果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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言われるほど悪くない
ネットでは評価が分かれているようですが、私としては、言われているほど悪いとは思いませんでした。「物議」の近未来の渋谷のダンスシーンにしても、もともとファンタジーだから、少しくらい時空を超えてもいいのでは。これがドキュメンタリーや、ドキュメンタリー風のフィクションなら問題かもしれませんが、今回はそれに当たらないと思います。
悪役クローディアス王の、都合のいい最期は、「私はあなたを赦すが、しかし神はあなたを罰する」というキリスト教的な(かな)考えではないでしょうか?
ラストも良いと思う。ただ、個人的に欲を言えば、聖君には、一命を取り留めたとかで、生きてほしかったという気もしました。
一応、飽きずに最後まで観れました
あまりにも批判コメントが多いので観るのを躊躇ったが、細田作品は、ほとんど映画館で観てきているので、批判を恐れずに鑑賞。
率直な意見として、批判の嵐にさらされるほど悪くない。かな。
なので作品が、かわいそうになってしまったので、点数もあえて4点にしました。(実際は3点ぐらい)
予告編見たときから、あの暗い雰囲気とか、キャラと合っていない芦田愛菜の起用とか色々不安な部分はあったけど、ほとんど飽きることなく最後までみれた。。
というか深く考えずに、ボーッと見てたら最後まで飽きずに見れたというべきか。。
ただ後から思うと、
レビューで色々指摘のあった、
現代日本での唐突なダンスシーンは、やはり訳が分からなかった。
ユーチューブでも、この映画のここがダメ!みたいなのを鑑賞後に観ると、なるほどなるほど、と頷くことが多かったし、、
なんか分かりにくい所とか矛盾とかが結構あったよなーというような感じでした。
そんな感じで細かいツッコミどころはいっぱいあるけど、「復讐」と「生きる」というテーマで結末に向かって進んでいくのは分かりやすく、そして時々なぜかエロく見えるスカーレットに興奮しました( ̄ー ̄)
スカーレットを応援したくなる
あまりの低評価が気になり自ら確認するため鑑賞。午後のサッカーまでの時間潰しに会員割引の1300円、ハードル低めです。結果ラストでは泣きそうになりました。
強く美しくも復讐心に囚われたスカーレット。解放されて自由に生きてほしい、でも復讐も遂げさせてあげたい、しかし復讐を遂げたあとに何が残るのか。彼女の旅を見届けたい気持ちになりました。
芯の強い聖に救われるスカーレットはアシタカに救われるサンのようでした。ただ聖はアシタカのように背負ったものが描かれないので深くはないです。
歌と踊りのシーンは私がミュージカルを見慣れており耐性があるのでむしろ好きです。スカーレットが未来の人々が幸せに暮らせる世界にと願う動機付けになっています。
声は俳優ではないほうがよいのでは。俳優さんはあくまで顔で売っている人なのでどうしても顔が浮かんでしまいます。非公表ならいいですが(笑)。
過去、未来、死者の国、見果てぬ場所、スカーレットの夢、全て繋がっているのだと感じました。素晴らしい映像のフィクションエンタメアニメとしてお薦めです。
酷評される程では無い
愛と赦しの物語:人間は憎しみと復讐の連鎖を断ち切ることができるのか?
