緑色の小さな体と大きな鳴き声が特徴で、日本各地で見られるニホンアマガエル。そんなカエルが、実は東日本と西日本では別種というのを、知っていますか? そして東日本の種は「新種」としてこのたび新たに認定されたそうです。どんな違いがあるのでしょうか? 小中学生向けニュース雑誌「ジュニアエラ2025年7月号」(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU
「ニホンアマガエルは一種だけ」という通説に疑問
福井県から三重県を結ぶ境界線で、東西2種がすみ分け!
2種のアマガエルは、ある部分の模様で見分ける

「ニホンアマガエルは一種だけ」という通説に疑問

 田んぼや公園の草むら、木の枝などで緑色のカエルを見かけたら、多くの場合、それはアマガエルだ。グワッグワッと大きな声で鳴くこのカエルの正しい種名は「ニホンアマガエル」。日本列島の各地だけでなく、朝鮮半島、中国東部、樺太(サハリン)まで広い地域に分布している。

 ところが10年ほど前、ニホンアマガエルは西日本にすむものと東日本にすむものでは、遺伝的な特徴が異なり、同じ種でも二つのタイプがあると明らかになった。その後、別の種とみなすべきだと考えられるようにもなってきた。

 愛知教育大学と京都大学の共同研究チームは、この疑問に確かな答えを得ようと、二つのタイプの遺伝子や体の特徴、分布などを詳しく調べた。その結果、二つのタイプは異なる種だと確かめられ、西日本に分布するものはこれまでどおり「ニホンアマガエル」、東日本に分布するものは新種(新たに発見された生物の種)と認定されて、「ヒガシニホンアマガエル」と名づけられた。二つの種は500万年以上前に、共通の祖先から分かれたものだという。

西日本に分布するものはこれまでどおり「ニホンアマガエル」とされた
西日本に分布するものはこれまでどおり「ニホンアマガエル」とされた

福井県から三重県を結ぶ境界線で、東西2種がすみ分け!

 ニホンアマガエル(以下「ニホン」)とヒガシニホンアマガエル(以下「ヒガシ」)の分布の境界についても、詳しい地図が発表された。境界は、福井県―京都府―大阪府―和歌山県―奈良県―三重県を結んだ線で示される。この境界線上には両種の交雑集団(片方の親がニホン、もう片方の親がヒガシとして生まれたカエルの集団)がいることも明らかになった。

次のページへ2種のアマガエルの見分け方
著者 開く閉じる
上浪春海
上浪春海
1 2 3