ななこおねいさんの父、四十郎は「豪快シリーズ」で有名な小説家だった。だが娘に関しては心配性な男だった
言わずもがな朝日新聞のパロディー
ちなみに72aで読んでいたのは毎回新聞で、272aではアクション新聞だった
新聞を片手に朝食を食べていたひろしは
、小説
「豪快シリーズ」の最新作
が今日発売という広告を見つける
妖怪→豪快の聞き間違い
・待望のシリーズ第9弾と銘打たれた最新作のタイトルは「豪快サラリーマンがゆく!!」
著者は豪快な主人公
ばかりを描き、次々にヒットさせた同シリーズの生みの親であるベストセラー作家の大原四十郎
ん?この名前、どこかで聞いたことがあるような?
そう、前回(273c)登場したななこおねいさんのお父さんである
既刊本をザっと紹介します ※赤字は角川映画作品
①「豪快くんが通る」 大原四十郎のデビュー作にして出世作
大正時代の女学生の恋愛模様を描いた大和和紀原作の大ヒット少女漫画「はいからさんが通る」のパロディー
②「豪快の証明」 帯に「不滅のロングセラー 豪快推理の頂点」と記載
社会派ミステリーの巨匠 森村誠一の長編推理小説「人間の証明」のパロディー
本家「人間の証明」は1976年に角川書店から初版が刊行され、その後1977年には角川文庫で文庫化
単行本・各社文庫本計で770万部以上の大ベストセラーを記録した証明シリーズの第1作目です
③「野生の豪快」 帯に「映画化決定!’99夏 西宝系ロードショウ」と記載
同じく森村誠一原作の証明シリーズ3作目「野生の証明」のパロディー+東宝のパロディー
本家「野生の証明」は1978年に東映系で公開
④「豪快女子高生」 帯に「学園に吹き荒れる豪快の嵐!」と記載
⑤「豪快家の一族」 帯に「世に問う この一族の生きざま!」と記載
横溝正史の長編推理小説「犬神家の一族」のパロディー
本家「犬神家の一族」は1976年に映画化されて大ヒットを記録し、「日本映画の金字塔」と称されるほどの社会現象を巻き起こしました 監督は巨匠・市川崑
⑥「七人の豪快」 帯に「豪快!痛快!戦国無頼軍団!」と記載
1954年に公開された黒澤映画の最高傑作「七人の侍」のパロディー
⑦「あしたの豪快」 帯に「人気コミックの原作はコレだ!」と記載
梶原一騎(高森朝雄名義)原作、ちばてつや作画の名作ボクシング漫画「あしたのジョー」のパロディー
⑧「豪快サイゴーくん」 帯に「維新の豪快な夜明け!男一匹犬一匹!と」記載
他代表作も紹介します 刊行順は不明
⑨「戦国大豪快」
半村良原作のSFアクション作品「戦国自衛隊」のパロディー
本家「戦国自衛隊」は1979年に映画化され、千葉真一が主演とアクション監督を務めて大ヒットを記録
⑩「大豪快」
⑪「続・大豪快」
⑫「新・大豪快」
⑬「華麗なる豪快」
社会派小説の巨匠・山崎豊子の長編経済小説「華麗なる一族」のパロディー?
⑭「地球最後の豪快」
⑮「豪快刑事」
⑯「豪快まるだし」
⑰「豪快大戦」
SF作家・平井和正と漫画家・石森章太郎(いずみ・あすか名義)が共同原作し、石森が作画した漫画作品「幻魔大戦」のパロディー
本家「幻魔大戦」は1983年に角川映画初の長編アニメーション映画として公開され大ヒットを記録
⑱「豪快ふたたび」
⑲「豪快SOS」
⑳「大人の豪快」
㉑㉒「豪楽園」上・下巻
1997年に社会現象を巻き起こした渡辺淳一原作のベストセラー作品「失楽園」のパロディー
㉓「沈黙の豪快」
日本語版タイトルに「沈黙の」と入るスティーヴン・セガール主演映画作品の総称(一部主演でないものもある)のパロディー
㉔「豪快プラスワン」
㉕㉖㉗「坂の上の豪快」一・二・三巻
日露戦争前後の明治日本を描いた司馬遼太郎の歴史小説「坂の上の雲」のパロディー
㉘「ノルウェイの豪快」
若者の喪失と成長を描いた、村上春樹原作の不朽の名作「ノルウェイの森」のパロディー
㉙「豪快無罪」
スコット・トゥローの大ベストセラー「推定無罪」のパロディー?
