先日、東京女子プロレス3月のロサンゼルス興行の後に山下実優だけ帰国せずアメリカに留まり活動することが発表された。
一応3ヵ月間と言ってるが、いや3ヵ月でも長いんだけどさ、こないだ坂崎ユカが1ヵ月アメリカでやって、1ヵ月でも長いと思ったけど。東京女子の風景から坂崎が1ヵ月間消えるというのは異常事態といったら語弊があるが、ケガで欠場だったら国内にいるからまぁいいけど、国内にいないんだから。
坂崎ユカがいない日本、まるで2019年の台風19号の時に松岡修造今日本にいねーからじゃん!みたいな、あるいは「天皇晴れ」(これが何かは小池壮彦・著/洋泉社・刊の『怪奇事件はなぜ起こるのか 「生き人形」から「天皇晴れ」まで』を読むとわかる)、まぁ言い過ぎですが、東京女子に坂崎がいない喪失感や大きすぎる戦力ダウンを言いたいのよ。
でもまぁ1ヵ月で予定通り帰国して本隊に戦線復帰したからいいけど、
今回の山下は何が問題かって、3ヵ月間という期間の長さもさることながら、その後やってけそうならそのままあっちに居続けると言ってること。
遂にこの日が来たか…と。1.4エントリでの予測通り(なぜどんどん新人を入れてるのか、の考察)、やはり海外に拠点を移したい意向らしい。
おそらく坂崎もそうだと見受けられる。いつだったか東京女子の興行に穴空けて海外遠征を敢行したことあったけど、ツイッター上でちょっと批判のコメントも入ったんだよね、急に欠場するっていかがなもんかって。それは俺も思った。あの時に彼女の気持ちの比率としてはもう海外>日本なのだろうと感じ取った。
そして単発ではなく1ヵ月間ってのがこないだあって。
そしたら今度は山下、しかもイケたらもうあっちに拠点移すぐらいの勢い。
伊藤麻希も海外進出欲求が高い。
この3人は東京女子の中でも特に欠けたら困る顔ぶれといえる。
でさぁ、俺 前々から、「東京女子」と「海外」について言いたいことがあった。今回はその話をする。
東京女子プロレスは日本の数ある女子団体の中でも、いや男子も含めた日本の全団体、否、世界中の団体を見渡しても、唯一無二といっていい団体…というより世界、である。
それは面白さのみならず、マイノリティにとってのサンクチュアリという意味でも。
東京女子の面白さ・豊饒さについてはこのシリーズを読んでくれ↓
サンクチュアリという点についてはこのエントリ↓
『ドラマティックオブザイヤー2021は伊藤ちゃんっしょ!』(を読んでいって3エントリ目でそこに達するんで。最初から読んでいってもらわないと伝わらない。)
東京女子は海外でも(どのくらいかは俺は把握してないが)知られてる団体で、伊藤・坂崎・山下なんかが海外マットに上がると歓迎される。
それは喜ばしいことだし、東京女子ファンとしても誇らしい。
また、今回山下が動機として言っていた“もっといろんな人と出会いたい、いろんな人生経験したい”というのもよーくわかる。
東京女子としてもグローバルになりたいというのもあるだろう。それもよくわかる。
でもちょっと待てと。
東京女子の唯一無二の魅力はそもそもどこからきてるのか?
本当の「海外進出」とは何か?
