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VN3ライセンスは、「ステルス差別」を誘発する。

(Does the “Religious Activity” Clause in the VN3 License Promote Discrimination?)

VRChat、Cluster、Resoniteを使う人なら、Boothなどで一度は目にしたことがあるもの、それが「VN3ライセンス」です。

このライセンスのある一項目が、実は海外ユーザーにとって「差別的」に見える可能性があります。

それが「政治活動・宗教活動」です。

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実際の画像

今回は、その項目が存在することが、なぜ「差別的」に見えるのかを解説していきます。

クリスチャンが「キリスト教」を肯定することができなくなる。

キリスト教は、Pew Research Centerの統計でも示されているように、世界で最も信じられている宗教です。

(Pew Research Center, Christians remain world’s largest religious group, but they are declining in Europe by Conrad Hackett and David Mcclendon, April 5, 2017)

また、キリスト教の教典である「聖書」は、「世界一のノンフィクションベストセラー」としてギネスブックに登録されています。

(Best-selling book, Guinness World Records)

つまり、世界の「宗教」のスタンダードは、「無神論」でも「無宗教」でもなく、「キリスト教」というのが、公式に認められた事実です。

しかし、日本はどうでしょう。約1億2,300万人のうちの一人に過ぎない日本人が、世界人口の31.2パーセント(約25億2,720万人)の活動を制限しています。

どのように?VN3ライセンスの「政治活動・宗教活動」という項目によってです。

これはどういうことか。流れを示すとこうです:

  1. VN3ライセンスが「政治活動・宗教活動」という項目を作成して一般に配布。

  2. 日本人クリエイター(約1億2,300万人のうちの一人)がVN3を使う。

  3. 日本人が「政治活動・宗教活動」の項目を自由に設定できることを知る。

  4. 調べても難しくてよくわからんし、なんか怖いから、「許可しません」にしちゃえ。

  5. 外国人(キリスト教徒。約25億2,720万人のうちの一人)VRChatプレイヤーが、VN3ライセンスドアバターを見つける。

  6. 利用規約を律儀に確認する。

  7. 「政治活動・宗教活動:許可しません」を目にする。

  8. 外国人「Oh my Goodness... 宗教活動ってどういうこと…?何を指すの?これ、もしこのアバター着て、なんかキリスト教のことちょっと褒めたりしたら規約違反になるかもしれない…訴訟されたらどうしよう…無理だ…No way...」

  9. 結果、ステルス差別(排斥)につながる。

いかがでしょうか。

「政治」と「宗教」はそもそも別物なのに、一緒くたにしている。

そもそも、政治とはなんでしょうか。宗教とはなんでしょうか。辞書を見てみましょう。

せい‐じ〔‐ヂ〕【政治】
読み方:せいじ
1 主権者が、領土・人民を治めること。まつりごと。
2 ある社会の対立や利害を調整して社会全体を統合するとともに、社会の意思決定を行い、これを実現する作用。

デジタル大辞泉

しゅう‐きょう〔‐ケウ〕【宗教】
読み方:しゅうきょう
《religion》神・仏などの超越的存在や、聖なるものにかかわる人間の営み。古代から現代に至るまで、世界各地にさまざまな形態のものがみられる。→原始宗教 →民族宗教 →世界宗教

デジタル大辞泉

要するに、政治は「王的なポジションの人が土地や人を支配すること」、宗教は「神と人間との関係」だと、辞書は話しています。

言い換えるなら、「政治は、外面的な秩序のための制度」で、「宗教は内面的な秩序のための信仰」なので、本来は別のものです。

しかし、VN3ではなぜかそれを一緒にして、まるで同じものであるかのように扱っています。

「臭いものに蓋」「本質から目を逸らす」という日本社会的な悪習の表れ。

この項目が作られたのも、「政治」と「宗教」の話題をすればトラブルになるから、という日本社会的な発想からきていると思います。

「政治の話」をすれば、自分の党は良い、あの党はダメだ、あの主義は間違ってる…。

「宗教の話」をすれば、あの神は偽物、うちの教理は正しい…。みたいな話になるから…。という理屈な訳です。

しかし、周りを見てください。

韓国人は政治の話を当たり前にし、アメリカ人はキリスト教の話を日常の一部としています。

しかも、アメリカに至っては多民族・多宗教国家です。なんなら、「野球」の話もします。

これはなぜでしょうか。答えはシンプル。「外国人のコミュニケーション能力が高い」からです。

外国人がなぜコミュニケーション能力が高いのか、「お互いを尊重し、むやみに否定しないから」です。

「それは間違っている」というところを、「私はこう思います。なぜなら〜…。でも、あなたの意見も尊重していますよ」と言うからです。

これは、私が色々な外国人と交流してわかったことです。彼らは、そう簡単には私の意見を否定しなかったし、むしろ良いところを見つけてそれを褒めようとしてくれました。特にアメリカ人と韓国人はそうでした。

