高市首相「完黙」の衆院解散 与党に渦巻く「どす黒い不満」 結束乱れて選挙戦へ

奈良県での日韓首脳会談などを終え、首相官邸に入る高市早苗首相=1月14日午後(春名中撮影)
奈良県での日韓首脳会談などを終え、首相官邸に入る高市早苗首相=1月14日午後(春名中撮影)

高市早苗首相(自民党総裁)は14日、通常国会(23日召集)早期に衆院を解散する意向を自民、日本維新の会に伝えた。9日夜の読売新聞による「解散検討」報道から5日を経て、ようやく選挙実務を仕切る与党幹部への正式伝達に至った。首相は衆院での与野党拮抗(きっこう)を打開するため勝負に出たが、与党内では首相が貫いた「沈黙」に不満も渦巻く。

首相「次の選挙で単独過半数」

「次に選挙するときは単独過半数を取る」。首相に近い党重鎮によると、首相は就任後から、そう周囲に漏らしていたという。首相は14日、首相官邸で自民の鈴木俊一幹事長、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)らと会談し、衆院解散の「決意」を正式に伝達した。会談時間は1時間超に及んだ。

自民は石破茂前首相のもと、一昨年の衆院選、昨年の参院選と連敗し、衆参で与党の過半数割れを招いた。公明党の連立離脱後、維新と連立を組んで政権を発足させた高市首相にとって、新たな「自維」の枠組みで国民の信を問い、政権の正統性を得ることは最重要課題だった。衆院だけでも過半数(233)を大きく上回れば政権運営の安定につながる。

奇襲で与党内にも疑心暗鬼

野党の虚を突く電撃解散は与党にとっては好機のはずだ。しかし、首相が仕掛けた「奇襲」は野党だけでなく、与党にも疑心暗鬼を生んだ。首相の「孤立主義」が与党内の一体感を揺さぶる事態となっている。

首相は解散の検討状況について、自身の肉声ではなく、最側近の木原稔官房長官を通じて与党側に伝えていたとみられる。結局、選挙を指揮する鈴木氏への正式伝達は14日までずれ込み、報道以降、鈴木氏は周囲に強烈な不満を漏らしていたという。

「解散を決めるときはいつも一人」

自公連立の時代には、自民は公明にある程度、重要事項は事前伝達し、与党として心合わせをしていた。だが、今回は首相から維新への「配慮」はなかったようだ。

「首相はどす黒いまでに孤独だ。解散を決めるときはいつも一人だ」

首相側近は麻生太郎元首相(自民副総裁)の言葉を引き合いに、首相の心情を説明した。与党は内部に生まれた「どす黒い不満」を抱えながら、選挙戦に突入する。(千田恒弥)

立民と公明、新党結成視野に調整

会員限定記事

会員サービス詳細

政治ランキング

  1. 「絶対いや」「野田執行部とは決別」立民・原口氏、立民・公明新党構想に反発 分党を要求

  2. 来日メローニ氏はアニメ好き、ルパンやキャプテンハーロックから影響? 岸田氏キティ贈呈

  3. 公明・斉藤氏、立民との新党構想念頭「中道勢力の結集を図る」 衆院解散「理解できない」

  4. 立民・野田氏、公明との新党結成構想「中道結集、うねり作る」国民民主にも呼びかけ

  5. <独自>無所属・寺田静参院議員が自民会派入り 与党、参院過半数まで5議席に迫る

  6. 高市首相「完黙」の衆院解散 与党に渦巻く「どす黒い不満」 結束乱れて選挙戦へ

  7. 公明、新党結成案を「代表一任」午後に立公党首会談で新党結成へ

  8. 公明・赤羽氏、立憲民主党との新党構想を「代表一任」と説明 参院は順次合流の方向

  9. 佐藤元総務相が不出馬意向 菅氏の側近、来週表明へ「後進に道を譲る」

  10. 立民と公明、新党結成視野に調整 斉藤代表ら小選挙区撤退の方向、15日にも党内手続き

「産経ニュース」から最新情報を受け取れます。
この表示を閉じると通知が受け取れなくなりますのでご注意ください。