最期に、
解決してないですが、解決しました。
とりあえずやってみます。
ワイフと何時間も話して、何度も計算し直して、とりあえずもう一度だけチャレンジしてみることにした。対象のオーダーは約150件。26日出荷でお願いすることに。クリスマス商品も含まれるので、全キャンセルされるかもしれないけど、ここで調整しないと先に進めない。
— ナショナルデパート (@nationaldepart) December 22, 2025
対戦よろしくお願いします。
以下は当時のブログです。
ナショナルデパート秀島です。
いま、温かいココアを飲みながらこれを書いています。
冬になると、甘くて温かいココアを飲むのが楽しみで、貧乏だった若いころから、冬になるとココアと牛乳と砂糖だけは切らせたことはありませんでした。いまは仕入れた材料の賞味期限の切れたココアと牛乳と生クリームで作ったものを飲んでいます。賄いココアですね。
実は、ついに死ぬことに決めたので、このnoteを書いています。
死ぬことについての理由は、ご注文いただいた商品の年内の発送ができそうにないからです。発送が遅れたぐらいで死ぬなんて、と思うかもしれませんが、この年内発送には、僕のこれまでの人生のすべて、今の会社を立ち上げてからの20年間のすべての思いが込められていました。
12月4日にリリースした「クリスタルバターサンド│秘宝」のとんでもない数のオーダー、多くの喜びのコメント、Instagramのフォロワーは一瞬で3,000人も増えました。僕はバックオーダーの積み上がりを回避するために、長い時間をかけて製造と発送の計画を立て、その後もいろんな偶然が重なって、年内発送、クリスマス出荷、年末年始の出荷も可能というシミュレーションも立ち、万全を期してゴーサイン。かなりの短時間でヒット商品の芽を生み出すことができました。
しかし、人生というものは分からないものですね。たった10日間の間に僕は天国から地獄へと突き落とされます。やっと報われた!また頑張って仕事できる!そう思った矢先に、いつも通りワイフがミスを連発、致命傷も数件。
そしていま僕は死ぬ準備をしています。
思い返せば2年前、会社の口座には68円しか残っていませんでした。
2年間、僕はヒット商品に恵まれず、かなりの苦境に陥ってしまい、社会のどん底を這いずり回っていました。そしてついに先月差し押さえの通告が。
どうしてここまで追いつめられたのかというと、僕の商売のスタイルにあります。
食品、その中でもスイーツ、そしてECのみというスタイルでは、商品がメディアに取り上げられるかどうかが生命線になります。過去に生み出したヒット商品も、メディア露出がキーとなり、そこから拡散するというスタイルでやってきました。
でも、メディアで取り上げられれば売れる、ということではありません。メディアでの露出はきっかけにすぎません。メディアで取り上げられるということは、時代に合った商品であるということの証左なのです。時代に合った商品、今この瞬間の流行や空気感の5分後の世界、1時間後の世界をスイーツを通して社会に提案するのが、いまの僕の仕事だと思っています。
なので、法人口座に68円しかない状況でも、僕はヒット商品を出すことを目指して仕事をし続けました。すぐに売れそうなものには手を出さず、他人が作った流行にも乗らず、ただただ、オリジナルにこだわり、独自の製法を研究し、流行の5分先の絶好のタイミングで投入するために、商品開発を延々とやり続けた。
そして、奇跡が起こりました。
「クリスタルバターサンド」の誕生です。
ネットメディアもテレビも取り上げてくれませんでしたが、Instagramでバズったりして、初速でかなりの売上。昨年の年商をたった1か月で稼ぐスピードです。
しかし、ここで問題が起こります。
想定以上のオーダーが入ったので、下準備などが間に合わない可能性が出てきました。毎日スプレッドシートとにらめっこしながら製造スケジュールや材料の確保に走り回ります。通常ならこんな苦労はないのですが、どうして大変かというと、現金が全くないからです。ECの売上は月に一回の入金、受けた注文を製造するための材料が手配できない状態。
そして、そのときウルトラCの奇跡が起こります。
ヤマト運輸の送料の支払いが滞っていたため、集荷を停止するという通告が来ました。
ここでひらめいたのは、ヤマトの集荷再開までの時間を製造の準備に充てて、それまでしっかり売り上げを出して、ヤマトへの支払いタイミングで早期出金して、一気に材料調達→製造→発送へ進むという、これまたウルトラC級のプランです。
僕はすぐに製造工程を見直し、材料の調達計画を練り、綿密なスケジュールを立てました。そしてお客様におことわりのメールを送信し、約2週間強の準備期間を得ることができました。これで完璧に回せる。
やっと経営不振から抜け出せる!!