東京女子出身の選手がAEW(全米2位)やWWE(全米1位)所属になることや、東京女子でアメリカ大会を開催するとかが東京女子のアメリカ進出成功じゃないんだよ。東京女子の選手がアメリカマットに〇月〇日に上がると発表された時にアメリカ人が「おぉぉぉ!」となるのが東京女子の輸出=アメリカ進出成功なんだよ。
里歩はAEWに所属?契約して常時参戦してて、あれはアイスリボンや我闘雲舞(←里歩のデビュー、所属してた日本の団体)の輸出ではない。あくまで「AEWの里歩」。もうあっちの人。
例えばボン・ジョヴィが来日して『リヴィン・オン・ア・プレイヤー』歌ったら、本人が日本で『リヴィン・オン・ア・プレイヤー』歌ってるぞ!って興奮するよな? 同じだよ、東京女子の選手がアメリカマットに単発で…ここ重要、あっちに移籍じゃなくて、東京女子所属でたまにあっちに単発で参戦する時に、あっちの客が「TOKYO JYOSHIキターッ! TOKYO JYOSHIの選手が来米するぞ!」って騒ぎになる、チケットの売り上げが伸びる、それが「東京女子の輸出」であり、「東京女子のアメリカ進出」成功例。
東京女子のようなスタイルは外国には存在しないからね。無理なんだよ。例えば「kawaii」って文化? 感覚が海の向こうでも知られるようになってるけど、「カワイイ」というスタンスや感覚が外国にはなかったわけだよね。で、「カワイイ」は外人には出来ません。渡辺未詩みたいなキャピキャピした感じ(笑)は日本人にしか出来ない。これ外国人がやるとかわいくないんだよ(苦笑)。なんか元から質が違うというか。だいたい「アイドル」ってものもあっちにはないしね。
同様に東京女子プロレスという団体の雰囲気とかやってることは、外国の団体にはないもので。
アイドルとかkawaii もなんだけど、あと「ほのぼの」っていうね。らくちゃんとかハイパーミサヲがやってるようなこととかね、外国の団体には存在しないものだし、そもそも「ほのぼのプロレス」って路線が概念として存在しないというかね。
マジラビの オマエらもう結婚しろっていうぐらいの仲の良さとかワントゥーミリオンの痴話喧嘩ネタも、外国には「百合」の概念もないんじゃないか? あっちでは全部レズ扱いになっちゃうんじゃないか。レズと百合は似て異なるものだからね。ニュアンスがかなり違う。
坂崎と瑞希が手つないでたり、山下と伊藤の微妙な関係というのは、ハッキリ言って萌える(笑)。でもこの萌え、この良さがわかる人は外国にはちょっといないんじゃない多分? 日本独特の魅力だよ。
中島翔子とハイパーミサヲが正月にやるほのぼのしたハードコア戦、あれも外国人には出来ない。そもそも外国では「ほのぼの」と「ハードコア」が並存できない。並存できちゃうのが日本人であり、東京女子なんだよ。
あと別の意味でやれないのが、ミサヲがリングに拳銃持ち込んだことあったけど、アメリカでは不可能でしょ。銃乱射事件が時々起こる国でアレはシャレにならないから。日本だからこそ可能なネタだよ。で、「ほのぼの」と「銃器」が並存する団体もまた世界中で東京女子だけ。
というね、東京女子って唯一無二なんだよ、オンリーワンなんだよ、だから日本でやってればいいんだよ。
外国マット上がりたい人はたまに単発参戦すればよい。移籍しちゃうとその人はもう東京女子ではなくなる。所属が、じゃないよ、存在自体がもう東京女子ではなくなる。東京女子のような団体はこの銀河系に他に無いからね。他所に移っちゃったらもう東京女子でやってることはやれない=東京女子の人じゃなくなるんだよ。
それはあまりにもったいない。
日本は世界でも独特だからね。ガラパゴス文化で結構。だって日本の文化や日本の感覚って面白ェもん(笑)。
伊藤が海外でウケたのも個性的だったからだろう。それも欧米人にない独特のエキセントリックさがウケたのだと思う。伊藤がアメリカで生まれ育ってたら間違いなくあのスタイルにはなってない。
あと前から訝しんでるんだけど、俺英語わかんないから伊藤が海外で人気ある具体的理由を知らないんだけど、外人は伊藤の人生ヒストリーをたぶん知らないで、プロレスラーとしてのエキセントリックな姿だけ見て“面白いコだな”ってとこで人気あるんじゃないのか?
