VN3制作者「あしやま ひろこ」言動の最大の問題点。ダークパターンで人々を誘導し、その問題提起をするマッチポンプ・インシデント。
はじめに。
ここ数日、VN3や宗教制限規約の問題点について、私がnoteで批判していました。
要するに、VN3の「宗教利用:許可しません」という規定のせいで、一般宗教信者の健全な信仰活動が阻害されるのではないか、という話です。
ところが、既にあしやま ひろこは、この現状を認識していました。
本人が書いた論文「メタバース用途のアバター取引に伴う利益衝突に関する法的考察」によると、このように書かれています。
次に表②は個人利用の場合の許可内容を示したものである。まず「I調整」「J改変」「O映像作品・配信・放送への利用」については殆どで許可が与えられており「F性的表現」「G暴力的表現」についても多くで許可が与えられている。「Cソーシャルコミュニケーションプラットフォームへのアップロード49」と「Dオンラインゲームプラットフォームへのアップロード」については規約上では言及されていないものもあったが、アバターとしての販売から当然に許可が与えられていると解釈することも可能であろう。「K他のデータを改変するための利用」については、便宜的に「言及無し」と分類したものも多いが、「J改変」の範疇として許可が与えられていると解釈できるものもある50。対して「Eオンラインサービス内での第三者への利用の許諾」「M未改変状態での再配布」「N改変したデータの配布」は不許可としているものが殆どであり、知的財産の保護としては一般的な考えであると言えるだろう。
そのため、アバターの利用者は多くの場合で、データの再配布などを行わなければ、購入したアバターを適宜改変して自分好みの姿にアレンジしたうえで、広範な表現活動ができることがわかった。また、個別の方法によっては問い合わせが必要になることはあるものの、前提としては個人での営利利用が許可されているケースが多いため、経済活動の面からも個人利用者の利便性は悪くはないように思われる。
しかしながら、「H政治活動・宗教活動」については殆どの場合で明示的に不許可となっており、明示的に許可しているものは皆無であった。つまり、市販のアバターを用いる場合は政治と宗教に関する活動に大きな制約が発生していることがわかった。
したがって、私人間の契約であるアバターの利用規約で宗教活動が禁止されていた場合であっても、当人や周囲にとって宗教的意義が全く無いか希薄であるようなクリスマスパーティや、強い宗教的意図を持たずに慣習的に行っている初詣のような行為、あるいは一般的な結婚式や葬儀などについては宗教活動ではないとみなされて、容認される可能性があるだろう。しかし、特定の宗教の布教活動や、宗教的意義が強い活動については、認められない可能性も高いのではなかろうか。例えば、ムスリムは毎日5回の礼拝(サラート)が宗教上義務付けられているが、アバターの利用規約において宗教活動が禁止されている場合は、メタバースを一旦中断してリアル世界において礼拝を行うか、もしくはアバターを別のものに切り替える必要が生じる可能性があるであろう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jicp/6/1/6_111/_html/-char/ja
この項では、「例えば、ムスリムは毎日5回の礼拝(サラート)が宗教上義務付けられているが、アバターの利用規約において宗教活動が禁止されている場合は、メタバースを一旦中断してリアル世界において礼拝を行うか、もしくはアバターを別のものに切り替える必要が生じる可能性があるであろう。」という発言からみるように、メタバースにおける信仰生活が制限される可能性に警鐘を鳴らしているように見受けられます。
しかし、これに対して、あしやま ひろこが提示した解決策が、これです。
そこで筆者が考える解決策は、アバターを自らの手で作ることができる技能を習得する機会を国家が提供し、またその手段を国家が提供ないしは提供を保障することである。
その理由は、アバターを利用しようとした際の自由契約の結果としての制約が問題として成り立ってしまう背景とは、一般的なメタバースのユーザーにとってその理想とするアバターを自己の手で作る技能がないために、あるいはそういった技能を習得する機会が与えられなかったために、他者から購入するしか選択肢がないことに起因していると考えられるためである67。そうであるとするならば、自らアバターを創作できる技能を習得できる機会と手段を国家が国民に提供することができれば、人権的問題は根本的な意味において解決すると思われるのだ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jicp/6/1/6_111/_html/-char/ja