本家「推定無罪」は1990年にハリソン・フォード主演で映画化され、大ヒットを記録
㉚もう一作品あるが字がつぶれて確認できず
㉛ここに最新作の「豪快サラリーマンがゆく!!」が加わる
1962年から4年間、産経新聞夕刊に連載された司馬遼太郎原作の歴史小説「竜馬がゆく」のパロディー?
新聞の広告にはシリーズ第9弾が最新作と記載されていましたが、9作どころか最低でも既に30作が刊行されています
※なぜか1冊だけ豪快シリーズとは全く関係の無い「すべってころんで」というタイトルの本が、ひろし
の書斎の本棚の一番上の左隅に並べられている
・『大原四十郎ってどんな人なんだろうな~。一度会ってみたいな~。なんたって、主人公の豪快な生き方がスカ~ッとするんだよな~』とまだ見ぬベストセラー作家との対面を夢見るひろし
意外とすぐ近くに住んでいることなど知る由もない...
・一方その頃、当の四十郎本人はというと、例によってまた娘
心配性を発症して
執筆活動
が手に付かなくなってしまい
娘の安否を確認するためスクーターに飛び乗り
猛スピードでアパートへと向かうのだった
作風とは真逆の性格で、『よくあんな人が豪快シリーズなんて書いてるわね~』と妻からも呆れられてしまう始末...
前回と乗っているスクーターが違う
前回乗っていたのはヤマハ・ミントっぽい見た目の水色のスクーターだったのが、今回はベスパ
125 プリマベーラ ET3っぽい見た目の赤いスクーターに変更
四十郎の到着直後「ブルーサンダー号」にまたがったしんちゃんも「メゾン・ド・黒トカゲ」に到着
アパート前で鉢合わせとなる両者
273cで四十郎に会っていた事などすっかり忘れ、『おじさん誰?』と警戒するしんちゃんだったが『ななこの父親だ!』と返されるや否や
、『お義父さまのことは、片時も忘れておりませぬ!
』と途端に手のひらを返し、四十郎
の手の甲に何度も熱いキスをするしんちゃん
『今の今まですっかり忘れてたクセに。それにキミにお義父さまとは言われたくはないな~!』と顔をしかめる四十郎に対し
『それじゃあ、パパと呼べ~!と仰るのですか~?お義父さま~』と目を輝かせ、どこまでも前向きなしんちゃん
・『ところでお義父さま~。今日はななこさんのアパートに何のご用ですかな~?』と問い詰めるしんちゃん
『私はただ、ななこのことが心配で来ただけだ』と返答する四十郎に『お義父さまのお気持ち、よ~く分かりますぞ~。世の中には変な男がウジャウジャおりますからな~』としんちゃんも共感
だが四十郎はその言葉に『キミもその一人だということを自覚したまえ!』としんちゃんに警告を発する
・『で、キミこそここへ何しに来たのだ?』としんちゃんに逆質問する四十郎
『はい、それは今から少し前の、麗らかな日のことでございました~。私はおケツをボリボリと掻いておりました~。すると、急にななこさん
の事を思い出したのです!』
『一度ななこさんのことを思い出してしまったら、もう会いたくて~、歯ぁ痛くて~』
『それはも~~~!!オモチャ片付けも手につかないほどに~~~~~!!!』といきなりオペラ調になって歌い出すしんちゃん
するとその言葉に四十郎も反応し、『どうせいつも~~~~~手に付かないくせに~~~~~』とこちらもオペラ調で歌い出す
しまいには『イヤ~~~~~~~』と即興でハモる二人
意外と気が合いそう
・二人が仲良く歌っていると、後方のアパート玄関口からななこと思しき女性が歩いて出てくる
だが後ろ姿しか確認できない
その女性をななこと確信したしんちゃんと四十郎は互いに顔を見合わせ困惑
『どこに行くんでしょう、お義父さま!?』としんちゃん
『も、もしや~、男の所へ!?』と四十郎
ショックを受けた二人は一時休戦して結託しななこを追跡することに
サンタバーバラ接骨院 名前だけ一足早く登場 住所は4-5
何故か映画「ミッション:インポッシブル」のテーマを歌いながらななこを追跡する二人
『ダーン!ダンダダンダン ダーン!ダンダダンダン ダーン!ダンダダンダン ダーン!ダンダダンダン』と主旋律をしんちゃんが
『ティロティ~ ティロティ~』と四十郎が5小節目から裏メロを担当
※この時、実際の「ミッション:インポッシブル」のテーマのBGMも流れる
つい先ほどまであれだけ対立していたのに、何なんだこの息の合いようは...