舞台の始まりは16世紀末のデンマーク。叔父クローディアスの策略により父を殺された王女のスカーレットが復讐を遂げようとする。という設定だけでハムレットを下敷きにしたことが明白。(HamletとScarletも韻を踏んでいるし。)
しかし、ここからが独自の展開になる。復讐に失敗したスカーレットは、時空を超えて生と死が入り混じった「死者の国」で目を覚まし、そこで現代日本の看護師である聖(ひじり)と出会う。
弱き者たちから力の強い者が略奪し、それをさらに強い武力を持った者たちが奪い取っていく世の中で、人は人に対して猜疑心と不信感しか抱かない。スカーレットと聖は、様々な人種の弱き老若男女から成るキャラバンに遭遇するが、博愛主義者で非暴力的な平和主義者である聖によって人々の気持ちは次第に懐柔されていく(世界の多くの宗教が広がっていく過程で、教祖が「聖人」として認められる強力な手段の一つが、歩けなかった人が歩けるようになる、見えなかった人が見えるようになる等の奇跡的な「治癒」の逸話であることを思い出せば、彼が看護師であることの意味も自ずと分かってくる)。
そして迎える復讐のとき。スカーレットに起こる変化とは……。
どストレートにキリスト教的な愛と赦しの物語であり、分断と紛争に満ちた現代社会に向けた「人間は憎しみと復讐の連鎖を断ち切ることができるのか?」というメッセージを投げかけている作品だ。
「汝の敵を愛せ」と説くキリスト教の精神がよく表れている一説に、「山上の説教」から取られたマタイ福音書の「われらが人に赦すごとく、われらの罪を赦したまえ」(マタイ6・12)がある。例えば、天国への門の前でクローディアスと対峙するスカーレットの場面でこの一節を思い浮かべてみるといいだろう。
聖書なんて読んだことながないという人なら、多少仏教的な、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を思い出してみるのでもいいかも知れない。
為政者たちが憎悪と分断を煽り、世界各地で紛争が起きている現代だからこそ観るべき作品だと言える。
それでも少女は時をかける
細田守が好きだ。かなり以前からポスターが劇場に掲出され「果てしなき戦いの連鎖」をテーマにした中世ヨーロッパの物語りであることが知らされていた。もう日本の少女が主人公の口当たりの良い設定ではこのテーマは扱えないのだろうと納得しつつ興行的には厳しいであろうことも想像できたがそれは監督も制作スタッフも重々承知だろうしそれでも果敢にこのテーマに挑んだこと自体が素晴らしくストーリーも映像も音響も見事に仕上がっており天晴。「ハムレット」が下敷きであることは公開されてから知ったのだが、私自身が高校1年生の時バスケ部に挫折して図書室に籠って読んでいた思い出が急に蘇りさらに鑑賞の楽しみが増した。ポスターの惹句にあるとおりハムレットの名台詞「生きるべきか。」は「もののけ姫」の宣伝コピーに呼応しており作中でその答えが高らかに謳われていて宮崎駿の正統な後継者が周囲の同調圧力に押されつつある新海誠ではなく細田守であることを示して見せた。「竜とそばかすの姫」で60億稼いだんだよ文句を言われる筋合いはない、やりたいことをやれ!
見た人の心が試される映画
鬼滅の刃とは対極にある映画だと思いました。
1、背景にあまり動きがない(とてつもなく凝ってはいる)
2、説明がほとんどなく、登場人物のちょっとくさいセリフが多い
3、映画を見ながら「これはどういうことなんだろう?」と考えさせられる
など、演劇をとても意識しているつくりかと思いました。映画に1、2、3を求めてない人は受け付けられないだろうなあと思います。
それを差し引いたとしても今の人たちには是非鑑賞してほしいです。感動しても、不快に思っても、今自分の心がこの映画をどう捉えるかで、今の自分の状態がわかるという意味でとても価値があると思います。細田監督はまだまだ観客を信用してるんだなと感じました。
(まあ、そもそもそんなの映画でやるな!と言うのは、なしってことで)
世間の評価に囚われず、自分の目で確かめてきてはいかがですか?