要するに、「文句があるやつには自分で作らせろ、政府はその仕組みを作ればいい」というロジックです。
あしやま ひろこが作った「VN3」の「宗教利用:許可しません」のせいで、多くの宗教信者に制限が課せらせているので、それをあしやま ひろこが公式発表で無効化し、項目を消せば済む話です。
それなのに、自分のことを棚に上げつつ、「VN3の規定が信者を制限する恐れがある」などと問題提起をして、「文句があるやつには自分で作らせる仕組み作れば?」と政府任せにするその姿勢こそ、無責任なマッチポンプ行為と言わざるを得ません。
まず第一に、人の個性や才能はそれぞれ違うので、得意分野も苦手分野もあります。
10年以上触ってもパソコンが苦手な人もいますし、幼児がたった3年で超高度な操作をするような世界でもあります。
それなのに、前提が「全人類がアバターが作れる」「作り方さえわかれば誰でもできる」と読めるようなこの書き方こそ、世俗的価値観からしても、多様性の否定ととらえられかねません。
もしそれが違うというなら、全世界の認知症の老人のうちの80%でも、方法さえ教えたら、全員Blenderで「完璧なしなのちゃん」が一から作れると言い切れるでしょうか。
で、残りの20%も、頑張れば身につく、とでもいうつもりでしょうか。
やっていることが、まるで「NHKをぶっ壊す!」といいながら、あえてNHKに問い合わせをするなど余計なことをして訴えられ、国民に不利な判例を量産する「NHKから国民を守る党」です。
それを抜きにしても、こんにちの教員不足や経済悪化などの問題がある中で、莫大なコストをかけて、個性による得意不得意の影響が大きい3Dモデリングの教育を整備することは、あまり現実的とは言えません。
その税金を、ホームレスの生活や就労の支援にあてたほうが簡単で人道的な気がします。
ところが、「これはユーザーが自分の意志で決めたものだ」という人がいるかもしれません。
必ずしもそうとは限るのでしょうか。
VN3公式サイトに仕掛けられた、Amazonプライム会員契約に劣らぬ「ダークパターン誘導」。
VN3のウェブサイトにも、構造上の問題があります。
まず、公式が配布するテンプレートが最初から「宗教利用:許可しません」です。
これでは、何も考えずにクリエイターが使えば、自動的に宗教制限をする仕組みになります。
これは、ユーザーが、無意識の操作で、うっかりAmazonプライム会員を契約するようなものです。
ネットでは、このような誘導行為を「ダーク・パターン」と呼ばれています。
ダーク‐パターン(dark pattern)
企業のウェブサイトやECサイトなどで、利用者に意識されることなく、企業側に有利な選択や行動につながるようデザインされたユーザーインターフェースの総称。契約は容易だが解約手順が複雑であるもの、顧客が必ずしも必要としない付加サービス加入のチェックボックスが、あらかじめ選択済みであるものなど。
VN3も同じです。知ってか知らずかは関係なく、「テンプレート」という呪文によって、「無意識の誘導」を行うシステムが出来上がっています。
確信犯でしょうか。
これは本当に悪意を感じます。「全宗教に対する文化的サイバーテロ行為」としか言えません。
まるで、パリサイ人が会堂からクリスチャンを追放するようなことが、メタバースで起こっています。
私はキリスト教寄りですが、ムスリムも仏教徒も怒ってもいいレベルです。ムスリムに関してはジハードレベルの騒ぎです。
これをレリジャス・ハラスメントと呼ばずに、何と呼ぶでしょうか。
メタバースだから、私人契約だからといって、この問題を放置していいものでしょうか。
もしそうだというのなら、ダークパターンでAmazonプライム会員を契約させられても、その人は文句を言ってはいけません。
日本人向けだから関係ない?いいえ。
ところが、ある人は「この規約は日本人向けだから、外国人には適用されない。したがって関係ない」と言うでしょう。実際、このように書かれてあります。
日本に住んでいないのですが利用できますか
【権利者の場合】
