ライバルは「丸亀」「はなまる」にあらず? 「ガスト」などから転換すすむ「資さんうどん」 の絶好調が続く理由
圧倒的な効果で中計も「前倒し達成」へ
ファミレス1店舗当たりの日商は30万~40万円程度とされる。2024年度における、すかいらーくHDの売上高を期末店舗数で割ると、1日当たり35.8万円と算出できる。 一方で報道によると、関東・関西にある資さんうどんの日商は既存ブランドの約3倍であり、八千代の店舗はオープン当初に平均200万円を記録した。両国店がオープンした際に筆者は現地を訪れたが、平日のお昼時に40人以上が並び、店舗側が整理要員を配置するほどの盛況ぶりだった。九州出身の人がなつかしさで訪れたこともあったという。また、M&Aの際にメディアが積極的に取り上げたことも知名度向上につながったのだろう。 Googleマップ上で資さんうどんの店舗口コミを見ると、おおむね星の数が3点台後半であり、3.4前後が相場のガストより高い点が特徴だ。八千代店は3.9で、4を超える店舗もいくつか存在する。口コミは豊富なメニューやうどんの味を評価する意見が多い。 うどん・そば・丼もの・おでんなどを提供する資さんうどんは、うどん店よりも食堂に近い。すかいらーくHDの中でも「藍屋」などの業態は高単価であり、低単価で麺類や丼ものを提供する資さんは「ありそうでなかった」業態といえる。うどんの味は関東風・関西風のいずれとも異なるが、甘味の効いた斬新な味が受けているようだ。資さん効果は業績にも表れており、純利益目標額180億円を2027年12月期に達成するという中期経営計画を、1年前倒しで達成できる可能性があるという。
ロードサイドにも、夜間需要にも強い
すかいらーくHDが資さんうどんに注力するのは、地方の人口減少への対応や既存店同士の“共食い”解消が目的だ。同社は1970年代以降、全国津々浦々にファミレスを出店したが、近年では特定のジャンルに特化した専門店が増え、和洋中なんでも食べられるファミレスのメリットが薄れつつある。すかいらーくHDの中で現在も好調なのは、資さんのほか、しゃぶしゃぶ食べ放題の「しゃぶ葉」など特定の料理をテーマとした店舗が多い。 深夜需要も減少しており、繁華街付近の店舗を除いて深夜営業を取りやめた。サイゼリヤを除き、ファミレス業態は各社とも苦戦している状況である。こうした状況で、すかいらーくHDは資さんうどんへの切り替えを進めている。 回転率の高い資さんうどんは、ファミレスよりもドライバーや職人などの需要が大きいと考えられる。また、瓶ビールなどのアルコールを提供し、24時間営業の店舗も展開するなど、夜間需要にも強い。すかいらーくHDは長年にわたってロードサイドの「一等地」を押さえてきた。資さんうどんは2027年までに210店舗を目標としているが、一等地を生かせるため、目標達成の可能性は高いと考えられる。
著者プロフィール:山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。
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