第10章:最後の関門突破。「デジタル資産銀行」Anchorage DigitalによるXDC採用の意味
第9章では、規制に準拠しないチェーンのリスク(USDT凍結事例)について触れました。 それに呼応するかのように、米国で最も厳格な規制基準をクリアしている**「Anchorage Digital」**が、XDCネットワークのサポートを正式に表明しました。
これは単なる「ウォレット対応」のニュースではありません。機関投資家がXDCを購入・保有するための「法的な入場ゲート」が開かれたことを意味します。
1. 機関投資家が抱えていた「カストディ問題」の解決
一般の個人投資家と異なり、ヘッジファンドやファミリーオフィス、銀行などの機関投資家は、コンプライアンス上の理由から、暗号資産を自己管理(ハードウェアウォレット等での保管)することが困難です。彼らが参入するためには、法律で定められた**「適格カストディアン(Qualified Custodian)」**による資産管理が必須となります。
Anchorage Digitalは、米通貨監督庁(OCC)から連邦信託銀行の認可を受けた、世界でも数少ない「デジタル資産のための銀行」です。 そのAnchorageがXDCのカストディ(保管業務)に対応したということは、米国の機関投資家に対し、**「XDCを保有することはコンプライアンス上、問題ない」**というお墨付きを与えたに等しい出来事です。
2. 「買いたくても買えない」状態の解消
これまで、XDCに関心を持つ機関投資家がいたとしても、法的に安全に保管する手段が限られていたため、実際の購入行動に移すことができませんでした。これが、RWA(実需)のプロジェクト数が増加しているにもかかわらず、XDCトークン自体の流動性が限定的であった一因と考えられます。
今回の発表で「機関投資家クライアント向けのXDCの安全な保管」が利用可能となったことで、彼らの資金がXDC市場に流入するための物理的なパイプラインが開通しました。
3. トロン(TRX)事例との鮮明な対比
第9章で確認したトロン等のチェーンが「規制当局による凍結リスク」に怯える一方で、XDCは「規制当局認可の銀行」と提携を深めています。
- 規制非準拠チェーン: 資産凍結や法的排除のリスクが増大(資金流出)
- XDCネットワーク: 連邦銀行レベルの保管体制を確立(資金流入)
この対比は、リスクを嫌うスマートマネー(賢明な資金)が次にどこへ向かうかを明確に示唆しています。
結論:機関投資家を受け入れる「器」の完成
第3章で述べた「価格爆発への3段階」における**Phase 3(機関投資家による買い占め・ロックアップ)**を実現するためには、彼らが安心して資金を預けられる「金庫」が必要でした。 Anchorage Digitalとの提携により、その金庫は完成しました。
インフラ(ネットワーク)、中身(RWA)、そして保管場所(カストディ)。 すべての準備が整った今、市場は次のフェーズへと移行する準備を完了したと判断できます。
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