テーマが深すぎてすべっちゃったのかもしれない
まさかの「人間とは?存在とは?」だった
人類がいまだに未到達の普遍的かつ深遠な哲学的宗教的テーマを扱った作品だったので意外だった
というのもCMから単なるスカーレットの敵討ちバトル譚アニメなのかなとばかり思っていたから
自分は小さい頃から「いつか死ぬのに生きてる意味あるのか」ってずっと不思議に思ってたタイプの人間だから監督のこの唐突な深いフェイントwに対して真面目に相対したいと思った
ダンスが神とのコミュニケーションだったり時空を超えた世界で違う人生を見たりという様々な時間軸が同時並行パラレルワールド的に絡まってるのでうまく統一感を出せなかったのかも?そこがチグハグな印象を与えたかも知れないね
このテーマは人を選ぶだろう
深淵を覗く監督に深淵が反応してくれますように
壮大で深く広いから暗すぎる海に乗り出した細田監督においてその答えが結実しますように
私の中でその域に一番近いのはジェームズ・キャメロンだがこのような深いテーマと視点視座持つアニメ監督が日本にいるなんて嬉しいことだ
バトルに明け暮れる脳筋アニメ界が哲学を始めるなんて
この映画を脊髄反射の感情で批判する人達のほうが怖いわ
細田監督の新作なのでチケット予約してから、よせばいいのにいろんなサイトで評判をみたら購入をちょっと後悔しつつ劇場へ
低評価の影響なのか朝2番興行で約8割空席!(目視で)あまりの館内状況に凹みながら鑑賞そして感想
巷間言われるほど悪い脚本では無いし映像もきれいしスペクタクルやまぁまぁの感動もあるしの作品ではないかな
そりゃツッコミどころはあるし冗長なシーンもあるがどんな映画でもあるしね
何ゆえの先鋭的な批評が続くのかちょっと考えてみたが、観た人はきっとこう思う
えっまさか細田監督のいつもの脳天気なアニメではない!えっこれは重いしよくわからんわ
等と鑑賞脳が思考停止になってただ映像を追って見てるだけならあの超批判も頷くわ
予告編とか観てたら、これは王弟の兄王への謀殺と簒奪・民の圧政と近隣国への侵略のセットからの王女が叔父を討つ復讐お話
これは刺さる人と刺さらない人の2極化が発生するかな
刺さる人の母数が少なく満足しているのであまり声高に発信しないが刺さらない人には大声出して面白くないのでお金と時間を返せとなり難癖をつけ始める あとヒロインの声についても それは同意かな 歌はうまいが
持っていき様では日本人の好きな忠臣蔵チックか水戸黄門チックな展開(勧善懲悪)を皆期待するけど、全然思っているのと違うやんとなり皆さんが言う脚本が悪いという批判で出る
舞台が北欧だし陰鬱な雰囲気とギリシャ神話やシェークスピア劇のような悲劇的そして重いテーマが出てくると脊髄反射で感情のまま否定の方向に走るのでしょう
まぁ日本人にとってシェークスピアなんか熟読しませんよね(当家比)
この映画の悲劇の二重構造が見えないとぜんぜん面白く無いし最果ての門あたりのイベントでのスカーレットの躊躇が理解できないとヒロインが弱いとなるつまり台無しとなる
悪役弟の名前がクローディアス!この名前がハムレットに関連付けされているに気づけば
監督の意図がわかってあのよくわからなかった世界がパッとよく分かるようになる
二重の悲劇とは不死の国へ転移して叔父を討つ運命とそれから解放されたい自分の運命のせめぎ合いをハムレットの心境で聖と共にスカーレットは最果ての門へ進んでいく
聖はしがらみのない世界からの単なる外圧役 故にダンスシーンにつながる(要るかな?)
異世界なんでヒロインを助けるドラゴンもいます(謀殺された王様の化身かと思った)
監督が提示した今回の映画の世界観に合う合わない人はチャットGPTに言わせると
『批判的な人は“娯楽モード”で観ていることが多い
象徴劇・悲劇は、本来 “ゆっくり咀嚼する前提” で鑑賞するタイプの作品です。』
『ところが今の観客の多くは
展開が早い映画
分かりやすい伏線回収
勝者/敗者がハッキリする物語
主人公が論理的に勝つ話
こういった“娯楽の文法”に慣れています。』
『この映画の悲劇・寓話・神話的映画を理解できるかどうかは、鑑賞経験の積み重ねで決まるからです。
読み取れる人は、単にその土台がある。
読み取れない人は、そこに触れた経験が少ないだけ。
料理で例えると:
スパイス料理に慣れていない人に、
いきなり本場の重いカレーを出したようなもの。
辛すぎて「まずい!」となるが、それは舌の成熟度や文化圏の違いであって、「**舌」ではない。』
そうかな?リンゴとハチミツのカレーを好む人は決してスパイスカレーには出さないだろう
スパイスカレーを食べる人はリンゴとハチミツのカレーも食べるが
色々理由をつけてスパイスカレーを勧める人を批判すると思う
この映画のように (面白いのに)
To be or not to be
予告編の聖さんの綺麗事に?を感じつつ公開を待っていたが、次はSNSの悪評が。ここまで評判が悪いと、怖いもの見たさ半分で投げ銭鑑賞。
