高市早苗首相は14日、首相官邸で自民党の鈴木俊一幹事長や日本維新の会の吉村洋文代表らに23日召集の通常国会の早朝に衆院を解散する意向を伝えた。

 1月27日公示、2月8日投開票となりそうだ。ここまで来たら解散は確実と思われるが、不穏な空気も漂っている。自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点について書かれた「TM特別報告」に注目が集まっているのだ。

 永田町関係者は「解散は木原稔官房長官や安倍晋三元首相に近かった官僚ら官邸が主導したと言われています。麻生太郎副総裁や鈴木幹事長に知らされていなかっただけでなく、高市氏と距離が近いはずの萩生田光一幹事長代行すら困惑しているというからあまりにも秘密主義すぎます」と明かした。

 高市氏は電撃解散によって自民党だけで単独過半数を押さえたいという。しかし、たとえ勝っても参議院では自民党だけで単独過半数にはならない。それでも解散を急ぐのは不祥事隠しとの指摘もある。中国のレアアース輸出規制問題のほかに、旧統一教会と自民党との接点にまつわる問題が浮上している。SNSでは「#統一教会隠し解散」がトレンドになったほどだ。

 昨今、注目されているのが「TM特別報告」なる文書だ。旧統一教会の韓国本部の幹部が韓鶴子総裁に報告するための内部文書とされ、日本側の幹部だった徳野英治氏らの報告が含まれている。TMとは「トゥルーマザー」の略で韓総裁のことを指す。日本では週刊文春が内容を報道し知られるようになった。

 このTM特別報告を入手。この文書には旧統一教会が日本の政治、特に自民党との接点や評価について書かれていた。高市氏についての記述を調べると、旧統一教会が安倍氏の後継として高市氏に強い関心を抱いていたことが分かる。

 高市氏についての記述は主に2021年の自民党総裁選のころに集中。菅義偉首相(当時)の後任を選ぶ総裁選で、岸田文雄氏、河野太郎氏、野田聖子氏、そして高市氏が出馬した。徳野氏は韓総裁に対して総裁選の仕組みを伝えつつ、「安倍元首相がわれわれと近いという観点から見れば、高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願いであるという解釈もできます」(21年9月18日付)と結論付けていた。

 岸田氏が総裁となった結果を受けての報告では「(もし高市氏が総裁になっていたら)安倍元首相とわれわれとの距離が近いため、われわれにすぐに高市氏をつないでくれることは間違いなかった」(21年10月1日付)と分析した。

 徳野氏は8日にⅩでTM特別報告に言及。報告を送ったことは事実としながらも、「私が書いた報告書は信仰的希望を込めて、韓鶴子総裁を励ますことを目的として書いた極めて私的なものです。日本本部としての公式文書というよりは、私信に近いものです。そのため、個人的意見や希望的予測なども多く含まれています」と読む際の注意を呼び掛けた。

 ここ数年の報告はないので最近の高市氏について旧統一教会がどのような評価をしているかは不明。一方でTM特別報告には多くの国会議員の名前が浮上し、近い関係を思わせる記述もある。

 安倍元首相を銃撃した山上徹也被告の判決は21日で、TM特別報告と併せて旧統一教会への注目度が上がっている。解散総選挙への影響もありそうだ。