14日の東京株式市場は日経平均株価が続伸し、初めて5万4000円台となった。高市早苗首相が通常国会冒頭の衆院解散を固め、積極財政政策が加速するとの期待から幅広い銘柄に買い注文が入った。年明けは、ベネズエラの資源開発に米国企業が参加するとの期待感から上昇した。今年の株式相場はどうなるか。
これは「高市トレード」だ。高市政権では、責任ある積極財政を行うので、将来への成長の期待がある。株式市場はそれに反応しただけだ。この動きは、高市氏が自民党総裁になったときにも見られた。逆に言えば、それまでの石破政権がいかに将来への希望がなかったかの裏返しだ。
株価がどうなるか分かれば、誰でももうけることができるので、そんなにうまい話はない。だからこそ醍(だい)醐味(ごみ)があるのだろう。ピンポイントで予測するのは無理としても、あてずっぽうより、まともな方法はある。その一つは「理論株価」を算出して参考にするのだ。ただ、自分で計算できない人は他人の話をうのみにするのは危険であることをあらかじめ言っておきたい。
「理論株価」は各種あり、どれを使うか迷うが、将来見通しを含んだモデルでは、成長率と金利の見通しが株価に影響を与える。予想成長率が上がると株価は高くなり、予想金利が上がると株価は安くなる。
予想金利は上がっているが、予想成長率がそれ以上に上がっているので、株価が上昇していると、今の相場は読める。
高市政権では、これまで政府投資が少なかった分野に集中的に投資し、それで民間からの投資も引き出そうとしている。筆者の調べたところでも、過去30年間、G7諸国と比較すると日本の政府投資や民間投資は過小であり、これが日本の低成長の一因であった。高市政権では、それを直そうとしているので、市場が好感を持つのは当然だろう。
今回の高市トレードによる日本の株式市場の上昇は、英米と比較して急すぎるので、過熱しすぎという意見もある。たしかに、過去30年間経験したことのない話なので、面食らっている市場関係者も少なくない。
ただ、素直に株式市場を将来の日本経済の繁栄と見れば、こんなに頼もしいことはない。株式市場は高市政権の総選挙勝利、責任ある積極財政に大いに期待しているのだろう。高市政権が総選挙に勝てば、この勢いは続く。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)