でも我々日本人は(まぁ最近ファンになった人は知らないかもしんないけど)伊藤ヒストリーを知っている。あのコが結構酷い扱いを受けてきた人生で、自殺しようとしたこともあった、それが紆余曲折あって東京女子という優しい世界に辿り着いて、ただ試合はなかなか勝てなくて、中指を立て続け、マイクで“悩んでる奴、電車に飛び込むんじゃねーぞ!”と叫び、だからこそ2021年プリンセスカップでの伊藤の壮絶優勝は号泣ものだった。
でも外人視聴者・外人の伊藤ファンはそこまでわかって見ていたのか? たぶん知らないと思うんだよね。知ってて見てたら伊藤の魅力はエキセントリックさだけでなく、生きる勇気と希望を与えてくれる。
それはハイパーミサヲにもいえることで、公の場ではあんなコミカルで楽しい人だけど、彼女も実はかなり苦労してきたし、自殺を図ったこともある。
知らないで見てるとただのコメディエンヌにしか見えないだろうけど、知ってて見てるとただ可笑しいではなく、辛さを超えて今の彼女があって、笑顔で生きていて、人も笑顔にしている。何かこう見てて温かな感情が湧く。そんな気持ちで彼女を見ている。
そういうとこまで含めて東京女子の魅力なんだよ。
ベトナム戦争映画を日本人が真に理解し実感もって観ることができるわけないのと同じで、東京女子も団体や選手個々人のヒストリーや、日本及び日本人が抱える問題点(村社会性)を知らないと東京女子の堪能度は結構落ちる。
華名っていたろう、現在のASUKA、WWEの。華名について良くも悪くも思うところがある。あの人も日本で苦労した人だから、全米ナンバー1の団体で成功したのは心から良かったねと思うのだけど…
アメリカのプロレスの試合って大味すぎる。ソリッドさに欠ける。芝居がかりすぎてる。それは東京女子でコミカルな試合とは全然違う話だよ。
腕の取り合いとかグラウンドの攻防とか、東京女子は基礎がしっかりしている。
山下vs坂崎の試合などはシリアスでハードヒッティングでスリリングであり、海外の試合に比べたら遥かに格闘技っぽい。ソリッドさがある。
華名の試合も、日本でやってた時はソリッドだった。蹴りやサブミッション出来る。でもWWEではソリッドさに欠ける。日本でやってた時の方が遥かにキレキレだった。あれ年齢の問題もあったかもしんないけど、一番大きな理由はアメリカスタイルにチェンジしたからだろう。(もしかしたら逆に楽したいからアメリカ行った!?)
で、これは東京女子にも関係する話で。坂崎や山下とかが外国行って試合して歓迎される、それはとってもいいことなんだけど、俺には日本でやってる坂崎や山下の方が断然魅力がある。
外国でやると日本でやってるほのぼのしたコミカル要素(山下も坂崎も、シリアスもコミカルもやれる)はごっそり欠落する。
華名も、あの人お笑いもやれるとこがまた魅力だったんだけど、アメリカではそれやれてない。
それは言葉の問題でもあり、「ほのぼの」とか「コミカルなプロレス」という概念が外国には無いからでもある。山下や坂崎が英語を完全マスターしたとしても、東京女子でやってる可笑しな掛け合いをやれる外人選手はいない。それをやるなら日本人同士でやるしかない。つまり日本人対決――「輸出」だよ。
東京女子はシリアスな試合もちゃんと同時にやってるけど、日本のシリアスな攻防って外国ではどうなんだろね? ケンカとカン違いされないか?
山下や坂崎が例えば後輩に対してキツいのブッ込む時、日本人は…東京女子のファンは、裏に愛情があることをわかってる。鈴芽が言ってたけど、坂崎の厳しい攻めが、“ここまでおいで”って引き上げてくれてる優しさみたいな、そんなようなこと言ってたけど、日本人が見てるとそれわかるんだよ、だから東京女子の先輩は後輩を思ってるし、後輩は先輩が好きだし、試合が終わったらノーサイドだし、ファンも温かく見守ってるし。でも外人が見るとそういう感情、そういうニュアンスって果たして伝わってるのかな?