そのため、私も相手がするように、相手の意見を尊重しました。

もしそれが「違う」というのなら、その人はおそらくRedditや4Chanでしか外国人を見たことがないのでしょう。

ところが、日本社会となると、私が相手を尊重しても、自分の意見を言った途端に、それが相手の考えと矛盾した場合に、すぐにブロックされます。これは私が経験したことです。

日本の文化的傾向として、「お互いを尊重する」「相手のために忍耐する」スキルを身につけることをめんどくさがって、最初から無いもののように扱います。

この「因習村的性格」が、「VN3ライセンス」の「政治活動・宗教活動」に反映されています。

なぜ、「因習村的性格」が日本にあるのか、答えは「自己中心」だからです。

「自分さえ楽になれば大丈夫」「めんどくさいのは不快だから逃げよう」「人間は自分の思い通りになる」こういう考えがあるから、「俺はUnityの王だ。お前にこのアバター/アセットを使わせてやってるから、俺のルールに従え」というロジックになるのです。

「相手がこのアバター/アセットで、幸せになってほしい」とか、「自分が作ったこれで、世の中に役立てたい」とか、そういう考えは1ミリもありません。

その証拠に、日本ではオープンソースがあまりメジャーではありません。海外では「パブリックドメイン」「クリエイティブコモンズ」「MITライセンス」「BSDライセンス」「Apacheライセンス」など、豊富な「オープンソース利用規約テンプレ」が存在しますが、日本はせいぜいトロンOSの「T-License」くらいしかありません(当時の坂村健氏がいかに最先端だったかが伺えます)。

なぜでしょうか。「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」というジャイアニズムが根深いからです。

この地上も、この肉体も、本来は神様が作ったもので、人間に与えたものです。なぜ、彼らは貰っているのに、貰っていないかのように驕り高ぶるのでしょうか。

答えはシンプル、「自己中心だから」です。

お互いを尊重するならば、自己中心になることは絶対にありえません。

自己中心から抜け出す唯一の道は、相互理解と対話です。

「相手を尊重する」ことを日常の文化に取り戻すだけで、VN3のような排他的構造は自然に不要になります。

とはいえ、こう思う人もいるでしょう。「特定の政治団体や宗教団体がトラブルを起こすからだ」と。

しかし、これについても反論します。

「悪党=政党」「カルト=宗教」ではない。

昔から政党のイメージは最悪です。自民党・公明党・共産党…。最近の参政党や幸福実現党など…。悪口を言おうと思えば無限に出てきます。

しかし、かといって「政党」というシステム自体が失敗か、というわけではありません。「民主主義」「法の下の平等」も、元はというと政治集団が築き上げてきたものです。

宗教についても同様です。オウム真理教・創価学会・統一教・幸福の科学など…。宗教を隠れ蓑にして悪いことをする連中はたくさんいます。

オウムに至っては事件も起こしました。これが日本において「宗教=悪」というイメージが固定化された決定的事件でした。

1995年3月20日の通勤時間帯、営団地下鉄霞ケ関駅に向かう3路線5方面の電車内において、オウム真理教幹部構成員が化学兵器サリンを散布し、多数の一般市民を無差別に殺傷した未曾有のテロ事件。事件発生当時の現場は混乱を極め、警察、消防、自衛隊、医療関係者など多くの人々が、事態の解明や人命の救助に奔走した。

公安調査庁 https://www.moj.go.jp/psia/aumarchive/sarinattack/

しかし、「宗教」というシステム自体が間違いだったかというと、決してそうではありません。宗教は本来、人の徳を高めるための道しるべだからです。犯罪を犯すためのものであるなら、それは宗教とは言えません。

現に、イエス・キリストは「隣人を愛し、敵をも愛しなさい」と説かれました。

そして、キリストに感銘を受けたキング牧師は、人種差別反対を訴えたのです。

そして、イエス・キリストも、その信者も、誰も「暴力や犯罪」を肯定しませんでした。

これは「人類の徳を高めるため」であることの他にありません。

ところが、日本社会は「政治」も「悪党」も同じにし、「宗教」と「カルト」と同じにし、一般化します。これは「りんご」と「石」を同じ果物と呼ぶくらい滑稽です。

なぜ同じにするのか、「考えない」「調べない」「知ろうとしない」からです。思考停止です。真理よりも目先の利益を求めているからです。

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見ざる、聞かざる、言わざる。

この因習が、日本において集団的エコーチェンバーを加速させ、その結果「常識化」され、「VN3ライセンス」に「政治活動・宗教活動」という項目を誕生させ、「許可しません」を誘導させたのです。

