千葉県警松戸東署で勾留されていた20代男性が昨年9月、ビタミン欠乏症「かっけ」を発症した疑いがあることが15日、関係者への取材で分かった。署の提供した弁当の栄養不足が原因とみられる。男性はビタミン剤の投与で回復。県警は同12月末までに、弁当業者に改善を要望した。
関係者によると、男性は勾留中に受けた健康診断で手足のしびれなどを訴えた。医師は、むくみで体重が大きく増えていたことや、支給される弁当の中身が揚げ物ばかりで野菜不足だった点を踏まえ、かっけの疑いがあると診断した。
かっけは早ければ2~3週間で発症し、最終的に心不全で死亡するリスクがある。事態を問題視した医師の指摘を受け、県警は弁当業者に栄養バランスを改善するよう要望した。
千葉県警は「留置人の体調不良の原因が弁当とは断定できない」とした上で「栄養不足にならないよう、業者との連携を密にしたい」としている。
留置場の弁当が原因とみられるかっけの発症は過去にも判明した。埼玉県警川口署で勾留中の2018年に発症した男性は、県に賠償を求めて提訴。さいたま地裁は23年、県警が注意義務を怠ったのが体調悪化の原因だと認定し、55万円の支払いを命じた。
留置場の食事問題を調べている増田利昭弁護士によると、刑務所や拘置所などは被収容者の食事に必要なカロリーや標準栄養量に関する規定がある。一方、都道府県警は留置場で支給する弁当の仕様書をそれぞれ独自に定めているが、栄養量を規定している事例は少ないとみられる。増田氏は「拘置所ではなく留置場に長期収容するのが当たり前という実態にも問題がある」と指摘した。(共同)