別に後輩だけじゃなく初期メンバー同士でやる時もだよ、バチバチにやっても憎しみはないわけだよ、切り替えがちゃんと出来る、プロであるということであって、ケンカではない。坂崎と山下は外野から見てるとなんかソリが合ってないというか坂崎が山下に対してツレないように見えるけど、素ではそうではない。これなかなかわかりづらい。リング上だけでなく、山下と坂崎がお互いについて語ってる動画なんかでも、坂崎は山下に対して結構辛辣だったりするのだけど、さらにもっと記事だったり映像だったりを見てくと、坂崎は実は山下に対して東京女子をもっと大きくしたいって同じ方向見てる意識とか、ずーっと一緒にやってきた信頼感・仲間感がちゃんとあることがわかる。
でもこれは日本のファンですらもかなり見てないとわからないのに、ましてや外人からしたら2人はガチで仲悪いようにしか見えなくない?
また外国であのキツい攻めをやると、一触即発になりかねないとかはないのかな?
…まぁ、で、さっきの話、輸出の話。昔みたいにメディアがテレビと…テレビっつったってまだ衛星放送もない頃だよ、あとラジオと紙媒体しかなかったような時代に東京女子が外国に進出しようとしたら、東京女子イギリス支部を立ち上げるとか、東京女子の誰かがWWFに所属するとかね、しかなかったろうけど、今ネット社会だからね、向こうに居を構えなくてもいいんだよ、ネットで見られてて、TOKYO JYOSHIって面白ェなって思われてて、たまに参戦すると「本物キターッ!」ってなる、「東京女子の輸出」。
俺の知ってる限りの範囲における印象では(ちょっとJBエンジェルスとかブル中野など古い話はよく知らないんで近年で言うと)、アメリカに進出した女子レスラーは基本的に成功しない。成功の意味にもよるけど。
WWEでの宝城カイリ(=カイリ・セイン)の使われ方は酷かった。アメリカが宝城カイリを使いこなせてないというね(これは言い換えると日本人を使いこなせてないということでもある)。
華名はWWEのトップに君臨して大成功したけど、あれだって俺に言わせりゃ華名の魅力はケタ違いに落ちた。日本でやってた時の華名の方が断然圧倒的に魅力的だった。記者会見での笑っちゃうぐらいのキレっぷり、と思えば百合ネタかましたり、試合ではハードスタイルもコミカルも出来て。これがWWEでは丸ごと喪失している。華名は英語ペラペラではないので日本でやってたように言葉を繰ることが出来ない。WWEで日本語でマイクやってる稀有な例を実現させたが、対戦相手にもオーディエンスにも意味は通じないので、ただの罵倒レベルのことしか言えてない。日本では言葉でもプロレスが出来てたのに。
ファイトスタイルもWWEではハードファイトは出来てないだろう? 日本のハードファイト、競技性の高い試合というのは、あっちだとどこにも収まらない。あっちは「プロレス」か「総合格闘技」か、になる。ところが日本ではこの中間がある。
それは日本のカレーに甘口・中辛・辛口とあるのと同じで。そんなのは日本ぐらいだみたいなことを映画監督の押井守が言ってたけど。海外では同一の食べ物に階層なんかない。でも日本は辛さに段階があったりする。段階を作り出したんだね。だから中辛なんてシロモノが存在する(ちなみに俺はカレーは中辛をチョイスすることが多い)。
それはプロレスにも言えて、日本ではプロレスと総合の間がさらにあって、間にもさらに階層がある。UWFは総合にかなりギリギリに近いプロレス(Uは総合格闘技の基であり、さらにいえばUの源流は猪木の異種格闘技戦である)。
日本のハードファイト、競技性の高い試合というのは、例えば山下と坂崎がシリアス試合でやるハードファイトはUまでいかないが欧米のプロレスからするとかなりハード。それは里村明衣子もだし、華名にもその匂いがある時があった。イギリスに拠点移した里村の試合は見てないからわからないが、少なくとも華名は日本のハードスタイルはWWEではやってないだろう? 年齢のこともあったのかもしれないけど、それ以前にそもそもアメリカではそういうスタイルはどこにも収まらない。外国に「中辛」の概念はない。ハードならMMA(あっちの総合。UFCとか)ということになるし、プロレスはもっと芝居がかったものであって。この2択でない中間のスタイルというのはおそらく日本にしかない。
