第877話 モニター越しに器用にニーナを睨む元女神。
『私が追放されたのは全てがその女の所為だと言っても過言ではありません』
モニター越しに器用にニーナを睨む元女神。
『先に質問ですが、アーバン、お前は動画が2つ用意された事を知っていますか?』
2つ?
「いえ。私が把握しているのは、女神様のアバターを利用した物だけですね」
『――もう1つの方も私のアバターが利用されていました。それも――……それも信じられないぐらい醜悪な方法で!!』
わなわなと震える元女神。
もしかしたら俺が把握している方の事を言っている可能性もあるが……
確かにそもそも2パターンある事は知らないな。
どういうことかとニーナを見ると、彼女はニィっと笑って、簡単にその動画の内容を説明してくれた。
「もう1つの動画は、少々皆で鑑賞するのは刺激が強すぎましたので、鑑賞会は控えさせて頂きました。簡単に内容を説明するならば……そうですね、女神様とテンタクルハート様の情事の様を撮影させて頂きました」
――ん? 情事?
『どこが情事ですか!? どう見ても触手強姦だったではありませんか!!』
――……ほほう。触手モノですか……それはそれは、また業の深い物を――
この世界の魔物は仮に触手君であっても、そのような展開にはならないとヘブロムが言っていたが……確かにクロイ君――もといテンタクル君ならば、この世界の住人ではないのでそれも可能か。
「しかし、封印の魔道具の中では触手は再生しませんが?」
「少しの間だけ普通の次元収納になるように、カボに設定して頂きました。アーバン殿に連絡が言っていたのは、私がカボ達に口止めしたからですね」
「口止め?」
「サプライズだと言っておきました」
――それで口止めされちゃうカボよ。
実はポンコツか。
「――映像の写しは後程お渡しいたします」
「――……あざます」
『ちょっと! 何を本人の目の前で私の恥ずかしい映像を横流そうとしているのですか!!』
本人って、アバターじゃん。
いやまぁ、元女神を模ったアバターだから、肖像権はあっちにあるのか。
「それで? その元女神様の恥ずかしい動画が、こんなにも早く女神様が神界を追われる事になったのと、どう関係しているのですか?」
『……その女、この動画を神界に流布されたくなければ生身で下界に投降しろなどと抜かしたのです』
「ふむ……それで?」
『しかも――ただのハッタリかと思いきや、その動画を他の動画を再生する為の魔道具の中に仕込んでいたのです』
他の動画を流すための魔道具と言うと、女神を煽る為――と見せかけて、他の神々に女神を失墜させるのが目的で数カ所に設置したアレの事だよな?
ニーナは随分とカボを働かせた様だ。
『それを――魔法神の奴が持って行きました』
「魔法神様が?」
そういえば、これは報告にあったな。
確か、魔法神の使っている魔法陣より高性能だから、魔法陣の解析にと1つ持っていかられたんだっけ?
「それから?」
『魔法神の奴――解析した魔道具を試す為に……よりにもよってその動画を各地で流し腐りやがったのです!』
うわぁ……それは確かにやりすぎかも知れん。
『頭に来た私は魔法神のところに殴り込みました……その結果がこれです』
どれです?
え? 話飛んだ?
「えっと、それで何故貴方が神界を追放される事に?」
『ですから、魔法神をぶん殴った私は、神界のルールに抵触したと判断され、下界に追放されたのです!』
……それは酷い。
どんな理由があれ暴力だけは許されないって?
魔法神の行為は暴力ではないので許されるのか?
ルールがガバガバ過ぎませんかね?
これは確かに、ちょっと可哀想かも……
しかし、元女神は全部ニーナの所為と言っていたが、8割魔法神が悪くないか、それ?
それにしても、ニーナは『にやっ、計画通り』みたいな顔をしていたが、ここまで読んでたのか? いやいや流石にそれはないよな?
チラリとニーナを見ると、ニーナはニコっと笑うだけだった。
こわぁ~……
魔道具師志望ですがゴーレム以外興味はありません 大前野 誠也 @karisettei
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