『今年の東京女子タッグトーナメント予想』

『今年の東京女子タッグトーナメント予想 2』

ちょっととりあえずまずは先に、予想したからには答え合わせ。

タッグトーナメントの優勝は予想通りワントゥーミリオンとなったけど、ドヤ顔する気はまったくない。優勝予想は当たってたが、根拠が半分外れた、つまりトーナメント表の右側の予想が大ハズレだったことの説明がいまだにつけられないから。(それに決勝戦も25分超えの試合だったとのことで(現代のプロレスでこれはかなり長い試合時間だったといえるだろう)意外だった。イコール本当に享楽共鳴が優勝したくて相当頑張った!?)

 

1コ追記しときたいのは長野じゅりあについて。

長野が準決勝で実は結構大ケガしていながら戦っていた事実。意外に骨があったというか、俺は長野を過小評価しすぎてたのかもしれない。

そして大ケガとなると長野がプロレス続けるかどうか危惧されるところだが、全治3ヵ月でも復帰する意欲を発言しているので一安心。

長野はやはり長い目で見守る必要があるのかもしれない。意外に根性がありそうという。若手の筆頭の鈴芽に追いつけそうな。鈴芽が根性あることは前々からハッキリしてるが、今回これでホントに長野が帰還したなら長野のメンタルもかなり期待できる。

 

あ、それと渡辺未詩の2/18のIPタイトル戦は無事防衛。そして有明でのIPタイトル戦に挑戦することになったのは辰巳リカ! やはりアキバトーナメントは布石だったか?

そしてこれで白昼夢は2人とも後半の注目カードに食い込んだ。

となると前半に組まれるはずないであろう初期メンで有明のカードが決まってないのは中島のみとなった。この東京女子10周年の最大のビッグマッチ有明でタイトル戦に食い込みたかったからこそ、それもミサヲと共に、だから享楽はなんとしても優勝したかったのだろうか…?

 

 

 

…で 今年のタッグリーグはミリオン優勝で幕を閉じたが、優勝後のミリオンを見てて、やっぱプロレスは長く観てるとホント楽しめるよなぁと思ったのだった。

プロレスの面白さというのは次々新作求めるような一過性のコンテンツ・消費物ではなく、点と点が線になってく、あるいはヒストリーが深い味わいをもたらす…単純じゃないんである。純格闘技は勝ち負けだけが全てであり、後に残るのは言っちゃなんだが記録だけだが、プロレスは人生ヒストリーであり、大河ドラマなんである。

優勝直後のミリオンの発言・やり取りがふるってた。

リング上でのマイク、伊藤の涙の優勝コメントの後に伊藤の涙をサーッと引かせる山下の「オマエは最高のビジネスパートナー」発言、それに対する伊藤の「オマエさぁ、辞書ひいた? ビジネスの意味違うっつってんだろ」「前置き気にし過ぎ」「おめェがビジネスパートナーっつったんだろッ!」

(この時の模様はYouTubeの東京女子公式チャンネルがアップしてる動画『なんでまた言い合うの!? “らしさ”は全開です。同等の愛を与え合えるようになるにはどうしたら...【121000000】』で見れる。)

その後のバックステージコメントで、リング上で即興でやった締めのコールをマスコミ陣にも振るが誰も応じず、2人でキレてマスコミを罵倒する(笑)

(この時の模様は東京女子の公式ツイッターにアップされてる。)

これは2人のヒストリーを知らずに見たのと知ってて見るのとでは味わい度が全然違う。まぁ知らずに見ても面白いは面白いで笑えるんだけど、知ってると可笑しくて笑うだけじゃなく、しみじみ微笑ましくて笑顔になれる。

 

どこぞの団体は短期意識で今しかないから流れもヒストリーもなく、後先考えないその時の思いつきみてェな適当で雑なことばっかやってブツ切りの連続で流れというものがまったくないからつまんねーし後年まったく残んないシロモノなんだけど、東京女子はちゃんと連綿と続いてる。

だからまずこの日のバックステージコメントはその前の優勝直後のリング上でのマイクと繋がってるけど、で、これは1/15の試合後バックステージコメントでの山下の「ビジネスライク」発言に遡る。

(後日2/1発売の週プロ、2.15 No.2228がこの山下の発言をさらに深堀り、山下に直撃インタビューしている)。

 

あと山下がリング上マイクで言った「昨日はなんだっけ?“オマエの馬鹿は補うから伊藤がピンチの時は蹴り倒してくれ”って、なんかたまにのそういうズルいよね」は発言通り2/10の伊藤のツイートのことを言っている。

 

で、1/15の試合後バックステージコメントでは伊藤が励ましのラインをくれたことにも山下が言及しているが、これは1.4後楽園で山下がケガしたことに遡る(坂崎とのタイトルマッチの激闘で、山下が場外転落した際のケガ)。

伊藤はこの日1/15の試合後のリング上のマイクでも山下に大丈夫なの?と言及してファンの心配を代弁し、山下からファンを安心させる本人コメントを引き出している。

 

