年10月の衆院選の場合、小選挙区289議席のうち、自民は132、公明は4、立憲は104だった。
ここで公明票が立憲に移ったとすると、5割シナリオで自民は89議席、中道改革は149議席となった。7割の場合は自民79に対し中道改革159。10割だと自民58、中道改革176だった。
いずれも中道改革が第1党になった。
自民が大勝した21年衆院選でも試算した。
実際の結果は、岸田文雄首相のもと、自民は187(追加公認は含まず)と単独過半数を確保し、公明は9、立憲民主は57だった。
これに対し、5割シナリオでも自民の131に中道改革が120と迫った。7割では自民114、中道改革137と逆転。10割だと自民90、中道改革160となった。
ところで、17年衆院選で朝日新聞と東京大が共同で実施した調査によると、比例区で公明に投票していた人のうち、小選挙区では自民候補に投じていた割合は7割ほどだったという。
こうしたことから、比例票の10割が小選挙区に投じられるとするシナリオは考えにくく、7割かそれ以下の場合が現実的とみられる。
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- 【視点】
シミュレーションは他社からも色々出ているが、自民が低調だった24年衆院選(石破政権下)だけでなく、自民が比例でかなり好調だった21年衆院選(岸田政権発足直後)のデータによるシミュレーションが含まれている点が出色だ。 21年衆院選は、今の衆院の選挙制度になった96年以来で見ると自民の比例得票率が3番目に高い。安倍政権の残像があったことに加えて、その政権評価を土台にしながら菅氏→岸田氏へ交代にしたことによる期待感の上積みもあり、自民の比例得票が特に高かった。 その21年衆院選を土台にした試算でも、公明票の7割がシフトすると中道改革が第1党になり、5割シフトでも拮抗するというのが公明票の存在感の大きさを物語っている。21年衆院選では自民は比例で72議席だから、5割シフトのシナリオでも仕上がりで203議席に留まる。 つまり、高市氏が自民単独過半数を回復するには、(かなり高い)岸田政権下のレベルでは足りず、もっと多くの比例票を獲得できるほどの支持が必要になるわけだ。加えて、21年衆院選にない要素として、参政党など、自民党の得票を侵食する新勢力の存在も考慮する必要がある。
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