【浜岡原発データ不正】中電社長が周辺自治体に初めて謝罪も公表から10日後のトップ謝罪に批判・失望の声相次ぐ
静岡・浜岡原発の再稼働に向けたデータの不正問題で、15日、中部電力の社長が周辺自治体に対し初めて謝罪しました。不正の公表から10日後のトップ謝罪に批判や失望の声も相次いでいます。
(高山 基彦 キャスター)
「中部電力の林欣吾社長が周辺自治体に謝罪に訪れました。どのような説明がなされるのでしょうか」
1月15日、静岡・御前崎市役所を訪れた中部電力のトップ林 欣吾社長。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「心よりおわび申し上げます。申し訳ございませんでした」
不正が発覚した浜岡原発を巡る一連の問題について御前崎市長に謝罪しました。
浜岡原発の3、4号機の再稼働に向けた審査を巡り、耐震設計にかかわるデータを意図的に過小評価したとされる問題。この問題を巡り、14日、都内で開かれた原子力規制委員会では。
(原子力規制庁の職員)
「申請書の信頼性を疑わざるを得ない状況にあるということで、 審査や検査を行うことは適当ではないと考えられます」
当面の間、浜岡原発の再稼働の前提となる審査などを行わないことを正式に決定。また、原子力規制委員会は中部電力に対し、3月末までに事実関係や経緯などについて報告を求める「報告徴収命令」を通達しました。
問題が明るみに出て以来、初めて市長に直接謝罪した林社長。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「このような事態、地元の皆様の 信頼を失墜させることは原子力事業の根幹にかかわる極めて深刻な事態だと受け止めている。今回のことを極めて重く受け止め、 深くおわび申し上げます。申し訳ございませんでした」
(御前崎市 下村 勝 市長)
「できるだけ早く、どういう影響がどこまで及ぶのかということを公表していただきたい」
謝罪に対し、御前崎市長をトップとする4市からなる「対策協議会」は、事実関係や再発防止策について広く公表を求める申し入れ書を林社長に手渡しました。
(御前崎市 下村 勝 市長)
「もともとの根底のデータが揺らいでしまっているということは、どこまで信用していいか…というところがわからない。そこをはっきりしていただきたい」
1月5日のデータの不正発表から10日が経過して謝罪に訪れた林社長。
実は、会見の2日後に林社長は浜岡原発を訪れていたものの、周辺市町へ説明に回ることはありませんでした。9日、御前崎市議会の「原子力対策特別委員会」にも、社長の姿はなく不満の声が相次ぎました。
(議員)
「今回、社長が出席していないと いうことに非常に残念に思います」
(議員)
「少なくとも5日のね、記者会見の後に速やかにね、御前崎市に来て、事態の説明と 陳謝をすべきじゃないですか」
謝罪が15日になった理由について、林社長は。
(中部電力 林 欣吾 社長)
Q.なぜ10日かかった?
「いち早く現場に行きたかったが、 きょう初めてお会いする形になった。深くおわび申し上げます。今回の事象が、皆様に与える影響・ご心配・ご迷惑の 大きさを痛感した。深くおわび申し上げます」
「おわびを申し上げる」と繰り返すのみでした。
御前崎市役所から出てきた林社長を待ち構えていたのは、原発に反対する市民グループでした。
続いて訪問したのは、御前崎市に隣接する菊川市。中部電力の組織体制について厳しい追及が。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「私が事実を知ったのは12月2日。5月の時点で調査依頼が来ているのに、その時点で上部まで報告がなかったのか。この辺は今後、調査の対象にして変えていきたいと思っている」
(菊川市 長谷川 寬彦 市長)
「びっくりしました。私の場合はそういうときは必ずワンペーパーにまとめて、まずは報告にあげてくれと話をするが、それを中電は会社としてやっていないという ことが事実とするならば、健全な組織ではないと言わざるを得ないと思う」
謝罪を受けた長谷川市長は。
(菊川市 長谷川 寬彦 市長)
「安全対策をしっかりやろうと、そういう意気込みでやられていた中の大事な部分がウソだったんじゃないか、そういう不信感を持ってしまっていることに対し、ぜひ、真しにしっかりと信頼を勝ち取れるようにお願いしたい」
その後も…。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「本当に申し訳ございませんでした」
牧之原市や掛川市を訪れ謝罪と説明に追われました。
(牧之原市 杉本 喜久雄 市長)
「報告が要請しなければ行われなかった。地元4市をないがしろにするもので非常に残念だった」
(中部電力 林 欣吾 社長)
「報告が遅いということでありますが、これもすみません。すぐに来たかったのですが、結果として、きょう市長さんにお話しすることになりました。深く反省し、おわびします」
4つの市から様々な苦言を聞いた林社長は…。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「本当に皆さまにご心配とご迷惑をおかけしていることを痛感した。事実の解明と原因究明、対策の構築と併せ、会社の風土、組織、意識など、すべての会社の解体的な再構築に向けて全力で取り組んでいく」
地元に募る中電への不信感を直接目の当たりにした林社長は、今後の調査で、どこまで不正の背景を明らかにできるのか、注目されます。