見出し画像

「このおっぱいじゃ一人暮らし無理でしょ」が登場するAVを特定しました

インターネットと都市伝説

まことしやかに語り継がれてきた謎が解明される。伝承であったり、歴史であったり、あるいは事件事故であったり。謎の解明はあまりに奇跡的であるとさえ思う。だから人はミステリーが好きなのだ。しっかりと謎が解明されていく奇跡がそこにある。

このインターネットの世界には、ごく一部で連綿と語り継がれているミステリーがある。

真贋すら不明なそれらはインターネット特有の進化を有しながら人から人へ語り継がれている。それは新時代の都市伝説、インターネット都市伝説ともいえるだろう。

画像

多くの一般人がインターネットを利用するようになってずいぶんと長い年月が経過した。それらは独自の文化を形成しつつあるし、一つの社会を成しているとまで言える。

社会が形成されるということは、そこに歴史が積み重ねられることであり、その歴史の傍らには、歴史として語られるまでには至らなかった無数の事象が存在する。

僕がインターネットを始めた頃、それは新しい世界の幕開けだった。それから30余年あまり経過し、積み重ねられた歴史は、正当な歴史に限らず、ごくごく細部、枝葉のようなところまで語られるまでになった。この世界が成熟してきた証左といえよう。

インターネットの書き込みに端を発する「きさらぎ駅」は、そういったインターネットの情報の歴史を見た際に大きな転換点だったといえよう。

口裂け女、トイレの花子さんなどに代表される伝統的な都市伝説からインターネット都市伝説へ継承された例といえるだろう。

ここでは、この種の都市伝説が語られることになった「場」に注目していきたい。

「きさらぎ駅」では有象無象が集結する匿名掲示板が語りの舞台となっている。これは情報の伝搬の歴史においても大きな転換点といえる。

都市伝説と匿名掲示板はとても相性が良いもので、なんとなく謎めいた雰囲気、正体不明の情報源、真贋不明という危うさ、が微妙にマッチするものだ。

人から人へと伝えられていた都市伝説が匿名掲示板を「場」として進化を遂げた。それは新しい化学変化を起こしうると言えるだろう。

さて、前置きが長くなってしまったが、そういった匿名掲示板を「場」として語り継がれていた都市伝説だが、「きさらぎ駅」ほど有名ではないものの、いくつかの都市伝説が生まれている。

コトリバコや杉沢村伝説などがその代表例といえるだろう。インターネットで語られ、それ以外の場所へと飛び出していった。

これらの「インターネットを場として語られることになった都市伝説」には大きな特徴がある。それは情報が蓄積しやすいという点だろう。また、それによって検証や考察も行いやすいのだ。

例えば口裂け女やトイレの花子さんにおいて本当の本当の真相が明かされることは少ない。それは情報が少ないからだ。残っていないと言い換えてもいい。

これらのレベルになると情報が古すぎて、昭和の新聞記事などの情報を当たるしかない。限られた情報であり、入手も難しい。当時のことを知る人も少ない。結果、真相に至ることが困難となる。

しかしながら、インターネット時代の都市伝説の場合は、古い時代まで遡ることが多くはない。インターネットは多くの情報をアーカイブ的に蓄積していく機能があるし、そもそもインターネットの歴史自体もそこまで古くはない。

それらの情報はときに都市伝説の真相を詳らかに明らかにすることがある。時にはマニアックな個人の知識が、ときには集合知が、ときには神のイタズラとしか思えない偶然が、語り継がれてきた都市伝説を鮮明に解決する。それはあまりに奇跡的だ。

じつはそれこそがインターネット時代の都市伝説の魅力だ。謎めいたものの謎が解明される。これは僕らの心を大きく弾ませる。

あの日、当時の子どもたちが本当に恐怖した口裂け女やトイレの花子さんなどの謎が解明されると思うとワクワクするだろう。それと同じことがインターネットでは起こりやすいのだ。

飯盒炊爨AV(実際に解明された都市伝説)

