スーパーとドラッグストア、「垣根」越え競争…西友買収に続きスギ薬局と協業のトライアル「攻勢」で拍車
国内のスーパーやドラッグストアで業界の垣根を越えた競争が目立ってきた。人口減少で顧客の奪い合いが激しくなり、集客力を高めるために品ぞろえを拡充する動きが広がる。大手スーパー西友を買収したトライアルホールディングス(HD)の攻勢も、競争に拍車をかけそうだ。
■ノウハウ共有
トライアルは九州地方を中心にディスカウント店などを運営し、2025年に買収した西友を足がかりに全国展開を加速させている。今月には中部地方が地盤のドラッグストア大手スギHDとの協業を発表した。
協業により、トライアルや西友の店舗に、スギの調剤薬局やドラッグストアが入る。年内にまず福岡県内の2店舗で実施する。3月には同県内の小型スーパー「トライアルGO」を改装し、スギの医薬品や化粧品、陳列のノウハウを取り入れる。トライアルは、強みとする安価な総菜や弁当をスギの店舗に提供し、製造手法も教える。
両社はトライアルの食品や日用品、スギHDの化粧品などのプライベートブランド(PB)商品を相互供給し、スーパーなどに対抗する構えだ。
■首都圏出店加速
「垣根」を越える利点は大きい。スーパーは利益率が高い医薬品や化粧品を取り込めれば、収益力の向上が期待できる。ドラッグストアは消費者の需要が大きい食品や飲料などを拡充すれば、来店客の増加を見込める。
企業の合併・買収(M&A)も相次ぎ、ドラッグストア2位のツルハHDは昨年12月、イオン子会社で業界首位のウエルシアHDと経営統合した。今月14日にはイオン子会社となり、売上高に占める食品の割合を3割まで高める方針を示している。
セブン&アイHD傘下だったイトーヨーカ堂は、昨年9月に米投資ファンド・ベインキャピタルの傘下に入った。総合スーパー路線から転換し、食品や医薬品の販売に注力している。
トライアルは西友買収で全国の店舗数を約7割増やし、600店超とした。手薄だった首都圏では、近隣の西友店舗から届けるできたての弁当や総菜を売りに、トライアルGOの出店を加速させている。
小売業界に詳しい大和証券の重岡絵美里アナリストは「首都圏などの人口密度が高い地域では出店が加速し、競争が激しくなっている。『消費の二極化』に対応し、割安な商品と稼げる商品をそろえて収益力を磨くことが重要だ」と指摘する。