・・・なんだ、そこまで悪くないじゃん。
制作時間の関係か、実写合成の処理に乱暴なところや、人物像や動きの生硬さ、現代パートへのしょぼいエフェクト、また全体的に甘々な人間観や死生観などのれないところはちょいちょいあった。
そもそも異世界ものが初見の人には、お話自体がご都合主義的に感じて、ダメな人もいるだろう。
写実的な観点から気になる点も多い(髪の毛はあんな綺麗に切れないだろとか)。
しかし、シェークスピア知らんからやろとか腐すほどの解釈の難しさはない。
論理的な支離滅裂を言うなら、M御大を含むファンタジーの筋運びの論理性もそうだが、そもそも映画というジャンルにあまり強くそういうツッコミ入れるのはヤボではなかろうか。
予告編で気になっていた聖さんの青さも一応は回収されたと見ました。サーバント王女宣言には苦笑したし、滑ってると思うが、これも時代性だろう。
大オススメでもないが、監督が書きたい部分を、自分とは違う感情・感性を楽しみながら見れば、筋運び云々は片目をつぶって鑑賞できました。
このインフレのご時世、たかだが1000数百円、監督や演者の頑張りを楽しむ鑑賞者としては、2時間のエンタメとして楽しい映画でした。
細田さん、頑張って👍
悪でも許せ。強いメッセージを感じる力作
悪でも許せ。戦争を止めるために。
恨みの連鎖を止めろ。今、戦争を止めるために。
そんなメッセージがバシバシ響いてくる作品でした。ありがとう。
16世紀のデンマークと、未来の渋谷。
それぞれが死者の国にたどり着き、死者の国は治安は悪いが、各国からの人々がキャラバンを組んで移動している多文化共生の場所で。盗賊はいるが、天罰を与える神のような存在もいる。
この時代に出したかったメッセージを受け止めました。ありがとう、前へ。
ただ面白くないと片付けられない映画
ウィリアム・シェイクスピアの悲劇『ハムレット』や黒澤明の晩年作品『夢』に触れてこなかった40代男性です。
この作品に込められた監督のメッセージ性を一言「面白くない」「理解できなかった」と片付けるにはもったいと感じました。
ただ細田守のこのタイミングで作らなければいけない解説が欲しいと感じました。
夢の話なのかな?
細田守監督の作品で好きなものはあまりない。
多分、彼とは価値観が合わない。
時をかける少女もサマーウォーズも響かなかった。
ただ、バケモノの子はお気に入りの作品の一つで、最後の戦いのシーンは泣けた。父の子(血が繋がっていない)に対する熱い想いに涙した。ツッコミどころは多いが、あのシーン1つですべてOKになった。
今作はツッコミどころが多彩でかなりストーリーも支離滅裂である。酷評なのも分かる。
ラストの叔父との対話も酷い。
なのに、心に響いた。
父が最後に遺したという「ゆるせ」という言葉。
スカーレットは何もかもが思うようにいかないどころか一度、叔父を赦そうとした気持ちすら踏みにじられ心を乱す。
なんでこんなことに?!復讐すべきと思い込み、元凶の叔父を責めてきた。その為、全て復讐に捧げてきたつもりでいた。
そして、遂に父の遺言であったはずの『叔父を赦せ』ということも裏切られた。
自分のしてきたことは全て間違っていたということなのか?
どうすべきだというのか?
まさに"To be.or not to be"。
そこで彼女が行き着いた心の結論とは
「自分を赦せ」
だった。ここに行き着くシーンは心に響いた。
最後の最後でこの作品を観た意味があった。
結局、『死後の国』はスカーレットが毒で生死を彷徨い、その狭間でみた夢だった。
と、私は解釈した。これだと意味が分かる。
死後の国は時代も国も混ざった世界である割にはスカーレットの想像の範囲の世界だった。
そして、高熱にうなされているときに見るような支離滅裂な世界だった。
あれ?なんで急にこんなことになってんの?という。でも、夢を見ているときはその支離滅裂には気づかない。
この、果てしなきスカーレットは復讐に取り憑かれ、死にかけた意識の混濁のなかで、彼女の心の葛藤を自らが克服するために巡った、心の旅路なのだろう。
ただ、スカーレットの死にかけた魂が、本当の意味で時代を超えた亡くなったばかりの日本人の聖の魂と邂逅したのはこのストーリーの中での事実でもある。
だから死後の世界といえば、死後の世界であり、とはいえ、スカーレットの意識の世界ともいえる話なのだと思う。
まあ、めちゃくちゃ自分の中でこの話を正当化しているわけだが、それもまた私の中にあるものが「果てしなきスカーレットはそんなに悪くない。」という結論を出した。1つの印象的なシーンがこの作品をすべてOKとした。
ゆるした。
この作品を赦します。この作品を良いと感じた自分も赦したいと思います。
そう思うと、鑑賞後は優しくなれた気がする。
対立と分断の時代へのメッセージ、そして自分を大切にして生きろ!
