モンジュロスクスのイメージ(復元(ふくげん)画(が)・菊谷詩子(きくたにうたこ))

桑島化石壁(くわじまかせきかべ)で発見(はっけん)されたモンジュロスクスの鱗状骨(りんじょうこつ)

 約(やく)1億(おく)3千万年前(ぜんまんねんまえ)の中(ちゅう)生(せい)代白亜紀前期(だいはくあきぜんき)に生(い)きていた爬虫類(はちゅうるい)の一(ひと)つ、モンジュロスクスを紹介(しょうかい)しよう。見(み)た目(め)は大(おお)きなトカゲのようで、生態(せいたい)はワニに近(ちか)い。

 全長(ぜんちょう)は30~50センチ。体(からだ)はうろこに覆(おお)われ、手足(てあし)には水(みず)かきがついていたと考(かんが)えられているよ。東(ひがし)アジアの水(みず)辺(べ)で生活(せいかつ)し、魚(さかな)を主食(しゅしょく)としていたようだ。

 1997年(ねん)、白山市桑(はくさんしくわ)島(じま)の桑島化石壁(くわじまかせきかべ)(手取層群(てとりそうぐん)桑(くわ)島層(じまそう)が露出(ろしゅつ)した崖(がけ))で国(こく)内(ない)初(はつ)となるモンジュロスクスの化石(かせき)が見(み)つかったんだ。脊椎(せきつい)の化石(かせき)で、当初(とうしょ)はトカゲのものだと思(おも)われていたんだって。桑島(くわじま)ではこれまでに鱗状骨(りんじょうこつ)(頭骨(とうこつ)の一部(いちぶ))や背骨(せぼね)など四(よっ)つが記録(きろく)されているよ。

 白山市白峰化石調査(はくさんししらみねかせきちょうさ)センター・化石調査員(かせきちょうさいん)の大塚(おおつか)健(けん)斗(と)さんによると、モンジュロスクスは約(やく)1200万(まん)年(ねん)前(まえ)に絶滅(ぜつめつ)した爬虫類(はちゅうるい)の一(いち)大(だい)グループ「コリストデラ類(るい)」に属(ぞく)している。トカゲのような姿(すがた)をしたタイプのほか、首(くび)の長(なが)いタイプ、口(くち)の長(なが)いタイプの3種類(しゅるい)がいたそうだ。

 現在(げんざい)はコリストデラ類(るい)の子孫(しそん)に当(あ)たる生(い)きものは地(ち)球上(きゅうじょう)に存在(そんざい)せず、とても謎(なぞ)が多(おお)い生(い)きものなんだって。桑島化石壁(くわじまかせきかべ)では口(くち)の長(なが)いタイプの化石(かせき)も見(み)つかっていて、岐阜県高山市(ぎふけんたかやまし)の手(て)取層群(とりそうぐん)では首(くび)の長(なが)いタイプの化石(かせき)が発掘(はっくつ)されている。

 つまり手取層群(てとりそうぐん)は全(すべ)てのタイプのコリストデラ類(るい)が見(み)つかっている世界的(せかいてき)にも珍(めずら)しい場所(ばしょ)だそう。大塚(おおつか)さんは「生(い)きものにとって豊(ゆた)かな環境(かんきょう)だったことが分(わ)かる。まだ謎(なぞ)が残(のこ)るコリストデラ類(るい)の多様性(たようせい)や進化(しんか)を知(し)る上(うえ)で、手取層群(てとりそうぐん)の化石(かせき)はとても重要(じゅうよう)なんです」と話(はな)しているよ。

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