中国で近年、日本の「戦後」をめぐる研究が静かなブームになっている。敗戦直後、日本はなぜ、どのようにして平和国家へと転じ得たのか。その問いの中心に置かれているのが、マッカーサーによる占領と改革だ。評価は大きく二つに分かれる。一つは、占領政策は成功だったという見方だ。外からの制度改革と、日本社会自身の現実的で冷静な選択が重なり、かつて対外侵略へと突き進んだ帝国は、民主主義と平和を基調とする国家へと変貌した。興味深いのは、日本が「占領された側」であることを、長期的には過度な屈辱として引きずらなかった点だ。屈辱よりも、戦争を終わらせ、社会を立て直すという合理的判断が優先された、と彼らは見る。その一方で、より批判的な視線もある。アメリカの戦後管理は決して徹底したものではなく、その曖昧さが、歴史認識をめぐる未解決の問題を今日まで残した、という指摘だ。改革は成功したが、清算は不十分だった。そんな含みを持つ議論だ。結論は簡単には出ない。ただ一つ確かなのは、日本を「過去の敵」としてではなく、「戦後という実験の対象」として読み直そうとする動きが、中国社会の中に確実に存在しているということだ。日中関係が冷え込む今だからこそ、感情ではなく、思考としての日本研究が続いているという事実は、意外ではなく、やっぱり非常に示唆的なものになっている。