ワントゥーミリオンというのはそもそもは美威獅鬼軍と戦う為に組んだのが発端だったと思う。

2021年の1/16に美威獅鬼軍と1vs2でやってやるとぶっカマした伊藤がバックステージコメント時にマスコミからホントに1vs2でやるのか?と聞かれ、

控室でグミ食ってた山下を連れ出してきて「伊藤麻希1人で敵わなくても、コイツがいれば大丈夫だろう」と言い放ったところから2人のタッグがスタートしたと俺は記憶している。初期メンあとの3人(中島、坂崎、リカ)にはそれぞれタッグパートナーがいるが山下には特定のパートナーがおらず、伊藤にもいなかったんだけど、この時は一過性のネタかと思ってたら、ここから2人はその後もタッグパートナーとなっていくことになる。

 

で、さらに遡ってさ、山下は伊藤のデビュー戦の相手を務めてるんだよね。山下>伊藤だよ立場としては完全に。

ところが伊藤はデビュー戦のリング上、ゴング鳴る直前に(当時入場時にダンスしてた山下に)「山下!(←いきなり先輩呼び捨て!) 踊りのキレがねェな!」と言い放っている。(これは伊藤のキャラが元からそうだからでもあるんだけど。伊藤がプロレスと初めて関わったのは2013年のDDT(東京女子はDDTの女子部的に設立された団体である)の両国大会で社長兼レスラーの高木に中指立ててヘッドバット カマした時で、伊藤はプロレスラーになる前から傍若無人というか唯我独尊なキャラだった。)

 

山下と伊藤がタッグ組むようになって、2人の関係性というのは、

元売れないアイドルで傍若無人な伊藤に、元極真空手全国3位・東京女子の初期メンバーの中でも最も古株で“東京女子のエース”“絶対王者”の山下が従ってるみたいなミスマッチがとても可笑しくて微笑ましくて良かったわけだが、

伊藤が2021年のプリンセスカップで壮絶優勝を成し遂げ、約2ヵ月後のビッグマッチのメインイベントで当時プリプリ王者だった山下に伊藤が挑戦し、伊藤が負けたけど伊藤と山下がビッグマッチのメインを張るまでになって、

2022年に伊藤がIP王座を獲った時はワントゥーミリオン2人ともチャンピオンという並びで、なんかこういよいよ伊藤が傍若無人でなく本当に並び立ってきた感というか、してきて。

 

…そんなこんながあって、そういうのを知ってる上で観てると、今回のワントゥーミリオン優勝後の会話のやり取りの面白さというか味わい? 2人の関係性がすごくいいのよ!

これはヒストリーあってこそ楽しめるんだよ。どこぞの団体(裏切りや造反が多過ぎてもう何をやっても全然インパクトはないし、人間関係がすごい雑だなという印象しかない)と違って、東京女子は人間関係もずーっとちゃんと続いてるものであって、その関係性のヒストリーが今に続いてて、だから味わい深いし、印象深くもあるし。

 

 

 

2.21東京ドーム武藤敬司引退興行での東京女子についても、どうしても触れておきたい。

武藤敬司が遂に引退することになり、東京ドームでの引退興行が決定した → 武藤は最後はノアの所属だった → ノアはサイバーファイトグループ傘下 → そもそもサイバーファイトはDDTであり東京女子なんで、ノアの興行でありながら(&観客動員に使える手は全部使うべく、また武藤は最後は高木に世話になったというのもあるだろう)DDT及び東京女子も(新日本や全日本とかも)参戦となった。

東京女子プロレスが遂に東京ドームへ――

これがどれほど感慨深いか。それがなぜかはこのエントリを読むとちょっとわかる。

そして伊藤麻希ファンもまた胸熱。伊藤ヒストリーはこのシリーズを見てくれ。

あと何気にすごい良かったのが、入場の時に山下が先に花道歩いてて、次坂崎がアナウンスされて、山下は“東京女子のエース”だけど現チャンピオンは坂崎なんで坂崎が最後に入場、だけど坂崎が走っていって山下に追いつくと山下の肩抱いて、2人横並びで歩いてくところがイイ!

あまり序列を剥き出しにしない東京女子らしい良さでもあるけど、もう1つ、これは数年は観てないとわからない、坂崎と山下が仲良くしてるところをみる機会が基本的にない。要は坂崎の方がなぜか山下に対して公の場でつれない態度が多い(公でない場ではそうではないというのは一応知ってるけど)

だから東京ドームの入場時に坂崎の方から山下に寄ったのが、知らない人にはわかんないでしょーが実は結構サプライズな超常現象だったんである(笑)。

そんだけ坂崎にとっても東京女子の初期メンバーの1人として特別な想いがあったんだろう。

 

試合の方は、組立てが東京女子にしては雑だったね。まぁ仕方がない。推測だけど、1試合だけ東京女子枠が提供されて、なるだけ多く立たせたいということで8人タッグという大人数になったんだろう。で、おそらく持ち時間は10分程度だったのではないか(一応20分1本勝負ではあったけど)。だから基本は1人1分程度で、プラス、タッチワークにかかるタイムロスと最後試合を締める(勝負をつける)のに1~2分という目測。実際試合時間は11分38秒だった。