VN3ライセンスは日本法が適用され権利者が日本国内に所在していることを前提に作成しています。日本国外(外国)に住んでいる権利者の方はそのまま使うことは避けた方がよいかと思います。このライセンスのテンプレートやアイコンなどは無償で公開しているので、自国の法体系や裁判管轄に沿うようにご自身で工夫して活用されることがよいかと思います。ジェネレーターを利用したい場合は、特記事項欄において、準拠法・裁判管轄について変更する旨を記載することも一案としてありますが、専門家にご相談の上ご利用されることをお勧めします。
[For right-holders]
The VN3 license was created assuming that Japanese law applies and that the right-holder is located in Japan. If you are a right-holder residing outside of Japan, we recommend that you avoid using this license as it is. The templates and icons under this license are available to the public free of charge, so we recommend that you devise your own way to use them by the legal system and jurisdiction of your country. If you wish to use the generator, you should indicate in the special notes section that you want to change the governing law and jurisdiction.
確かに、これだけを読めば、本当に外国人が無関係なように見えます。
ではなぜ、英語版と中国語版と韓国語版を用意する必要があるのでしょうか。
そして、このように書かれてあるのはなぜでしょうか。
【ユーザーの場合】
ユーザーがどの国に住んでいるかで規定や制限が変わることはありません。ただし、VN3ライセンスは日本法に基づいているので、日本以外の国の法や商慣習と異なる可能性があるため、よく読まれることをおすすめします。
[For users]
The regulations and restrictions do not change depending on which country the user resides in. However, since the VN3 license is based on Japanese law, we recommend that you read it carefully, as it may differ from the laws and business practices of countries other than Japan.
これでは「外国人は関係ない」というロジックは成立しません。クリエイターはともかく、ユーザーは国籍や人種に関係なく適用されます。
これは、私が以前の記事で指摘した問題です。
つまり、世界の「宗教」のスタンダードは、「無神論」でも「無宗教」でもなく、「キリスト教」というのが、公式に認められた事実です。
しかし、日本はどうでしょう。約1億2,300万人のうちの一人に過ぎない日本人が、世界人口の31.2パーセント(約25億2,720万人)の活動を制限しています。
どのように?VN3ライセンスの「政治活動・宗教活動」という項目によってです。
https://note.com/tsuikyu/n/n12a3e849bf9e
クリスチャンしかいないならまだしも、この世にはイスラム教徒や仏教徒もいます。
せいぜい無神論者がマジョリティなのは、日本と中国くらいです。
国際連合(UN)に加盟している国の数「193か国」のうち、日本人と中国人のご機嫌を取るために、残り191国の信者を無視するのでしょうか。
中国が人口世界一なら、まだそれでも通用したでしょう。しかし、今はインドが世界一です。
▼世界人口・日本人口(2025年)
世界人口 82億3200万人 (前年比+1億1300万人)
1位 インド(14億6390万人)
2位 中国(14億1610万人)
3位 アメリカ合衆国(3億4730万人)
4位 インドネシア(2億8570万人)
5位 パキスタン(2億5520万人)
6位 ナイジェリア(2億3750万人)