新日本の藤波がUの前田と戦った時、藤波は前田のキックを受けてたった。でも外人選手はUスタイルを嫌った。外人からすればそんなのはプロレスではないから。だから前田vsアンドレとか、全日本でハンセンがU系選手にキレたりだのの不穏試合があったりするわけで。
…要はね、日本人選手がアメリカマットに上がる時はアメリカのスタイルに寄せるしかない。
山下vs坂崎のような試合の出来るアメリカ人選手はいない。だからあれをアメリカでやろうとしたら、山下vs坂崎をアメリカマットでやるしかない。つまり試合そのものの「輸出」だよ。日本の試合をパッケージングとしてアメリカで単品でやる他ない。
それはコミカル試合にも言えて、東京女子の「ほのぼの」「カワイイ」「おちゃらけ」は日本人同士でしか成立しないのだから、あれをアメリカでやるのなら日本でやってるカードをそのままアメリカでやる他ない。ただしこっちはどうしても翻訳が要るので(言葉のやり取りがまた面白いから)、やはりアメリカでやる意味はない。日本の試合映像に英語字幕つけてネットで配信するのが一番良い。
WWEが宝城カイリを使いこなせなかった原因(わけ)…
それはたぶんねぇ、日本をキリスト教化できなかったことや、一方マクドナルドも日本にかかると日本化される(日本は月見バーガーなどの日本オリジナル商品を作っちゃうとか、アメリカのマックより日本のマックの方が美味しいとか、日本の接客レベルは断然違うとか)などといった事と実は繋がるのではないか?と思ったりする。
日本って独特。世界中の国々の中でもなんか違う。
日本はアニメ、ゲームなどが文化的に有名だが、アニメはそもそもはウォルト・ディズニーの影響にある。そっから始まってる。だが日本でやろうとしたら日本独自のものに発展した。やがてそれがヤマトやガンダムなどを生み(←人の生き死にが盛大に描かれ、もはや子供向け=カートゥーンではない。世界的に有名なスティーブンソンの小説『宝島』も日本でアニメ化されると大人の男の美学が炸裂しまくる最早別物になった)、挙句の果てには『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』が全米ビルボードビデオチャート1位を獲った。ディズニーから哲学的アクションの攻殻が生まれるなど欧米なら考えられない。
で、プロレスもそう。欧米から輸入したものだったけど、日本のプロレスは独自なスタイルと商業圏を作り出した。その中でも特に稀有だったものを挙げれば昭和の新日本プロレスであり、猪木であり初代タイガーであり長州力であり、DDTであり東京女子プロレスだろう。
これらはプロレスでありながら、発祥の欧米とは異なるスタイル・方向性だ。ディズニーを日本が攻殻に進化させたように。最早別物といってもいい。
日本人宇宙人説なんてのもあったりするわけだけど(笑)、それもさもありなんというさ、日本人ってやっぱなんか独特なんだよ。そして、それを捨てる必要はサラサラない。
だから結局山下や坂崎や伊藤が海外に拠点を移しちゃうと、最早東京女子の山下・坂崎・伊藤ではなくなって欧米におけるありがちレベルに成り下がってしまう。
だから俺は彼女らに拠点を移してほしくない。海外でもやりたい、それはいいよ。でも拠点を移してしまうのではなく、東京女子所属で日本拠点で、年に何度か海外遠征する、それが一番いいやり方。完全に拠点を移すと華名のケースになる。アメリカ人はわかってないんだろうけど、日本人からすると日本でやってた時の華名の方が間違いなく良かった。アメリカでの華名=ASUKAは雑味がかなりひどくて、たいして面白くない。