これまでに何度も起こっているインターネット都市伝説の解決、その最たる例が「飯盒炊爨AV」だろう。

これは2008年に行われた某匿名掲示板の書き込みに端を発する都市伝説だ。

2 : 粟米條(長屋):2008/08/02(土) 15:13:42.61 ID:vjvWOc5M0

以前借りたAV、野外乱交モノで女3人と男優3人が川原でキャンプしながら乱交っつーやつなんだけど、女の子が「そろそろ飯盒炊爨やろー」とか言ったときに男優陣が、

「すいさん?なにそれw 飯ごう炊飯だろーww」って言って、ご丁寧にテロップも↓みたいに出て

×すいさん?
○炊飯

すげぇ笑いものにされてて、女の子も
「そうだっけ?間違えちゃったーw」みたいに言っていた。で、そこからその子はおバカキャラ扱い。

そのあと、あたりまえだがその女の子も男優にガンガン突かれてアヘアヘ言ってたんだが、

なんだが悲しくなってしまったよ。
きちんとした知識を持っていた女の子が、こんなバカな男優や製作陣に素っ裸にされてケツにガンガンチンコを出し入れされてるのを見てさ。

インターネット掲示板「2ちゃんねる」「ニュース速報」

なかなかしっかりとしたエピソードだし、構成がよい。そしてなにより面白い。秀逸な書き込みと言えるだろう。

本来、飯盒炊爨が正確な言葉で、ご飯を炊くだけでなく飯盒を使って行う様々な料理を指す言葉だった。そこからご飯を炊く炊飯のイメージだけが先行して飯盒炊飯と独自の進化を遂げた言葉だ。つまり、女の子が放った飯盒炊爨のほうが完全に正しかったわけだ。

こういった「本当は合っているのに周囲の無知ゆえに恥をかいた風になってしまうシチュエーション」に覚えがあるのか、多くの人々が共感を覚え「なんだか悲しい」「こういうことある」と悲しい感想が続いた。

さらには、この出来事がAVで行われたものという事情から多くの人々の興味を惹き、この書き込みは一気に定番コピペと進化していった。あちこちに掲示板に書き込まれたのだ。

そして、自分が正しいのに周囲の無知ゆえに正しくない扱をされる、そんなシチュエーションを総称して「飯盒炊爨AV」とまで言われるようになったのである。

それと同時に「本当にこのAVは存在するのか」という点が議論の対象となった。はやい話、上記の書き込みがよくできた創作で、そんなAVはこの世に存在しない可能性があるわけだ。ネットユーザーの心配はそこに集中した。

2008年当時の匿名掲示板の住人は現在よりも「釣り」に対して敏感だった。存在しないものや作られた虚像に対して本気で取り組む状態を「釣られた」として呼称し、もっとも恥ずべきことと認識していた。ネタにマジレスみたいな状態を嫌ったのだ。

つまり、この秀逸な書き込み、それ自体は面白いのだけど、本当に「飯盒炊爨AV」なるものは存在するのか、もしそれ存在しないのなら盛大に釣られたことになる。それだけは避けたい。そこが最大の争点となった。

多くのインターネット民がこの飯盒炊爨AVの原典を探したのだけど見つかることはなかった。本当に見つからなかった。もはやこのAVは存在しないんじゃないかとの見解で落ち着きつつあるほどだ見つからなかった。

これは個人的な見解の域を出ないのだけど、ことAVに関しては異様に特定力が高いマニアが多く存在する。凄まじい特定力を持ったマニアが魑魅魍魎のごとく蠢いている。それが俺たちが住むAVマニア界だ。

例えば、素人ですみたいな顔して出てくるAV女優を特定したり、撮影場所を特定したり、ネットに張られたワンシーンの画像から作品を特定したり、一瞬だけ映ったコンロを特定したり、「またこれ?」と言われるくらいの特定力を発揮する、それがAVマニアだ。

個人的には、ことAVに関してはそのAVマニアたちが必死に探して見つからないものはない、くらいに感じている。万物に精通している彼らが見つけられない。それは存在しないのと同じことなのだ。