たとえいがみ合っていたとしても、ななこを
大切に思う気持ちは互いに一緒というわけか...
「ミッション: インポッシブル」は世界的映画スター
トム・クルーズ主演の大人気アクション
スパイ
映画
シリーズのことで、1996年に第1作目が公開されて以降、続編も回を重ねるごとにアクションのスケールが拡大し
軒並み大ヒットを記録しました
これまでに公開された作品は、2025年公開の最新作「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」を含む計8作品
・普段あまり見ることの無い、露出度の高いミニスカート姿で歩く
ななこの後ろ姿を見つめ、『ななこめ、いつからあんな派手な格好をするようになったのだ!!』
『イカンですな~。ちょっと嬉しいけど~』と興奮を抑えつつ、尚もななこを追跡する二人
・すると二人の悪い予感は的中し、やはりななこは男のもとへ向かっていて、一足早く待ち合わせ場所のタバコ屋の前
に到着していた彼氏
と合流するのだった
しかもその男の風貌というのが、中年(おそらく40代)・色黒・無精髭・肥満・茶髪のロン毛・サングラス姿という爽やかさ
や品位
の欠片も無い
チャラそうな男だった
『やっぱり男がいたのか!!』と大きく口を開けてショックを受ける四十郎としんちゃん
『ガガ~ン!』と二人が叫び声を上げると同時にBGMも止まる
・『これ似合う?』と着て来た服装を男に尋ねる女
『あ~最高にイカしてるで~』と褒める男
その言葉に『ヤダ~ バカ~ン』と女は喜ぶと、二人は路上でイチャイチャし始めるのだった
その光景を約50m後方から見ていた四十郎としんちゃんは『許せん!あんな男と!』『オラの方が可愛いのに~!!』『ワシという父親がありながら!!』『オラという恋人がありながら~!!』と嫉妬と怒りの炎を燃え上がらせる
『ななこ~!!!!!!!!!待ちなさい!!!』『目を覚ませななこおねいさ~ん!!!!』と二人は声を張り上げ、ろくでもない男
からななこ
を引き離すべく
猛ダッシュでカップル
の方へと駆け寄るのだった
すると二人の接近に気づいた女は後方を振り返る
何と二人がななこだと思っていたその女性は、背格好と髪型がそっくりなだけの赤の他人だったのだ
瘦せた頬、パッチリ過ぎる瞳におちょぼ口で
歳
は彼氏と同じ40代ぐらい
・猛ダッシュのさなか、自分たちが追っていた女性が別人だと気づいた二人
だが引き返そうにも今更もう後戻りできなくなった二人は、そのまま『ななこ~!!』と叫び続けながらカップル
の横を猛スピードで走り抜けると
、近くにいた散歩中の白い犬
を見つけて立ち止まり、その犬を『ななこ』と呼んで戯れ
、その場を取り繕うのだった
そう、『ななこ』と読んでいた対象は始めからあの女性ではなく、この白い犬であるかのように
だが飼い主の女性は『あ、あの~名前ポチなんですけど~...』と眉間にしわを寄せ、二人に対して怪訝な表情を向ける
指摘を受けてバツが悪くなった二人は、また『ななこ~!!』と大声を上げてその場を走り去るのだった
マイルドヘブン→マイルドセブンのパロディー
居酒屋 浮気道
・さて一方コチラは本物のななこ
買い物から自宅アパートへ帰宅すると、駐車場に
父のバイク
としんちゃんの三輪車
が停めてあるのを見て『何でここに?』と不思議に思うのだった
・その日の夕食中、『へ~、ななこちゃんのお父さんてそんなに心配性なのか~』とみさえとしんちゃんから説明を受けるひろし
だが二人ともななこの父の職業があの大ベストセラー作家
であることまでは分かっておらず
ニアミス
『そういう心配性の人は、大原四十郎の「豪快サラリーマン」を読めばいいんだ~』と助言するひろし
『あっ!ななこちゃんの苗字も大原よ~ 案外親戚だったりしてね~』と冗談交じりにつぶやくみさえ
だが当然ひろしとしんちゃんが真に受けることも無く、『まっさか~』と一笑に付すのだった
親戚どころか本人なのだが...
野原一家に噂をされてクシャミを飛ばしつつ、昼間の遅れを取り戻そうと「豪快シリーズ」の執筆作業
に追われているのだった
この冴えないおじさんの正体が、あの天下の大ベストセラー作家
だと野原一家が気付く日は、一体いつ訪れる事やら...
以上