それは坂崎・山下・伊藤にも言えて、彼女らが海外でやった試合はまぁ言い方悪いけど日本でやってる時の魅力やクオリティより断然劣る。
せっかく東京女子は唯一無二で、今はネット時代でもあるのだから、日本を拠点にやり続けてほしい。で、年に何回か、あるいは何週間かだけ本隊から抜けて海外でもやる、それでいいじゃないの。って強く思うのよ。
山下が3ヵ月に留まらず結局拠点を海外に移した場合、東京女子と東京女子のファンは“東京女子の山下実優”を永遠に失うことになる。予言してもいい。
山下は年に1~2度東京女子のビッグマッチには参戦するかもしれない。でも華名がもし仮に例え話としてだよ? 年に1~2度日本の団体で日本人と試合したって、もはやかつての華名のようなパフォーマンスは出来ないだろうと思うよ。今さらあのハードヒッティングなスタイルには戻れないだろうし、やってみせたところでひっさしぶりにやったら身体は相当しんどいし、かつてのキレにも及ばないだろうし。人ってやってないと劣ってくるから。ましてや華名は今もう41歳だし。トークの方はどうかというと、これも間違いなく錆びついてると思うよ? 公私ともにアメリカではあんなトークしてないはずで、それにトークも年齢とともに錆びついてくものだからね。
華名は名声と おそらく多額の金も手に入れた。アメリカで成功したこと自体は良かったよ。特に日本時代に華名に対して陰険だった連中の鼻を見事明かしたんだから。その点については拍手を送りたい。
ただ、その代償に失ったものがある。ファイターとして、芸人として(←おいおい!・苦笑)としての高いクオリティを失ったといえる。
そこで山下・坂崎・伊藤はどうするんだ?って話よ。東京女子と海外とどっちを取るんだ?と。
俺に言わせりゃどっちも取れと。
それが日本で東京女子を拠点にしたまま、ちょいちょい海外にも遠征するってやり方だよ。最大で年間2シーズン、それが百歩譲って最大の限度。それ以上だと最早海外を拠点にした方がいいし、海外に拠点を移すならもう東京女子の彼女たちではなくなる。
東京女子の人材が溢れてあぶれてる状態なら話は別だけど、山下・坂崎・伊藤の代わりはいない。東京女子が唯一無二なように、山下・坂崎・伊藤も唯一無二だ。
山下と坂崎は東京女子の強さの部分も担っているし、コミカルも出来る。コミカルをやれる他の選手は結構いるんだけど、両方見事な同バランスで兼ね備えてる選手が他にいない。中島翔子も兼ね備えてるんだけど小柄なのがネックで(それが同時に武器でもあるけど)、ハードな奴やデカい奴が来た時にどうしても不利。辰巳リカは強さってタイプじゃないしなぁ。
山下と坂崎は強さと安定感の感じられる体つきもカッコいいが、あぁいう感じにカッコいい体つきの選手も他にいないんだよなぁ…。
それから山下のツラ構え・シリアス試合での凄みと殺気は稀有な魅力であり、また坂崎のコミカルな時とシリアスな時(←怖い)のギャップ、あれを有してる選手も他にはいない。
中島がそれを担おうとしたらそれは違う。中島の二面性はコミカルと、そしてもう片方は厳しさ・怖さではなくて実直さ・真摯さなんだよ。これは山下・坂崎には出せない中島の素晴らしい個性であり人間的魅力。
伊藤はね、東京女子にヒールは存在しないが、また存在しなくていいし、ただ伊藤はヒールじゃないんだけど非常に攻撃的なキャラで、あれも他にいない。喋りのセンスも抜きん出てるし。
やっぱりこの3人は東京女子になくてはならない。それ言ったら天満のどかもなくてはならなかったんだけど、彼女は卒業・引退だから仕方がない。でも山下・坂崎・伊藤は今一度考え直してほしい。海外>東京女子ではなく、東京女子≧海外であってほしいんだよね…。
年齢を理由に卒業・引退するなら仕方ない。でもそうでない理由で東京女子からフェードアウトするのはあまりにもったいないし寂しい。
大事なことだから2度言う、東京女子プロレスは世界で唯一無二の場所!