だから、この飯盒炊爨AVも本当のところは存在しないんじゃないか、そういった考えが蔓延し始めた。。

実はこの感覚をけっこう正しくて、実際に飯盒炊爨AVが特定された経緯を見ていくと、見つからなかった理由がよくわかる。

ではどうやって特定されたか見ていこう。

飯盒炊爨AVはいかにして特定されたか

この飯盒炊爨AVの書き込みが2008年に成され、定番コピペとしてインターネットの海を漂いはじめて15年が経過した2023年。事態が大きく動いた。

YouTuberのTHEつぶろ氏によって以下の動画が公開されたのだ。

後味の悪いコピペを紹介するというスタイルで出された動画だけれども、その動画につけられたコメントという形で衝撃的な情報がもたらされる。

詳細は動画のコメント欄を見てもらえれば分かると思うけど、要約すると

「このコピペは自分の知っているものと違うと思い、調べてみたら原型ともいえる書き込みがあった。これより古い2007年のものだ」

というものだ。つまり出回ってるコピペは起源ではない、というものだ。

これがインターネット都市伝説の最大の特徴だ。事象に関する情報が残っていてそれを見つけやすいし、独自の記憶や情報を持っている集合知的なものが発揮されやすい。

このコメント主が思い出して見つけた、コピペより古く、原典とも思われる2007年の書き込みが以下となる。

:2007/12/19(水) 01:43:07.05 id:to6291OL0

スレとは関係ないんだけどさ、昨日AV借りてみたんだよ。企画モノレベルのAV女優3人が無理矢理セーラー服きて、同じく無理矢理学ランきた男優陣と林間学校に行くってよくあるパターンのシチュやつ。

でさ、そのAV女優が冒頭で「どんなことやるの?飯盒炊爨とか?」って言ったんだよ。そしたら男優陣が「すいさんってなんだよwwすいはんだろww」って突っ込んで笑ってんの。

女優の方も「そっかーww間違えちゃったww」とか言って笑ってんの。で、製作者も画面下部に字幕で「飯盒水産…× 飯盒炊飯…○」とか出しちゃってんの。で、結局AVだから後で女はバコバコはめられちゃうわけ。飯盒炊爨を知っていた女が、水産ってなんだよwwって笑っていた男にバコバコやられちゃって、バカなスタッフに囲まれて、女も「キモチいいぃ〜」とか言ってんの。俺、なんかわからないけど泣いたよ。

インターネット掲示板「2ちゃんねる」「ニュース速報」

これは個人的感想なのだけど、こちらの起源の方が文章として良い。簡潔だし勢いがある。特に最後の締めがいい。なんとも切ない余韻を残す締めになっている。かなりセンスがある書き手だと思う。

この2007年の書き込みをもとに誰かがアレンジを施し、2008年に書き込みがなされた。それがコピペとして一斉に広がったのである。

ここで最大限に注目すべきは、2008年のコピペでは「川原でキャンプしながら乱交」と書かれていたシチュエーションが、2007年の起源では「林間学校」となっている点だ。

2008年のアレンジ主が何を考えて「林間学校」を「河原で乱交」に書き換えたのかは不明だけど「林間学校」と「河原で乱交」じゃあまりに事情が違いすぎる。ちょっと韻を踏んでる感じはあるけどあまりに違いすぎる。

AVマニアたちはコピペとして拡散された改変後の書き込みしか見ていないので「野外もの」「露出もの」「乱交もの」「キャンプもの」みたいなジャンルからの特定を試みている。だから見つからなかったのだ。

そして、起源の書き込みが発掘されたことにより「林間学校」をキーワードにして捜索が行われ、発見されるに至った。

コピペに登場するAVが15年越しに特定されたのである。そう、飯盒炊爨AVは実在したのだ。

まさにインターネット都市伝説が解明された瞬間である。

もう一つの都市伝説AV

さて、こうして一つの都市伝説が特定されたわけだが、インターネットの世界には飯盒炊爨AVと並び「そもそもの原典となるAVは存在するのか?」と語り継がれ、実在性が疑われている都市伝説AVが存在する。

それが、

ここから先は

9,668字

過酷な旅記事を掲載していたサイトの更新停止により過酷な旅記事の取材ができなくなったpatoを過酷な旅…

上位ATプラン

¥500 / 月

特化ゾーン

¥1,000 / 月

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?

ピックアップされています

マガジン2

  • 5,707本

購入者のコメント

コメントするには、 ログイン または 会員登録 をお願いします。
「このおっぱいじゃ一人暮らし無理でしょ」が登場するAVを特定しました|pato
word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word

mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1