前作『竜とそばかすの姫』ほどではなかったけれど、面白かったし、感動もしました。
巨大スクリーンで鑑賞したので、とても迫力があった。めくるめく物語世界にトリップし満喫させてもらいました。
本作についてざっくりいうと、対立と分断のこの時代に細田さんが放ったメッセージ、ということになるのかな? そして、(たとえどんなにつらい境遇にあったとしても)「生きろ!」「自分を大切にして」というメッセージも監督が是非とも伝えたかったことなのでしょう。
ただ、我々の実生活や現実社会に根差したシーンが少なく、作品が抽象的・観念的ともいえる色彩を帯びているので、いくぶん内容を咀嚼するのが難しかったです。それから、ちょっと教訓めいたところが前に出てきているのではないかという気もしました。
それにしても最近のアニメの作画技術ってすごいなぁ。格闘シーンや戦闘シーンの動きとか本当にすごい。僕も絵を描くからわかるけど、人物なんかあれだけのものを表現しようとすると、骨格や筋肉の構造をしっかりと理解していないといけないだろうし、この視点からはこう見えるということも熟知していないと描けないでしょう。いや、参りました。
でも、どうなんだろう。背景をあれだけリアルに表現する必要があるのかと思ったりもしたけれど、第一線のプロにそんないちゃもんつけても仕方ないですね。
あと、前作に続いて、今回の作品も声優陣の豪華さに驚きましたが、芦田愛菜さんは、ちょっとスカーレットのイメージじゃないような……。愛菜さんはどちらかというと「まるい」、すなわち穏やかな、やわらかい感じがします。復讐に燃える王女スカーレットは、もう少しシャープでキツイ印象の、そうだなぁ……今田美桜さんあたりがよかったのではないか。これまたここでそんなこといっても仕方がないけどね。
ところで、今回、本作を大シアターで鑑賞したのですが、観客は僕を入れて5、6人しかいなかった。なんでかな? わるくない作品なのになぁ。
まだ観てない人は、こんどの休みに『果てしなきスカーレット』を観に行こう!!
(大画面で観てね♡)
常世とは別の世界の話として受け止め矛盾とか気にはしませんでした
逆転の『ハムレット』、ヒロインとしてのスカーレット、アニメの美しさ
事前に酷評も含めてレビューを読んで身構えていたが、そこまで言うほどではないというのが率直な感想。
映画としては言いたいことは割とシンプルで、舞台設定などの世界観はちょっと変だが、映画のスペクタクルとして見せたいシーンなどは映像が美しく、セリフよりも絵や動き、表情でドラマチックに見せる演出は見ごたえあった。キャラはスカーレットと聖以外は薄っぺらいかもしれないが、テーマ的にはこれで良いのではないかと感じた。(ただモブシーンなどは少し雑に見えるのは事実だがこれも本筋ではない)
世界観は、単純にシェイクスピアのハムレットの復讐を逆さにしている。オリジナルでは殺された王がハムレット(スカーレット)に復讐を訴えるが、スカーレットの王アムレットは、最後に亡霊として復讐をやめることを訴える。ハムレットは復讐を果たして死ぬが、スカーレットは復讐を果たしたうえで生き返る。
オリジナルのハムレットは、最初から復讐心もあるのに、直接クローディアスではなく、復讐のために狂気をよそおってまわりのポローニアスやオフィーリアを死においやるが、なかなか直接復讐することをしない。このあたり、TSエリオットがいうように、劇としてはハムレットの内面的な悩みが、復讐相手という直接的な対象を超えたものになっており、ひどく内向的にこもりきっているように見えるのだ。
スカーレットでは、復讐にたどりつけないのは死後の世界でクローディアスと隔たれた荒野のせいであるが、直接クローディアスに怒りをぶつけられない代わりに、「いい子ちゃんの」聖をなじったり(この点はオフィーリアを罵るハムレットのようだ)、盗賊やコーネリアス、ヴォルティマンド(この二人はハムレットでは隣国ノルウェーが攻めてくるかもしれないという脅威に派遣される使節である)と争ったりしている。ただスカーレットの狂気(復讐心)は、ハムレットと同様に、自分を狂気へと縛るものでしかないこと、死(復讐)だけが救いであること、などが聖のキャラクターの存在によって、変わっていくさまが特長的だ。
