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20代が把握しておいた方がよいことは、単刀直入に言うと、AIの登場によって、かつて日本社会で信じられていた「良い大学に入れば将来は安泰である」という人生の設計図が、完全に賞味期限切れとなったという点。 これまでの世代にとっては、大学受験こそが人生最大の勝負所であり、そこでの勝利は社会的信用と高収入へのパスポートだった。一度その切符を手に入れさえすれば、よほどのことがない限りレールから外れることはない。そう信じて疑わなかったし、実際に社会はそのように設計されていた。 なぜなら、かつての社会では「知識を正確に記憶していること」や「正解を素早く導き出す処理能力」に、莫大な経済的価値があったからだ。複雑な計算や定型的な事務作業をミスなくこなせる人間は、それだけで重宝された。だからこそ、それらの能力を厳密に測定する「受験」は、将来の成功を約束する合理的なシステムとして機能していた。 しかし、生成AIの台頭がこの前提を根底から覆してしまった。多くの人がまだ「AIなんてただの便利なツールだろう」と高をくくっているかもしれないが、現実はもっと残酷な構造変化を起こしている。 冷静に考えてみてほしい。今の受験勉強が子供たちに求めている能力、つまり「大量の知識の暗記」と「パターンの当てはめによる高速処理」は、まさにAIが最も得意とし、人間を遥かに凌駕してしまう領域そのものだ。 厳しい言い方をすれば、私たちが必死になって磨いてきた受験スキルは、社会に出た瞬間に「AIが無料で、一瞬でやってくれる作業」へと価値が暴落してしまったのだ。かつてのエリートの条件だった能力は、今やコモディティ化し、誰でも使える安価な機能になった。 既存の枠組みが崩壊していく2026年以降は、これまで誰も予測できなかった世界が広がっていくように感じる。