と、
もうみなさん大体想像できると思いますが、ここでワイフが大やらかしをします。
今回のクリスタルバターサンドシリーズ、一目でわかる通り、完全オリジナルです。型もすべて自分たちで内製しています。この型の制作こそがその後の運命を分ける重要なポイントで、ここでしっかりと数をそろえないと絶対に発送は間に合いません。
今回の予定では1バッチ200個になるように調整。準備にかかる日数は延べ4日。
今回の準備期間、前半は完全に準備期間に充て、後半で型作り、仕込みの下準備、本製造の段取りに充てました。
商品の下準備については僕が一人で仕込むので、24時間ぶっ通しで作業して丸3日間かかります。実際、徹夜でやっています。そうしないと終わらないからです。
僕が何日も頭を悩ませて計画を立て、絞りだした何時間、何日間という時間を、ワイフはあっさりと無駄にしました。
実際に何が起きたかというと、延べ4日間を充てていた型作りの日程をワイフが他の作業で全部潰してしまいました。百貨店カタログ向けの製造・出荷という、スケジュールに無い作業を2日間も入れてしまったのです。
スケジュールを決めるとき、毎日のようにワイフと二人でモニターのカレンダーを見ながら打ち合わせをしました。でも、その時、ワイフは一言も予定があるとは言いませんでした。そして型の制作当日になっていきなりバターサンドが無いと言い出し、そしてその翌日には焼菓子を作らないといけないと言い出したのです。
これでジエンド。
スケジュール進行の中で大切なのは、スケジュール決定までにこまかなToDoをさらってすべてを反映させ、漏れが無いようにしておくことで、次に大切なんは、リスケや新たなToDoを差し込む場合は事前に相談して他のスケジュールをキチンと調整するということ。
しかし、ワイフは社会人経験がゼロ。
他の作業よりも、自分が思い出したことを平気でやってしまいます。
結果、スケジュールは3日後ろに倒れ、バッファーとしていた予備日を使い果たし、完全な空手状態で製造スタート当日を迎えることになりました。
型の制作が止まってしまったので、1バッチがたったの40個。
これでは1万個近く受けたオーダーなんて、とてもじゃないけどこなせません。
ここで詰みました。
僕の夢は終わりました。
でもね、ワイフは悪くない。ずっと一緒にいたいと思ってプロポーズして結婚したんだから、ワイフはただ仕事ができない人なだけ。
しかし社会でそれは通じません。ワイフのやらかしは僕の責任。
年内発送希望のお客様への返金額は数百万円になると思います。
冒頭で書いたように、売上金は早期出金して支払いに使っているので返金できる残高はありません。
なので、僕の生命保険で返金します。
どうして僕はヒット商品にこだわり続けるのか、僕は「ヒット商品=お金」とは思っていなくて、ヒット商品を生み出すというのは、時代・社会からの承認だと考えています。
僕は岡山のスタッフに裏切られて以来、他人と接するのを完全にやめました。僕と社会との接点は自分が生み出した商品しかありません。
その僕と社会の唯一の接点である商売を、ワイフが完全に叩き潰したわけです。
今回は生きて見届けることはできませんが、それでもヒット商品の芽は出せたと思います。「こんな商品を作ってくれてありがとう」というDMは10件や20件じゃききません。
過去にもなんどかヒットと呼べる商品を作ってきました。
今回のクリスタルバターサンドは過去イチにクールで素晴らしい出来です。本当に魂をすべて注ぎ込みました。
結果、たくさん買っていただきました。
もう、それだけで十分です。
最期に、夢を見させてくれてありがとう。
秀島
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これはもうしかたないですね