日本が研究中のバレルロール回避機動を行う対艦ミサイル「島嶼防衛用新対艦誘導弾」の動画
1月16日に日本防衛省・防衛装備庁の「防衛装備庁技術シンポジウム2025」の特集ページが更新されており、アーカイブ配信及び資料公開を開始しています。その中に「島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究」の資料と動画がありました。この研究は将来の対艦誘導弾(対艦ミサイル)に必要な要素技術を研究開発するもので、これを直接装備化するものではありません。
島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究[PDF資料]
- 高機動化技術(大型主翼で翼面荷重を低減し迎撃の回避機動を行う)
- ステルス化技術
- 長射程化技術(2軸式ターボファンジェットエンジン、大電力発電)
- シーカ技術
- 弾頭技術
- データリンク技術
- モジュール化技術
島嶼防衛用新対艦誘導弾の主翼の面積は大きく、2段階に折り畳む方式です。この大型主翼で翼面荷重を低減し機動性を高めて迎撃の回避機動を行います。なんと驚くべきことにバレルロール(進行方向に対して螺旋を描く動き)を実施します。
バレルロールのイメージ(島嶼防衛用新対艦誘導弾)
最終突入段階でバレルロールを行い迎撃を回避する対艦ミサイルは世界に類を見ません。島嶼防衛用新対艦誘導弾が史上初になるでしょう、実際に動画でバレルロールを実施して見せています。
島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究[英語版]
島嶼防衛用新対艦誘導弾 発射試験 #1
試験日:令和7年(2025年)10月21日(火)
試験場所:航空装備研究所 新島支所
試験機:飛しょう実証用供試体 #1
島嶼防衛用新対艦誘導弾は発射試験においてCIWS回避機動(動画42秒頃)でバレルロールを実施しています。敵艦に搭載されたCIWS(近接防御兵器)の対空機関砲の射撃をこれで回避しながら突入するという、世界に類を見ない機動を行うミサイルです。
島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究[英語版]
XKJ-301-1ターボファンジェットエンジン:誘導武器用に開発された小型ターボファンジェットエンジン(XKJ301)をベースに推力を10kN以上に向上させるとともに、高圧軸と低圧軸の双方に内蔵発電機を搭載することで、発電能力を100kW以上に向上させた大電力発電技術を実現。
なおこの川崎重工のミサイル・ドローン用ターボファンジェットエンジンの技術はドイツが興味を示しており、新型のタウルスNEO巡航ミサイルのエンジンで技術協力を得たいという報道があります。
関連記事:川崎重と独タウルス社、技術協力を検討 巡航ミサイルのエンジンで=関係者:ロイター通信(2025年10月17日)