「パープル企業」から若者が去る理由とは? ブラックでもホワイトでもない企業はどう対応すべきか? #エキスパートトピ
残業もなく人間関係も良好。いっぽうで成長の実感が得られない。そのような企業を「ゆるブラック」や「パープル企業」と呼ぶ。マイナビによれば、20代の約7割が自社をそう感じているという。コロナ禍を経て、若者のスキルへの執着は以前よりも強まった。終身雇用の崩壊を見据え、個人の「キャリア安全性」を重んじる傾向が高まっているからだ。「ワークライフバランス」も大事にしたいが、「成長の実感」も得たい。そんな若者たちに会社側はどう対応すべきなのか? 関連記事をまとめてみた。
ココがポイント
法律違反レベルの過酷な労働環境ではないものの、従業員の成長やキャリアアップにつながる機会が極端に少ない企業のこと
出典:日本の人事部 2025/8/20(水)
退職代行サービス「モームリ」でも、パープル企業に関する相談が増えているといいます。
出典:TOKYO MX 2025/5/28(水)
パープル企業では、現状のプロセスや方法に固執する傾向があり、イノベーションや改革への抵抗が強くなりがちです
出典:SAISON PERSONAL PLUS 2025/10/23(木)
入社して数年しか経っていない20代が転職を考える理由の一つが、「ゆるブラック」「パープル企業」に勤めているということ
出典:FNNプライムオンライン 2023/10/18(水)
エキスパートの補足・見解
「働きやすさ」はあるが「働きがい」がない。これがパープル企業の課題であろう。若者30人を対象としたアンケートでも、22人がパープル企業を「なし」と回答。若者は、単なる定時退社よりも「明日も通用するスキル」を求めている。
マイナビの調査によれば、転職を考える20代の67.6%が、自社を「ゆるブラック」と感じている。残業が少なく居心地が良い反面、ルーティンワークばかりでスキルが身につかない。こうした環境が「市場価値が低下してしまう」という不満に繋がっている。退職代行への相談でも、約5%がこうした企業に関連する悩みだという。
いっぽうで、企業側もジレンマを抱えている。パワハラを恐れ、上司が部下への必要な指導さえ避けてしまうのだ。その結果、波風の立たない「無菌室」のような職場が増えてしまった。だが、成長には適度な負荷が欠かせない。企業が取り組むべきは、次の3点だろう。
(1)管理職への啓蒙
(2)能力を少し超えるストレッチ目標の設定(OKRのムーンショット)
(3)1on1を通じた「認識のズレ」の修正
「働きやすさ」だけでは、もはや優秀な若者はつなぎ止められない。個人の市場価値を高める支援こそが、これからの福利厚生と言える。