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情報災害は人災であり、二次災害である

「実際には自衛隊が派遣されていたにもかかわらず、自衛隊派遣が無かったというデマ」(能登地方・50代男性)

石川県の馳知事の初動に関する誤情報は、能登半島地震から2年近い昨今でもSNS上でたびたび再燃を目にする。ここでも、誤情報を流布するユーザーは正しい情報に聞く耳を持たず、公開情報をもとに誤情報であると伝えようとする人たちを苦しめている実態を目にする。

「(2024年)1/1に能登町で被災しましたが、当日からXを見ながらデマの多さや、必要な情報を見つけることの困難さを感じていました。」(東京都在住・能登地方で被災・40代女性)

「情報災害は人災であり、二次災害です。福島や能登で起こったことを、次に繰り返さないでほしい。災害発生時にはデマなどによる(SNS上の)インプ(=インプレッション)稼ぎが行われないようにして欲しい」(能登地方・50代男性)

「東日本大震災を経験しているが、当時はまだSNSが情報ツールとしては現在の様な位置には無かったが、能登の震災以降SNSは重要性を高めている。しかし、十分な規制もないまま新たな情報災害を生み出している事に大きな危惧を感じている」(東北地方・60代女性)という意見まであった。

SNS上の情報の重みは、近年では年を経るごとに高まっている。貴重な情報収集、発信手段である一報で、深刻な情報災害の発信源となりかねない。ユーザー側が誤情報に振り回されないことが重要であるが、運営側のリテラシー向上や悪質なケースでは罰則の強化なども必要なように感じている。

メディアの「切り取り」への不信感

SNSだけではなく、メディアへの視線も厳しい。アンケート回答者の約8割が、報道について「適切ではない」と感じている。特に指摘されたのは、「絵になる悲劇」ばかりを求める姿勢だ。

「倒壊したビルや焼けた朝市通りばかりが繰り返し放送される。その隣で店を再開させた商店や、復旧した道路は映さない。これでは『能登は壊滅したまま』という誤ったイメージが固定化され、観光客も戻ってこない」(能登地方・40代男性)

「復旧が進んでいない箇所を探し回る記者を見た。『まだここがダメだ』というコメントを引き出そうとする誘導尋問にはうんざりした」(能登地方・40代男性)

「出張で全国を回っていますが、どこに行っても、復興全然進まないね、放置されてるね、国は何にもしないね、知事がダメだ、能登はまだ行ったらダメなんでしょ?の繰り返しで最近は説明するのも疲れてきました。」(能登地方・40代男性)

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メディアには権力を監視する役割がある。復興の遅れを指摘することは重要だ。しかし、そこに「被災者の生活」への敬意はあるか。あらかじめ用意した「復興の遅れ」というストーリーに、被災者を当てはめようとしていないか。「報道被害」という回答もあったことを、メディア関係者は重く受け止める必要がある。

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