まさに、「無知は罪なり」を典型的に表しています。

「宗教活動:許可しません」の具体的な理由が示されていない。

もし、ある人が自分の作品について宗教活動を制限する場合、その説明責任があります。

しかし、具体的に「なぜダメなのか」が示されていないので、「意味不明だけど禁止」状態になっています。

仮に「トラブル防止のため」と理由を説明しても、「どのようなトラブルか」「この世の全ての政治活動や宗教活動がトラブルを起こす具体的な根拠を示せ」と言われても、答えられません。どうせ「こいつやばいやつだ、ブロック」で済ませます。

つまり、「政治活動・宗教活動」という項目を設けること自体無責任なことであり、説明責任を曖昧にしているのです。

VN3ライセンスに見える「管理社会的思考」。

個人主義においては、「基本全部自己責任だけど、国民たちは自由に表現できるよ」というのが原則です。

しかし、管理社会的思考においては、「政府が責任持って人民たちの面倒を見る代わりに、掟に従え」という発想です。

つまり、「個人責任」か「全体責任」かという発想です。

これがどう「宗教活動禁止」に関係するかというと、「ユーザーがやったことは作者の責任になる」という発想からきているからです。

個人主義においては、それは違います。あなたが明示的に「カルトや悪党による悪行」を肯定しない限り、悪行はその悪人の責任です。作者が追及されることはあり得ません。

それなのに、ユーザーがなにか悪さして、その作者が責められるのはおかしな話です。これは、料理用の包丁を作った職人がいて、ある殺人鬼がその包丁で人を殺したら、その職人まで死刑にするようなものです。

これはまさに「全体主義的発想」です。日本人は、同じ日本人を子ども扱いし、親が面倒を見るように、悪人の悪行まで自分のものにしようとします。「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」です。

これが、個人主義が寛容と言われる理由です。「僕のアセット、自由に使ってもいいけど、自己責任でよろしくね」というスタンスだからです。「個人主義」だからです。

本来は日本も形式的にはこの権利が保障されているはずです。しかし、勝手にルールを作って、それを勝手に自分の責任にします。

具体的な改善案。

VN3の使用を直ちに中止し、国際的な基準に沿ったオープンソースライセンスを使うことです。以下におすすめを示します。

  • MITライセンス( オープンソースの代表格。VRChatやClusterのクリエイターもよく使う。誰でも自由に使えて、改変・再配布・商用利用もOK。その代わり、著作権表示とライセンス文を残すことだけが条件。たとえば「このスクリプトを自由に使っていいよ。でもクレジットは残してね」というスタンス。オープンソース系ワールドやアセット共有に向く。)

  • BSDライセンス(MITよりちょっとだけ形式的で、研究・教育・チーム開発プロジェクトに使われることが多い。
    「使っていいけど、悪用や誤解を避けたい」人におすすめ)

  • クリエイティブ・コモンズ(主に画像・音楽・3Dモデルなど、コード以外の著作物に使われる。自由にカスタマイズ可能で、「どう使っていいか」をアイコンで明示できるのが魅力。日本人向けかもしれない)

  • パブリック・ドメイン(誰でも、どんな目的にも、改変しても再配布しても自由。いわば著作権の放棄宣言。完全にフリー素材として配りたいときに使う。たとえば「このエモートは自由に使ってOK」「学習素材に使っていいよ」など)

こうすれば、海外ユーザーも「文化の違い(因習村)」に悩まされることはなくなりますし、日本人も宗教を差別することはなくなります。

まとめ。

VN3ライセンスは、時代遅れです。

トラブルを防ぐどころか、差別の温床になりかねません。

より開かれた創作文化を目指すなら、国際的ライセンスへの移行を真剣に検討すべき時期に来ています。

世界中のクリエイターが、互いの信仰や思想を尊重しながら創作できる。

そんな環境こそが、本当の「自由なメタバース文化」ではないでしょうか。

この記事が、日本社会をより良い方向へ変革するきっかけとなることを、心から願っています。

今回の内容について、似たようなことを記事に書いたので、もしよろしければこちらも併せてお読みください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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