スカーレットは主人公らしく、最初から最後までアニメーションとしては魅力的だ。芦田愛菜も叫んだり泣いたり歌ったりしてスカーレットの落差の大きい感情や熱意や絶望を演じている。聖は必要以上にリアルではなく、シンボル的な良心であり、ふさわしい美男子だが、血にまみれたヒロインへの癒しとしてはこのような非現実的なキャラが必要のように思った。
最後にアニメーションとしては風景が美しく、なるべく監督は死後の世界を、ハムレットの翻案ではなく、現実の一部として見えるようにしたかったのではないだろうか。砂漠だけでなく雷や溶岩、海の美しさなどは、美しいだけでなく非情な冷たい風景でもある。またフラや踊り、隊商の老人たちなどはこれだけでも世界紀行の一部のようだ。(関係ないが、未来で踊る聖とスカーレットの背景となる渋谷駅は、「将来こんな駅になるのかな」と素直に思った)
そして予定調和のように雷を落として現れる武器のあちこちに刺さった大きな竜、人々が昔の武器で争う姿などは人間の「戦争の歴史」を見せたかったようだ。これらも映画としてみればスペクタクルだが、逃れられない過去と未来の現実を暗示しているようにも思える。スカーレットの表情はさわやかだが、人間の問題はまだまだ解決にはほど遠い。
暗い世界観の中に光る確かな魅力、観て気づいた本当の価値
この作品に興味を持って観賞しようと思った点は、二つあります。
一つは、上映回数が「鬼滅の刃」並みに多いにもかかわらず、
内容や評判がほとんど聞こえてこなかったこと。
もう一つは、その上映回数の多さに比べて、当サイトでの評価が
あまりよくなかったことです。
上映回数は通常の約2倍ほどあり、とても大型の作品であることがうかがえました。
それなのに、事前にほとんど情報が入ってこず、不思議に感じていました。
一方作品の評価点数は、多くの人が観れば平均評価が下がりやすい傾向もありますので
(例外はありますが)、
今回は評価に引っ張られず、自分の目で確かめたいと思って観賞することにしました。
実際に映画を観てまず思ったのは、評判に左右されず素直な気持ちで向き合えば、
とても面白い作品だということです。
作品の世界観は明るいものではありませんが、設定や空気感に一貫性があり、
“この作品の世界はこういうものだ”と自然に納得できる説得力がありました。
そのため、観ている最中に違和感が生じず、物語へ集中しやすかったです。
また、キャラクターの感情描写が丁寧で、登場人物たちの抱える想いや
葛藤が観ているだけでわかっていく感覚がありました。
派手さで押す作品ではありませんが、そのぶん、観賞後にじんわりと余韻が残り、
物語のテーマについて考えたくなる深さがあります。
この“静かな面白さ”が、この作品の大きな魅力だと思います。
ただ、物語の基調が暗めであるため、人によっては気分が重く感じる
可能性もあります。
そこが評価の分かれ目になっているのかもしれません。
終盤に差しかかった頃、主人公の声に聞き覚えがあることに気づきました。
しばらく思い出せなかったのですが、エンドロールで答え合わせをして、
芦田愛菜さんだとわかりました。
有名人が声優を務める場合は上手い・下手がはっきり出ることがありますが、
今回は最後まで気づかないほど自然で、とても上手だったと思います。
ほかにも有名俳優が多数出演していることがエンドロールでわかりましたが、
いずれも違和感なく役に溶け込んでおり、さすがだと感じました。
総じて、事前の評判だけではわからない“深さ”や“余韻”を持った良作であり、
自分の目で観る価値のある作品だったと思います。
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