第11回書店離れの時代、全国チェーン宮脇書店の社長がめざす「最後の砦」
「本なら何でもそろう」――。このキャッチフレーズで日本中に書店のネットワークを築き上げた宮脇書店(本社・高松市)。
インターネット通販や電子書籍の普及などで書店離れが進む中、書店文化を守るため、どんな戦略を描くのか。5代目の宮脇範次社長(76)にこれまでの歩みや展望を聞いた。
連載「ほんとの四国」
AI時代を迎え、人と本との関係はどのようになるのでしょうか。本と向き合う人たちの言葉から、そのヒントを探ります。
宮脇書店は、1877(明治10)年に高松市内で創業した小さな書店「宮脇開益堂」が起源だ。戦前には倒産、戦中には空襲という苦難を乗り越えてきた。
戦後、宮脇社長の母である富子さん(2012年に88歳で死去)が、高松市中心部の丸亀町商店街にあった本店を大型化することを提案。当時の経営者だった富子さんの父英一さんは反対したが、富子さんが経営を譲り受け、1966年、約800平方メートルの新店舗がオープンした。
宮脇社長は「その後、大規模店舗の出店を規制する大店法(大規模小売店舗法)ができ、他社は大規模店をやりにくくなり、運も味方した」と振り返る。
富子さんは、車社会の進展を先取りした駐車場付きの郊外型店舗やフランチャイズなどのアイデアを積極的に採り入れて、店舗網を香川県外にも拡大した。ショッピングセンターへの出店も相次いだ。
「沖縄の人は本に飢えていた」
宮脇社長は東京大を卒業後…