ホントは東京女子は基本がしっかりしてる団体なんだけどね、腕の取り合い・関節技・寝技…今時珍しく“プロレスリング”の攻防をちゃんとやる。でも今回はそれやってる時間はなかった。だから他所の女子団体と同様にバタバタな試合内容になっちゃったけど。ホントは違うんだよな…と東京女子ファンとしては言っときたい。

でもちょこっと締め技とかになった時に見ててこっちも焦ってくるんだよね、持ち時間を考えるとンなことやってる場合じゃないってなっちゃう。タクシー乗ってる時メーター気になるみたいなさ(←貧乏人がッ!・苦笑)、寝技関節技締め技の類いはもう信号待ちみたいなさ、止まるな止まるなっていう、だから本当は基礎がしっかりしてるにも関わらず今回基本的な攻防をスッ飛ばしたのは仕方がないね。

でも随所に客席からどよめきが起こってたのは東京女子ファンとしては誇らしかった。

特に未詩のジャイアントスイングは凄すぎた! もう爆笑レベルの凄さだった。これまで未詩がやったジャイアントスイングの中でも最も凄すぎてブッ飛んでた(笑)。ダブルスラムでもどよめきが起きて、この試合の中で衝撃度と魅力度では未詩が抜きん出てた。

ダブルスラムとダブルジャイアントスイングは絶対やってみせてほしかったけど(東京女子及び渡辺未詩を知らない人が見たらインパクト絶大!)、ジャイアントスイングはダブルじゃなかった、でも小柄な中島にやったことでぐるんぐるん もう度が過ぎる全開・狂気の回しっぷりでダブルに勝るとも劣らないインパクトだった。そうきたか!っていう。

皆が可能な限り自分の見せ場をやって、なるだけ8人のショーケース・名刺代わりの試合というか。

伊藤ちゃんが「世界一かわいいのは――っ!」をマイク持ってやるというドーム仕様のマネをカマしたのも感心したけど、それでちゃんとドームの客席から結構な声で「伊藤ちゃーん!」と返ってきてたのはグッときた。だって東京女子の大会じゃないからね、サイバーファイトグループの団体が集結するサイバーファイトフェスだってノアのファンは東京女子を知らなくてもDDTのファンはまぁまぁ知ってるだろうし、でも今回は新日本ファン、ノアファン、のみならずもうずっとプロレス観戦から離れてたかつてのプロレスファンも武藤の引退だから…と観にきてたはずで、東京女子を知らない観客が圧倒的に多かったであろう中で、どよめきが何回? 4~5回ぐらい上がってなかった? これは東京女子ファンとしては誇らしいですよ。(まぁまだ2試合目で客席埋まってなかったから、この時点で観てたのは東京女子ファンが多かった可能性はなくもないけど…)

観に行けばよかった…と後悔した。試合内容じゃない、東京女子が東京ドームのリングに上がるという、これもう今後ないと思うんだよね… 伊藤とかリカはいつか東京ドームでって前々から言ってたけど、単体ではさすがに無理でしょう。どこの女子団体でも無理だよ。サイバーファイトフェスをドームでやるというのはあり得なくもないけど。

だからこれはなんとしても観にいくべきだった。ましてや都内在住なのに。でも行けなかったんだよなどうしても。行けない状況でさ…

まぁとにかく、東京女子がドーム上がれてホント良かったね、と思う。単体で両国国技館大会開催に辿り着いた時と同じぐらいの感慨があった。

8人タッグは初期メンとそれ以外からチョイスされた選手とで振り分けられてたけど、初期メン4人が笑顔で両手挙げてるのがしみじみグッときた。練習生3人、ライブハウスでリングなしマット敷いてやって、3人だから2試合組めないから木曽レフェリーまで加わってなんとか2試合組んでた頃からの生き残り山下と中島(ちなみにこのドームの東京女子の試合のレフェリー務めたのも木曽!)、そのちょっと後に坂崎とリカが加わって、それから10年、遂に東京ドームのリングに立ったんだからなぁ、感慨深いよ。大河ドラマだよ。

10年越しの物語。その場 単発の感動でなく10年の厚みの感動。

短期意識の奴には解からない概念・感情。

そして歳食ってる人間の醍醐味。十年とか数十年付き合ってきてこそ訪れるもの。点と点が繋がって線になる時。例えば東京女子2013年秋葉原のライブハウスから2023年の東京ドームだったり、ちょっと次回話すけど このドームで武藤がカマすどんでん返しも点と点が線になって円環を成して終結という39年間に渡る一大大河ストーリー・大作ドラマなわけだよ。

プロレスは一過性のコンテンツじゃない。東京女子は今時珍しくそういう点でもかつてのプロレスを、継ぐとかそんな意識はまったくなかったと思うけど、結果的にしっかり継いでいる。

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