7位 ブラジル(2億1280万人)
8位 バングラデシュ(1億7570万人)
9位 ロシア(1億4400万人)
10位 エチオピア(1億3550万人)
※日本 1億2310万人で世界12位。
https://tokyo.unfpa.org/ja/publications/swop2025
インドは、現在バンガロールを見てもわかるように、急速なIT化が進んでいます。
この都市がIT産業の中心地として発展した背景には、インド政府の政策的支援や教育水準の高さがあります。特に1981年にインド大手ソフトウェア企業がバンガロールでIT事業を開始したことが大きな転機となりました。
2000年のY2K問題対応を機に、インドのIT産業は世界的に認知されるようになりました。アメリカを中心とする海外企業がこぞってインドのIT企業に対応を依頼し、その後もアウトソーシング先として信頼を獲得していったのです。現在のバンガロールは単なるアウトソーシング先ではなく、グローバル企業がイノベーション拠点を置く戦略的な都市へと進化しています。
https://india-marketing.jp/business/bangalore-it
彼らのうちの富裕層が、メタバースに手を出した時、VN3を見て「ナンセンス」だと思うでしょう。
なぜなら、インドは多民族・多言語国家であり、かつマジョリティ宗教が「ヒンドゥー教」だからです。
ヒンドゥー教:人口の約79.8%、約9億6600万人。インドは世界最大のヒンドゥー教徒人口を有し、世界のヒンドゥー教徒の約95%がインドにいます。
イスラム教:人口の約14.2%、約1億7200万人。インドは世界で最大の非ムスリム多数国におけるムスリム人口を持ち、国内では特にジャム・カシミール州やラクシャドウィープで多数派です。
キリスト教:約2.3%、約2780万人。
シク教:約1.7%、約2080万人。主にパンジャブ州に集中しています。
仏教:約0.7%、約840万人。
ジャイナ教:約0.4%、約450万人。
その他の宗教や信仰(部族宗教など):約0.7%。
したがって、日本人と中国人のご機嫌を取るだけの「宗教活動:許可しません」は、完全に時代遅れで中華思想的ファシズム行為です。
イメージが悪くなるからダメ?それ以前にも反論しました。
一部の人は、こういう話を聞いて「イメージが悪くなるから禁止しているのだ」ということがあります。
私も、「琴葉茜」が「暇空茜」に無断使用されたり、「カエルのペペ」が海外ネット民にミーム汚染された様子を見てきたので、その論を完全には否定しません。
ところが、それは作者の責任でしょうか。
規約で本当に守るべきなのは「公序良俗に反する言動」や「他者に迷惑をかける行為」であって、宗教そのものを規制することではありません。
例えば、あるカルト宗教家があなたの作品を使って迷惑行為をしても、あなたの責任にはなりません。その宗教家の責任です。
それにもかかわらず、その宗教家が悪さをしたことで、あなたが非難されたとき、あなたは自分のことのように思うのですか。
簡単な話です。あなたが無視するか、その宗教家を非難するか、名誉棄損で訴えればいいだけです。それだけの話です。
そうすれば、一部の極端な人々を除いて、ネット評論家があなたをその宗教家の言動にかこつけて非難することはなくなります。
現に、迷惑系配信者が、公共の場で、JBL GOというポータブルスピーカーで大爆音を鳴らして迷惑行為を行っても、「JBLは配信者のスポンサーだ」などと言う人はいないではありませんか。
それなのに、周りの評判やイメージ、自己都合ばかり気にして、「宗教」という一括りの言葉で禁止してしまうのはあまりにも短絡的で、世界の文化を否定する姿勢に見えてしまいます。
https://note.com/tsuikyu/n/nf630d9a0b260
こういう言い方をする人は、私の記事を読んで理解していないことは明らかです。
そのため、こういう論は無視することにします。
VN3は、捨てられるか。アップデートするか。
私は、あしやま ひろこを個人攻撃したいのではありません。言動を批判しているのです。
そして、「批判」の目的は「問題認識と改善要望」です。
ですから、私はあしやま ひろこにこう訴えます。
「オワコンにされたくないなら、アップデートしてください」
「政治活動と宗教活動を分離し、宗教活動項目を削除してください」





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